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町に帰ってきて

 『ビッグラビット』戦周回を終え、始まりの町へと帰る途中、歩きながら俺たち3人は雑談していた。

 ただいまの時刻は、11時50分。

 少しずつ腹が減ってくる時間帯だな。

 今後の予定を今決めてしまおうと話し出した


「始まりの町に帰ったら、ちょうど昼くらいかな?」


「それくらいだと思うわ」


「じゃあ、町に戻ったら昼休憩でいったん解散だな!」


「そうだな」


「そうね」


 コルドの言ったことに2人で乗っかった。

 昼休憩かぁ。

 今日の昼ご飯は何かな?

 朝ご飯をサクッと済ませたから、ボリュームのあるものがいいな。

 どんなご飯が出てくるかな。

 ちょっと楽しみだな。

 昼ご飯に思いをはせていると、今度はコルドが話題を出した。


「レベル上限みたいなレベルキャップとかってあるのかな?!」


 レベル上限とか、レベルキャップかぁ。

 今までのゲームとかには結構あったな。

 特定の時期が来るまでとか、特定のアイテムや、特定のクエストを達成するまでとか、そういうのあるのかな?

 APOは自由を尊重するところが強いと思うから、個人的にはレベルキャップはないんじゃないかなって思ってる。

 自分の考えを頭の中でまとめていたら、ローズに先を越された。


「どうなのかしらね? 私はないと思うわ。レベルキャップを作らなくても、レベル上げが大変すぎて、あまりレベル差が出ない気がするし」


「俺もないと思うぞ。APOならレベルキャップを作らなくてもうまく調整してきそうだよな」


「そうだよな! 俺もないと思ってるんだよ!」


 俺たちの中では、全会一致でないと思うという意見になった。対立とかがなかったからワンラリーで終わってしまったけど、面白い話題だったな。

 それからも雑談を楽しみつつ、始まりの町へと向かった。




 雑談しながら楽しく歩いていたら、いつの間にか始まりの町に着いていた。

 時刻は、12時。

 予想以上に早く戻ってきた。

 みんなのAGI値が上がっていて、歩くだけでも速度に差が出たみたいだ。

 あと、昼ご飯が楽しみで無意識で早足になっていたのもあると思う。

 どうしようなぁ。

 昼ご飯にはもう少し時間がありそうなんだよなぁ。

 かといって、もう1狩り行く感じでもないしなぁ。

 1人で考えていても仕方がないから、2人にも話を振った


「まだ時間あるな。この後どうする?」


 俺がそう聞いてすぐ、コルドが名案をスパンと出してくれた。


「じゃあ、ギルドで換金する?!」


 ギルドかぁ。

 確かに昨日の夜に倒したゴブリン系の素材とか、さっきの『ビッグラビット』周回でため込んだ素材が大量にあるしなぁ。

 俺が今、『調薬』で使えそうな素材もないしなぁ。

 換金に行かなきゃなぁ。

 換金したら何に使おうかな?

 やっぱり、次の町の観光かな?

 換金の嫌さを、頑張って換金したお金を使う楽しさで覆い隠そうとする。


「そうね」


「そうだな」


 それから俺たちは、ギルドへ向かった。

 納入系の依頼を淡々と達成させていく作業やりたくないなぁ、と思いつつギルドへ向かった。



 すぐにギルドについた。

 昼のギルドは、あまり混んではいなかった。

 みんな、昼休憩をしているんだろうか?

 それとも、今も必死に狩りや生産活動をしているんだろうか?

 露店街の方から賑やかな声が聞こえているので、多分後者が多いのだろう。

 俺たちは、依頼板の前に立ち気合いを入れた。


「よし! やるかぁ……」


「やるぞ!」


「これが終われば、昼ご飯だわ!」


 そう言って黙々と作業をしていった。

 依頼板から、自分が持っている素材で納入できる依頼を見つけて、ひたすら納品していく作業が続いた。

 ここで雑談でもしていれば、ある程度楽しく作業ができていたと思う。

 だけれど、納入依頼に集中していた俺たちにはそんな頭はなかった。

 まぁ、必死にやってるのだから仕方がないよね。


 大体3分の2の作業が終わったところで、俺は、気になったことができた。

 ギルドって、町の領主が、やっているものなんだよな。

 ギルドごとの連携ってあるのかな?

 次の町に行ったら、ギルドに登録し直しで、ギルドレベルが最初からとかにならないよな。

 疑問から、ちょっとした不安が芽生えてしまった。

 そこで、1つ思い出した。

 あぁ、確か、初日の夜会議でコルドがギルドレベルが6になったら、次の町でも引き継げるって言ってたな。

 それって自動で引き継がれるのかな?

 それとも、手動で引き継ぎ手続きとかをしないといけないのかな?

 どっちなんだろう?

 不安が消えたと思ったら、また疑問が浮かんできた。

 そしてその疑問から、またしても不安が芽生えてきた。

 もし仮に手動なら次の町に行く前に、こっちの町でも手続きとかもあるよな。

 もしそうなら、こっちの手続きをやっとかなきゃまずくないか?

 でもなぁ、こっちで手続きしたのに、『ビッグボスゴブリン』に負けて帰ってきましただと、かっこ悪いよなぁ。

 どうしよう?

 実際どっちなんだろう? 手動なのかな? 自動なのかな?


 気になったので、ギルドの受付で、聞いてみることにした。

 俺は、依頼板の前から、受付に移動した。

 受付に行くと、ギルドの職員が、話しかけてくれた。


「本日はどのようなご用件でしょうか? 依頼ですか?」


「気になったことがあるので聞きに来ました」


 話しやすそうな雰囲気を出してくれたので、俺も緊張することなく話すことができた。

 いい職員さんだなぁ。


「それでしたら、ギルドに関することでしたら何でもおたずねください」


「別の町に移ったときにギルドの登録が引き継げると聞いたのですが、その手続きは、自動ですか? それとも書類とかを提出して手動で行うものですか?」


 職員さんは、淡々と話すのではなく、優しく抑揚をつけて教えてくれた。


「国内における、ギルド情報の引き継ぎは、ギルドレベル6以上の方に認められている権利です。ギルドレベルが6になると、その方の情報は、等ギルドの大管轄ではなく、国のギルド本部の管轄になります。そうすると、その方の情報は、国内のすべてのギルドからアクセスできるようになります。それにより、国内ならば手続きなしで、どこのギルドも利用できるようになります」


 そうか、手続きはいらないのか。

 よかったぁ、聞いといて。

 管轄が変わるとかがあるんだ。知らなかったな。


「そうなんですね! ありがとうございます!」


 ギルド職員さんは、俺にニコッと笑いかけながら言ってくれた。


「疑問に思ったことや、知らない制度についてなど、気軽に聞いてください」


「ありがとうございました!」


 俺はそう言って、依頼板の方に帰って行った。

 依頼板の方へと戻ると、コルドに聞かれた。


「受付で何してたんだ! この作業が嫌になりすぎて、代役を依頼してきたのか?!」


「違うよ! 次の町に行くときに、ギルドで何か手続きが必要か聞いてきたのだ」


 コルドに聞かれたことに答えたら、次はローズから聞かれた。


「そうだったのね。で、実際はどうだったの?」


「必要ないみたいだよ。ギルドレベルが6以上あるなら、国内なら、どのギルドも手続きがいらないっていってた」


「そうなんだな!」


 2人と話していると、メッセージが届いた。

 送り主は妹だ。



”ご飯だよ! ”



 内容は短くその一言だった。

 メッセージが来たことを2人に伝える。


「妹から、”ご飯だよ! ”ってメッセージが来たから、ログアウトするわ」


「じゃあ、多分うちもお昼だな! ログアウトするか!」


「うちもご飯だと思うわ! ログアウトしましょう」


 そう言って3人ともログアウトしていった。

 受付に聞きに行っていたため、俺の納入依頼はまだまだ終わっていなかった。

 余裕のあるときにでもやっておこう。

 朝の喫茶店は楽しかったけど、喫茶店に行かずに、納入依頼の作業をすればよかったんじゃないかと思ってしまう。


 お昼何かなぁ。





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