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『ビッグボスゴブリン』リベンジ あっさり終了

 約10分間の死闘の末、棍棒持ちのゴブリンと、盾持ちのゴブリンを潰すことができた。

 やっとの思いで、前衛のゴブリン達を倒しきった。

 最後の方は、壁になる前衛のゴブリンが減って、『ビッグボスゴブリン』との距離が近づきすぎてヒヤヒヤした。

 ちょっとしたトラブルもありながら、なんとか前衛のゴブリンを始末することができた。

 残りは、杖持ちのゴブリンと、弓持ちのゴブリン、そして『ビッグボスゴブリン』だ。

 俺たちは、作戦会議のため、ゴブリン達が追っかけてこないぐらいの距離まで下がった。

 そして、一応ゴブリン達を警戒しながら、会議を始めた。


「これで残りは、後衛と『ビッグボスゴブリン』だけだな!」


「まずは後衛から倒さないと、『ビッグボスゴブリン』と戦っているところで後ろからチクチクされたら、たまったもんじゃないわ!」


「後衛の方はどうやって倒そう」


 みんな議論に熱が入っている。

 やる気に満ちていていい会議だなぁと思った。


「気になったんだけどさ、2人の魔法の射程より、ゴブリンの魔物の射程って少しだけ短くない?!」


 確かにそうだな。

 射程かぁ、意識せずに、やってたから、気にしてなかったな。

 そういえば、ゴブリンの群れを対処するときに、なんとなく射程の差を利用して、攻撃してたな。

 何で忘れてたんだろう?

 遠距離攻撃のダメージが上がったせいかな? 後衛から切り崩すみたいな戦法をとらなくてよくなったから、ゴブリンの魔法との射程差を忘れちゃってたのかな?

 何やっているんだ、俺。

 そうじゃん!

 ゴブリンの群れの対処の時に使ってたじゃん、射程差!

 もうちょっと早く気づけばよかった。

 ポンコツな自分の記憶力に後悔しながらも、話を進める。


「確かにそうだな。ゴブリンの群れと戦った時に、射程差を使って攻撃してたぞ」


「今回は『ビッグボスゴブリン』がいることで何か変わっているかもしれないし、ちょっと検証してみましょう」


 そうしてすぐに、会議を止め、俺たちは検証に取りかかった。

 俺の経験的には、絶対に射程差があると思っているが、自分の記憶が信じられなくなっているので、一応検証をすることにした。

 中期の記憶って難しいよな。

 検証は、コルドが前の方でうろちょろして、ゴブリンの魔法の射程をはかるのと、敵を引きつけるのを担当。ローズは、プレイヤーの魔法の射程をはかるのを担当。2人ともゴブリンと対峙しながら、ゴブリン達と一定の距離を取るため、バックステップをしながら、ゴブリンと距離を取っていく。そのサポートを俺が担当する。具体的には、2人がバックステップをする先に木や岩などの障害物がないかを確認しながら、2人が進む先から敵が出てこないかを警戒する係だ。

 検証は順調に進み、再びゴブリン達を振り切って、会議を再開した。

 射程の記録を聞いて、俺が興奮気味に言った。


「やっぱり、コルドの言ってたことは、本当だったな! 5mぐらい、こっちの方が長い!」


 ローズも驚きながら言った。


「そうだったのね。今まで知らなかったわ!」


 前衛で、遠距離攻撃をよけていた、コルドが新しいデータを言った。


「ゴブリンの弓はもっと短いみたいだな!」


「これなら、一定の距離を稼ぎながら魔法を打てば、後衛のゴブリン達も倒せそうだな」


「活路が見えてきたわね!」


「じゃあ、早速やろう!」


 そう言って、会議を切り上げて、またゴブリン達と対峙した。

 今度は、俺とローズがバックステップで、遠距離攻撃をして、コルドが誘導係だ。

 俺たちの魔法の射程と、ゴブリン達が追いかけてくる範囲が大体同じなため、少し調整に苦労した。だんだんと慣れていったら、ゴブリンをおいていったりすることは、なくなり、安定して、攻撃することができた。

 今回は、ゴブリン側の攻撃をわざわざ食らう必要はなかったので、コルドは前衛の配置ではなく、誘導員になった。

 安定して攻撃ができるようになったので、ゴブリン達を警戒しながらも、雑談をしながら攻撃を継続した。


「今思ったんだけどさ、前衛のゴブリンも同じ方法でよかったんじゃない?」


 俺が思ったことを正直に言ったら、ローズはうんうんと頷きながら言った。


「それはそうね!」


 俺たちの雑談が聞こえたのか、後方のコルドからも返ってきた。


「まぁ、さっきまでの方法も別に悪いわけではないし、いいんじゃない?!」


「まぁ、そうだな。最初から最適解が出せるわけじゃないよな」


 それからしばらくして、無事、後衛のゴブリン達もかたづけることができた。

 これで残すは、『ビッグボスゴブリン』ただ1体となった。

 気合いを入れ直し、『ビッグボスゴブリン』と対峙した。


「よし! これで残りは『ビッグボスゴブリン』だけだな!」


「ラストスパートね!」


「気合い入れていくぞ!」


 互いに活を入れ合って、『ビッグボスゴブリン』との戦いに挑んだ。

 俺とコルドは、走って『ビッグボスゴブリン』に近づき、接近戦を挑む。

 ローズは、後ろでどっしり構えて、魔法を打つ準備を始めた。

 まずは、走り出す前に投げておいた、俺の鉄球が、ビックボスゴブリンに当たった。



 48ダメージ



 あれ? 思ったよりもダメージが出るな。

 最初の検証で当てた、『ファイアランス』よりもダメージが出ているな。

 なんでだろう?

 取り巻きがいなくなって弱体化したのかな?


「あれ? 思ったよりもダメージが通るぞ。最初ほどではないけど、防御姿勢に入ったときぐらいは通るぞ」


 俺と同じように、2人も不思議に思ったのか、同じように驚いていた。

 2人は驚きながらも、ダメージが入る理由を考察した。


「何でなんだ?! 『ビッグボスゴブリン』が魔法だけに集中できなくなってガードされなくなったとかじゃないのか?!」


「それもあると思うわ。それとは別に、もしかして、残りHPが10%になったから強化されたんじゃなくて、ハイラビットとかハイウルフとかと同じように、集団になると強化されるスキルでもあったのかしら?」


 俺は攻撃そっちのけで、考察に入ろうとする2人を止めて、戦闘に集中させる。


「それはあるな! でも、今考えても仕方がないな!」


「じゃあ、一気に倒しちゃおう!」


 気を取り直して、『ビッグボスゴブリン』と対峙した。

 それからの戦闘は、あまり語るところのない戦闘となった。

 初期の『ビッグボスゴブリン』よりもある程度堅いけれど、『貫通』スキルなどがレベルが上がってきたことなどにより、苦になるほどでもなかった。

 行動パターンも、初期に戻っていたため、防御姿勢の時や、ゴブリンの群れと合流したときよりも、戦い慣れた形となっていた。

 それらの要因で、一方的に『ビッグボスゴブリン』をボコボコにする展開になった。

 正直、気合いを入れたのに、肩透かしを食らった気分だ。

 ノックバックの乗った咆吼で俺たちを後退させ、周りに40体のゴブリンが現れ、急に防御力を始め、俊敏なども強化された、つよつよ『ビックボスゴブリン』の姿はそこにはなく、ただただ一方的にやられる姿をさらしていた。

 群れを率いていたときから弱体化しているように見え、取り巻きのゴブリンが周りにいると、強化されるというのは本当だったんだなと思った。

 それと、前半2回の咆吼の時に、現れたゴブリンの群れを、『ビックボスゴブリン』に近づけさせなかった俺って、かなりのファインプレーをしていたんじゃないか? と思った。


 程なくして、『ビックボスゴブリン』は倒れた。

 あっさりした最後だったな。

 もしかしたら最後にもう一展開あるかと思っていたけれど、そんなものはなく、そのまま死んでいった。

 戦闘が終わり、一息を入れた。

 今も、アナウンスが鳴り続けている。

 それを無視して、地面に座り込んで3人で話した。


「最後は思ったよりあっさり倒れたな」


「そうだな!」


「ちょっと物足りなかったわね!」


 2人も物足りなさそうにしている。


「戦利品の確認とステータスの確認をしたら、次の町に行きますか!」


「「そう(だな)(ね)!」」











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