『ビッグボスゴブリン』リベンジ 開戦から咆吼
俺たちの攻撃は、ほとんど同タイミングで『ビッグボスゴブリン』に当たった。
その中でも僅差で俺の攻撃が先に当たった。
俺の剣が『ビッグボスゴブリン』の左の太ももに当たる。
597ダメージ
追撃! 62ダメージ
堅い『ビッグボスゴブリン』相手にこのダメージは、結構成長できているんじゃないだろうか?
前回の初撃と比べて、倍以上の威力が出た。
半日頑張っただけで、こんなに成長するんだな。
自分の成長に驚いている。
これなら『ビッグボスゴブリン』を倒せるんじゃないかという期待のわくわくがあふれてきた。
俺の攻撃とタッチの差で、次はコルドの攻撃が、『ビッグボスゴブリン』に当たった。
コルドの攻撃は、俺とは反対の右の太ももに当たった。
クリティカル! 3024ダメージ
クリティカルが出て、俺の攻撃とは桁違いのダメージが入った。
さすがコルドだな。
元々STR極振りだっただけの力がある。
前回と比べても、すごい威力の上がり幅だな。
前回が、600弱のダメージだったから、威力が5倍以上になっているのか。
改めて比較すると、すごいな。
クリティカルが出たとはいえ、すごいダメージだな。
初撃を終えたコルドの顔が心なしか緩んでいるように見える。
コルドもすごいダメージが出てうれしいんだな。
わかるぞその気持ち。
この時点で、前回『ビッグボスゴブリン』と戦ったときの3人の初撃を軽々と超えた。
というか、コルドの攻撃だけで、軽々と超えていった。
コルド1人の攻撃で、『ビッグボスゴブリン』のHPの4%強のダメージを出した。
まぁ、俺も前回のコルド以上のダメージ出したし。
計600ダメージを超えたし! 馬鹿にならないダメージだし! 敵のHPの1%近く削ったし!
コルドの出したダメージにちょっとした対抗心を燃やしつつ、『ビッグボスゴブリン』の動きを警戒しつつ、次の攻撃の準備に入っていると、ローズの魔法が着弾した。
ローズは、『同時詠唱』と、『ダブル』を使ったんだろう。
4つの魔法が、『ビッグボスゴブリン』の胸あたりに連続して着弾した。
まずは、『ウィンドボール』が2個連続で着弾した。
794ダメージ
794ダメージ
ローズの『ウィンドボール』1つで、俺の全力の一撃を軽く超えてたダメージを出した。
2つを足すと、コルドがクリティカルが出たことによってようやく出した3024ダメージの半数近くになった。
これは、合計だと、コルドのダメージを軽く超えてくるなぁ。
そう思いながら、続いて飛んできた『ウィンドランス』が着弾する様子を眺めた。
もちろんその間も『ビッグボスゴブリン』の動きへの警戒と、次の一撃の準備をやめているわけではないぞ。
2本の『ウィンドランス』は、先ほど2個の『ウィンドボール』が着弾した位置と、首の間ぐらいに着弾した。
1569ダメージ
クリティカル! 4057ダメージ
ローズもクリティカルを出した。
羨ましい。
開戦の気合いの入ったタイミングで、クリティカルを引けるとか、2人はやっぱり、相当持っているんだなぁ。
羨ましい。
普通に着弾した、『ウィンドランス』ですら、俺の出したダメージの倍以上ある。
クリティカルの方の『ウィンドランス』なんて、コルドのクリティカル込みの全力の一撃を軽く超えていった。
すげぇ火力だなぁ。
羨ましいなぁ。
ローズだけで、俺とコルドが出したダメージの合計の倍近くダメージを出している。
すごいなぁ。さすがだなぁ。
俺たちは、初撃を入れ終わる頃には、『ビッグボスゴブリン』のHPを15%以上を削っていた。
前回は、10%削るのに10分以上かかったけど、今回は初撃だけで、10%を軽く超えて15%も削った。
これは、修行の成果というやつなのかな?
あの周回の成果かな?
『ビッグボスゴブリン』のHPを15%も削ったことに浸っていると、後方からローズが『マイク』を使って叫んだ。
「10%以上削ったから、すぐにでも咆吼が来るわ!」
確かにそうだ。忘れていた。
『ビッグボスゴブリン』のHPを10%削ると咆吼が来るんだった。
俺は、次の攻撃の準備を取りやめて、『ビッグボスゴブリン』から距離を取った。
近くで咆吼をくらうより、遠くでくらった方がうるさくなさそうだなという気持ちと、ゴブリンが来る法に少しでもよったほうがいいかなと言う思いから、俺は『ビッグボスゴブリン』から距離を取った。
俺は、バックステップで距離を取る。
『ビッグボスゴブリン』から視線は外さずに着実に距離を取る。
『ビッグボスゴブリン』は、俺たちをにらみつけながら、防御姿勢に入っていた。
前回の戦いで咆哮が来る直前の動作そのものだった。
確か前回はここから息を吸うモーションを挟んで咆吼をするんだったよな。
俺は『ビッグボスゴブリン』から離れながら、コルドの様子を確認する。
コルドは、『ビッグボスゴブリン』から離れずにいた。
コルドは、俺と違って、ずっと前衛を受け持つから、『ビッグボスゴブリン』から離れ過ぎると不都合があるという判断なのかな?
そもそも俺と違って、『ビッグボスゴブリン』から離れる必要がないか。
前回の戦いで、咆吼に状態異常とかの効果がないことはわかっているから、咆吼をくらった後に隙を作るわけでもないし。
コルドは、いつ咆吼が来るかと警戒をしながらも、防御姿勢の『ビッグボスゴブリン』に攻撃している。
俺はコルドが、少し無理をして攻撃を入れているように感じだ。
何か焦っているのかな?
そういえば、初撃でローズがダメージを出し過ぎたから、ヘイトが不安定になっていたな。
コルドは、ヘイトを安定させるためにチクチク攻撃を入れて、ヘイトをコントロールしようとしているんだろう。
そう思うと納得がいった。
俺は下がりながらも『ビッグボスゴブリン』が息を吸うモーションに入ったのを見た。
俺は叫んだ。
「咆吼が来るぞ!」
俺が叫んだら、なぜかコルドが、『ビッグボスゴブリン』に攻撃を続けた。
コルドは、『ビッグボスゴブリン』に一撃入れて、叫んだ。
「このモーションの時は、無敵状態みたいだな!」
コルドは叫んだ後すぐ、数歩『ビッグボスゴブリン』から離れて、耳を塞いだ。
俺も、後ろに下がりながら耳を塞いだ。
俺が耳を塞いだすぐ後、『ビッグボスゴブリン』が叫んだ。
「うぅぅぅううううぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!」
咆吼がやんだのを確認すると、俺は耳を塞ぐのをやめ、ローズの後方に向かって走り出した。
わざわざ、ゴブリンが来たとこを確認するまで待たなくてもいいな。
じゃあ、もうゴブリンの群れが来るであろう方向に向けて走ってもかまわないよな。
そう思ったから、まだゴブリンの群れが見えているわけではないのに走り出した。
走りながら顔を向けずに、コルドに向けて言った。
「もうゴブリンの群れの方に行っちゃおうな!」
「了解! さっさと片付けて来いよ!」
俺は、ゴブリンの群れが来るであろう方向から、コルドの方に体も顔も向けずに返事をする。
「はーい!」
2人で話していると、そこに『マイク』を使ったローズまで参加してきた。
ローズの方向は、ゴブリンの群れが来る方向と合っていたため、顔を見ながら会話をした。
「オクツは、もう行くのね! ささっと倒して戻ってきなさい!」
「りょうかーい!」
俺が返事をすると、ローズは1つ気合いを入れてコルドに向かって言った。
「じゃあコルド、オクツが戻ってくるまでに倒しきるぐらいの気持ちで行くわよ!」
「了解!」
俺は、未だ現れていないゴブリンの群れが出てくるであろう方向に向かって走り出した。
どれぐらいの時間で、ゴブリンの群れを倒しきれるかな?
ちょっとわくわくしてきたな。
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