クランの話 設立完了!
ギルドのカフェは、後払いで届けてく入れるタイプではなく、先払いでその場で商品をもらうタイプだった。
こっちの方が、回転率は良さそうだな、
カフェエリアを何か買わずに利用するのはどうかと思って、俺たちは、飲み物を注文した。
おのおの飲み物を片手にカフェエリアの椅子に腰掛けた。
「書類に書くこと決めていくぞ」
「「はーい」」
俺たちは、時々飲み物を飲みながら、書類の内容を決めていった。
「まず、クランの名前どうする?」
「卍最強卍とかどう?! シンプルだろ!」
「どこがシンプルなの?」
「何に影響されたんだ?」
「最近、漫画で見た必殺技の一部!」
「却下ね」
「却下だな」
いつも通りのネーミングセンスなコルドの提案は早々に却下をくらった。
俺は、コルドに続いて、思いついたクラン名を言った。
「じゃあ、オクツのオに、ローズのロ、コルドのコで、オロコってどうだ?」
「そうね、ちょっと、ないわね」
「うーん、ダサい!」
「却下ね」
「却下だな!」
俺も案も雑に却下をくらってしまった。
いつものことだけど、ちょっと悲しいな。
「そうか……」
俺たちが何か名付けをするときは、大体ローズの出した案が採用される。それは、コルドと俺にネーミングセンスが全くないからだ。
まぁ、センスがないんだから仕方がないよな。
本命のローズが、案を出してきた。
「ファーストでどうかしら。いろんなものに一番最初に取り組んでいくことと、何事も一番を目指していくこと。この2つの意味があるわ。それに、『ビッグラビット』も、『ビッグボスゴブリン』も、『クランの町フラッグ』も、最初にやって、ワールドクエストを進めてきたのは、私たちなんだし、ファーストってぴったりの名前じゃない?」
すらすらと何個も理由が出てくるのがすごいな。
俺とか、コルドみたいになんとなくで言ってるわけじゃないんだろうな。
さすがローズだな。
悔しいけど、これは『ファースト』だな。
「良いと思うぞ!」
「あぁ。シンプルで良いな」
「2人とも賛成みたいだし、私たちのクランの名前は、『ファースト』ね」
俺たちの設立するクランの名前は、『ファースト』に決まった。
反対意見もなく、スムーズに決まった。
続いて、次の決め事。
「じゃあ、次は、設立目的だな。何かアイディアはあるか?」
「『この世界を仲間と楽しむため』とかでどうだ?! 戦闘も生産も冒険も何でもやりたいから、これぐらいふわっとしてた方が俺たち的には良いんじゃないか?!」
「良いと思うぞ」
「私も良いと思うわ」
設立目的は一発で決まった。
スムーズに話が進むと楽で良いな。
ぱっと良い案が出せるなら、ネーミングの方もなんとかなりそうなもんなんだけどな。
不思議だな。
「じゃあ、設立目的は、『この世界を仲間と楽しむため』だな!」
じゃあ、次の決め事。
「じゃあ、最期に、活動方針だな。これは後から変えることもできるらしいぞ」
「『無理のない範囲で、APOを楽しもう』でどうかしら?」
「良いと思うぞ」
「俺もそれでいいと思う!」
これまたストレートに決まった。
名付けの時がなんだったんだと思うようなスピード感で話し合いが進んでいった。
名付けを最初からローズに任せていればよかったのかな?
でも、苦手なことでも挑戦していかないと、成長しないしな。
別に俺が意見を出すことも間違ってないよな。
これで、決めなきゃいけないことは全部だな。
俺は黙々と、書類に入力していった。
「よし! できたぞ」
入力が完了し、提出する書類が完成した。
その頃には、みんな手持ちの飲み物がからになっていた。
「じゃあ、早速出しに行きましょう」
俺たちは、クランカウンターまで戻ってきた。
先ほどと同じ職員さんに話しかける。
「先ほど渡された書類を書いてきました」
そう言って、書類を職員さんに渡した。
職員さんは、書類を受け取ると、書類を確認しながら言った。
「書類の確認をしますね」
しばらく、緊張しながら待った。
職員さんは、無言で書類を眺め続けている。
職員さんが、書類を読み終えたのか、視線をあげた。
職員さんは視線をこちらに向けていった。
「書類に不備はなさそうですね。この書類を受理いたします。クラン設立の最終ステップです。本拠地はどこにしますか?」
本拠地の場所の指定ができるの?!
驚きながら俺は聞き返した。
「場所を選べるんですか?」
「特定の場所を選ぶことはできませんが、大まかな場所を選ぶことはできます。例えば、ギルドの近く、城壁の近く、大樹の広場の近くなどを選ぶことができます」
へぇ、大まかになら場所を選べるんだ。
選べるんだったら、どこにでも行きやすい、大樹の辺りかな。
俺は、後ろを振り返って、2人に確認した。
「大樹の近くで良いか?」
「「いい(ぞ!)(わ)」」
2人も同じ意見だったのか、ノータイムで返事が返ってきた。
前に向き直り、職員さんに向かっていった。
「大樹の広場の近くで」
「大樹の広場の近くですね。了解しました。こちらが、『ファースト』の本拠地の地図なります」
そう言って、職員さんが地図を渡してきた。
俺は軽く地図を確認した。
どうやら、大樹の広場沿いの北にある建物らしい。
ここっていつから使えるのかな?
長く使ってなくてホコリがたまっているとかあるのかな?
「ここは、いつから使えますか?」
「手続きが完了したら、すぐに使うことができます」
すぐ使えるんだ。
へぇ。
そういえば、鍵とかはないのかな?
鍵がなかったら、どうやって防犯をすればいいの? ってことになるよな。
そこのところどうするんだろう?
「本拠地の設定が完了したため、クラン設立の手続きが終了しました。クラン『ファースト』が正式に設立されました。皆さんの、ギルドカードを一度預からせていただきます」
そう言われたので、俺たちは、職員さんにギルドカードを渡した。
職員さんは俺たちのギルドカードを受け取ると、何か作業を始めた。
これでクラン設立なのかぁ。
あまり実感がないな。
もしかしたら、本拠地とかに行ったら実感が湧くものなのかな?
これでクランマスターかぁ。
いいように担がされてるだけな気がするけど、気にしない気にしない。
作業を終えた職員さんが、俺たちにギルドカードを渡しながら言った。
「ギルドカードに、所属クランを追加しておきました」
「クランの活動を頑張ってください」
職員さんがそういったタイミングで、アナウンスがなった。
誰かが、ワールドクエストでも達成したのかと思って聞いたら、俺たちのことだった。
プレイヤーがワールドで始めて、クランを設立しました。
クランに称号『最古のor最初の』が贈られました。
ワールドクエスト『新しき世の風』『第一章 一つの島から』『第一節 英雄の旅路をなぞって』『第二話 仲間を集めて』が達成されました。
これで、ワールドクエストを進めるのが3つめだな。
もしかしたら、気づいていないだけで俺たち以外の人たちもワールドクエストをどんどん進めているのかな?
それなら、俺たちが3つも進めていることが納得いくんだよなぁ。
もしかして、ワールドクエストってそこまで難しいことじゃないのかな?
俺は、ギルドカードを受け取ると、振り返っていった。
「こっからどうする?」
「とりあえず、本拠地に行きましょう!」
「そうだな!」
俺たちは、本拠地に向けて歩き出した。
とりあえず行ってみたいよな。
本拠地はどんな建物なんだろう?
掃除とかされているんだろうか。
どんなないそうなのかな? 家具とか置いてあるのかな。
どんな景色が見えるんだろう。
楽しみだなぁ。
俺たちは、ギルドを出て、クラン『ファースト』の本拠地へと向かった。
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