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『ビッグボスゴブリン』リベンジ 検証成功

 俺たちは検証のために立ち上がった。

 俺が役割を振り分けていく。


「じゃあ、俺とローズで『ファイアウォール』を使うから、コルドは、おとり役な!」


 2人はうんうんとうなずいている。


「了解!」


「じゃあ、私とオクツは、もう少し下がりましょうか」


 おれは、ローズと一緒に、『ビッグボスゴブリン』からさらに遠ざかった。


「そうだな」


 その間にコルドは、体をほぐすために柔軟運動をしていた。

 柔軟運動の締めにぴょんぴょんと跳ねた後、コルドは元気よく言った。


「じゃあ、行ってくるな!」


 そう言って、コルドは『ビッグボスゴブリン』に向かって走っていった。


「いっぱいつれてきてくれ」


 走って行ったコルドに俺が言った言葉は聞こえていないだろう。

 俺たちは、走って行くコルドを眺めながら、ゴブリン達を警戒する。

 コルドが走り始めてから割とすぐ、ゴブリン達が反応して動き出した。

 コルドは、ゴブリン達の警戒範囲に入ったようだ。

 『ビッグボスゴブリン』とゴブリン達は、コルドめがけて走り始めた。

 先頭を前衛のゴブリン、その後ろに後衛のゴブリン、最後尾に『ビッグボスゴブリン』という隊列で並んで走っている。

 ゴブリンが走り出したタイミングで、コルドは切り返してこちらに走り出した。

 ゴブリン達とコルドが、どんどんこちらに向かってくる。

 そのとき、なぜか俺の頭の中に、朝見つけた『ノックバック』というスキルが思い浮かんだ。

 このスキル、この検証に使えそうだな。

 そう思って、迫り来るゴブリンを見つめながら、SPを使って、スキル一覧から『ノックバック』を取った。

 ゴブリン達がどんどんと近づいてきている中、俺はローズに、『ノックバック』を取ったことを伝えた。


「今、『ノックバック』てスキルを取ってみた」


 ローズは、今それを言う?! という顔をして驚いていた。

 俺も、今それを言うタイミングかな? と正直思った。

 まぁ、話したくなったんだから仕方ないよね。

 ローズは、ゴブリン達にがっちり集中しながら俺に聞いた。


「それは、今回の作戦に使えるの?」


「多分」


 そこで、一度話が途切れた。

 多分2人とも、迫り来るゴブリンの群れに緊張していたんだと思う。

 後10秒ぐらいで、鉄球の射程圏内にゴブリン達が入ってくるというタイミングで、俺は再びローズに話しかて、大体の作戦内容を言った。


「作戦は、コルドが連れてきたやつに『ノックバック』の乗った鉄球を投げて、ちょっとした分断をした後に、『ファイアウォール』を打つ感じで!」


 ローズは今度は、真剣な顔で返事をした。


「わかったわ!」


 ローズが、返事をしたすぐ後に、前方から、コルドが叫んだ。


「連れてきたぞー!」



 俺は同時に着弾するように角度を調整しながら、1球1球に『ノックバック』をかけながら、鉄球を5発投げた。

 それと同時に、『ダブル』と『ファイアウォール』を唱えだした。

 俺が唱えだしたのと同じタイミングで、ローズも唱え始めた。

 ローズは多分『同時詠唱』もつかって、他の魔法も同時に唱えているのだろう。

 今度はローズに、『ファイアウォール』のタイミングを伝えた。


「いい感じのところに、鉄球を投げ込む込むから、できた隙間に『ファイアウォール』ね!」


 ローズはより真剣な面持ちで答えた。


「了解!」


 その瞬間はすぐに来た。

 投げた5球の鉄球達が、群れと分断するためのゴブリンに当たった。

 その瞬間、俺は全力で叫んだ。


「今!」


 Lv.1の『ノックバック』によってできた、わずかな隙間に、俺とローズで、計4枚の『ファイアウォール』が立った。

 『ファイアウォール』を立てる場所とかを共有するのを忘れたけれど、あうんの呼吸で、隙間なく、Vの字に4枚の『ファイアウォール』を立てることができた。

 これにより、6匹のゴブリンを群れから分断することができた。

 俺は、6匹の語尾林を群れから引き剥がしたことをコルドに伝えるために叫んだ。


「6匹切り離しだぞ!」


 ゴブリンが分断されたのがわかると、コルドは切り返して、6匹のゴブリンと対峙して叫んだ。


「今のうちにこいつらを倒しちゃうぞ!」


 俺は、2人に伝わるように大きな声で叫んだ。


「俺は、妨害に専念するから、ローズは、コルドと一緒にあいつらを倒しちゃって!」


「はーい!」


 俺は、Vの字の『ファイアウォール』を回り込んで攻撃しようとするゴブリン達を『ノックバック』の乗った鉄球と魔法で、押し返した。

 倒すことは考えずひたすら時間を稼ぐために押し返した。

 『ファイアウォール』に攻撃して『ファイアウォール』の耐久を削ってこようとするゴブリンは無視して、回り込もうとするゴブリンだけを徹底的にノックバックさせた。

 ほとんどダメージを出すことはなかったが、結構な時間を稼ぐことができた。

 多分30秒弱ぐらいの時間を稼いだと思う。

 抑える場所がじりじりと後退していき、そろそろ抑えるのが厳しきなってきたことを2人に伝える。


「そろそろゴブリン達がなだれ込んでくるぞ!」


「了解!」


 ローズは返事をくれたけれど、コルドは今も戦闘に夢中みたいだ。

 そろそろきつくなってきたところで、コルドが叫んだ。


「後1体!」


 どうやら、残り1体らしい。

 コルドが叫んだすぐ後に、ローズが『マイク』を使って言った。


「倒したわ!」


「すぐに離脱する!」


 コルドは、休憩する間もなく、Vの字の『ファイアウォール』から離脱していった。

 俺は離脱していくコルドに、ゴブリン達が追いついてこないように、鉄球と魔法を投げた。


「いったん引くぞ!」


「「了解!」」


 俺たちは、全力で走って、ゴブリン達が追ってくる範囲から出た。

 ゴブリン達の追ってくる範囲外に出て、会議を始めた。

 まず俺が2人に聞いた。


「どうだった?」


 ローズが興奮気味に言った。


「『ノックバック』がすごい活躍していたわね!」


「あれのおかげで分断もできたし、その後もコルドの方へゴブリンが向かわないようにすることもできた」


 俺も、大活躍をしてくれた『ノックバック』に感謝をしながら言った。

 今度はコルドが、興奮冷めあらぬ感じで言った。


「『ファイアウォール』が、後衛のゴブリンの攻撃を防いでくれていてよかったな!」


「壁の耐久値は大丈夫だったの?」


 ローズがそう聞いたので、俺が答えた。


「追加で1分ぐらいなら大丈夫だと思うぞ。まぁ、その間にゴブリンが抑えられなくなって、『ファイアウォール』のうち側に大量に入ってくるだろうけどな」


 コルドが「はぁ、そうなんだ!」という顔をして言った。


「耐久が大丈夫でも、時間を稼ぐ方が無理なのか。まぁ、あれぐらいの時間があるなら、あのぐらいの敵だったら余裕を持って倒せそうだぞ!」


「危なげもなかったし、この作戦でいいと思うわ!」


「じゃあ、この作戦で、相手の数を減らしていくぞ」


 全会一致で、この作戦を継続することになった。

 思いつきって大事だな。

 俺たちは再び、ゴブリン達を少しずつ刈るため立ち上がった。



「作戦は前回と同じで!」


「「了解!」」


 先ほどと同じような段取りで、進めていく。

 コルドが走って、こちらにゴブリン達を引き連れてくる。

 それをただただ眺める。

 前回と同じようなタイミングで、コルドが叫んだ。


「連れてきたぞ!」


 角度を調整しつつ、『ノックバック』の乗った鉄球を投げつつ、『ダブル』と『ファイアウォール』の詠唱をする。

 隣を見ると、ローズも同じように詠唱に入っていた。

 鉄球が着弾するタイミングで叫ぶ。


「今!」


 今度は、7匹のゴブリンを引き剥がすことができた。

 こいつらもパパッと片付けてしまおう。



 それからは、引き剥がしたゴブリンを倒し終わったときに一度ゴブリン達が追いかけられる範囲外に出るなんてことはせずに、連続で、ゴブリンを引き剥がしては倒してとしていった。

 そうやって、少しずつ、『ビッグボスゴブリン』の取り巻きのゴブリンを減らしていった。




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