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まずは茶店に行くぜ!!

「お! オクツ! 早いな!」


 鉄球を握って、握り心地を確かめていると、コルドに声をかけられた。

 え?コルドがもう起きてきたのか?

 あのコルドが?

 いつも朝が弱々なコルドが?

 そんなことある?

 もしかして、幻聴?

 俺は、鉄球に集中してたので、一瞬ぽかんとしてしまったが、すぐに切り替えて返事をした。


「コルドこそめっちゃ早いじゃん! いつもならこんな時間に絶対起きられないのに、どうしたの?」


 まさか、コルドがこの時間に起きるとは!

 なんだかんだ言って、9時近くまで寝ているものだと思ってた。

 遠足ですらギリギリに起きるコルドが、こんなにも早く起きるなんて異常事態だ!


「APOをやりたかったから気合いで起きたぞ!」


 そんなにAPOに気合いが入ってたんだな!

 それだけ『ビッグボスゴブリン』に負けたのが悔しかったのかな?


「気合いでどうにかなるようなことだったんだね」


「おう! 頑張ったぞ!」


 頑張ったら早起きできるなら、いつも頑張ってほしいんだけどなぁ。

 普段3人で、朝からどこかに遊びに行くときに、どんだけ頑張って2人を起こしていると思ってるんだ。

 2人と幼なじみなことを軽く後悔するレベルなんだぞ!

 思い出しイライラしてきた!

 ちょっとした不満で、俺は無意識で、鉄球を強く握りしめていた。


「つやつやのボールを握りしめてどうしたんだ?」


 コルドが、鉄球について触れてきた。

 俺は、気持ちを落ち着かせて、コルドに経緯を説明する。


「さっき、けんけんぱさんから買ったんだよ! これはボールじゃなくて、鉄球なんだよ!」


「そんな物騒なもの握りしめてたのか?」


「まぁ、剣を携えている時点で物騒なんだけどね!」


「それはそうか!」


 そういえば、今日の集合時間とかを決めてなかったなぁ。

 各自、早起きをしようという雰囲気はあったけど、具体的な時間を決めてなかったな。

 普段なら、どんなに頑張って時間を決めても、2人が9時まで寝ているからな!

 ローズはいつ頃来るのかな?

 それによって、修行開始の時間が決まってきそうだな!

 早く起きたコルドには悪いけど、ローズがいつログインしてくるのかわからないから、ローズがログインしてくるまで待つことになりそうだな。


「ローズはいつ来ると思う?」


「頑張って、奇跡が起きたら、8時ぐらいじゃないか?」


 そうだよな。

 そう思うよな。

 8時前に起きるなんて奇跡でしかないよな! おまえら2人にとって。

 今日が異常なんだよな!

 となると、こっから1時間半以上どうやって時間を使おうかな?

 何かやりたいことがあるわけでもないしな。

 新しいスキルを今の段階でこれ以上増やしても、使いこなせないだろうし、装備の更新は、もうちょっと後でもいいしな。

 強いて言うなら、昨日の『ビッグボスゴブリン』戦周りで手に入れた戦利品をギルドに納入するぐらいかな? それも、3人一緒の時か、1人の時でいいしなぁ。

 あ、そういえば、昨日、コルドが行ったっていうカフェだか、喫茶店だかに行ってみたいな!

 よし! そうしよう!

 カフェで待ち合わせとか、なんかいいしな!


「ローズが遅いんじゃなくて、今日、コルドが早く起きられたのが奇跡だもんな! じゃあ、昨日コルドが行ったカフェにつれてってくれよ!」


 発言からちょっとだけとげが見え隠れしてしまった。

 反省反省。


「そうだな! いいぞ!」


 コルドも、カフェでいいようだ。

 じゃあ、この後は、カフェでローズがログインしてくるのを待つで決定だな。

 コルドが勇ましく言った。


「じゃあ、ついてこい!」


「あぁ!」


 それから、俺は、コルドについて行った。

 軽く雑談しながら、目的のカフェへと向かった。

 そして、コルドが行ったというカフェにやってきた。


「ここだ!」


 いけているおじいさんがマスターをしていそうな喫茶店がそこにはあった。

 イケイケなカフェというよりは、どちらかというと、雰囲気のいい喫茶店みたいなイメージの外観をしている。

 外観の感想を、素直に言った。


「雰囲気のある喫茶店だな!」


「ここで読書とかしてたら、できる人っぽいよな! じゃあ、早速入るか!」


 コルドも同じような印象を持っているみたいだ。

 確かに、こういうところで読書をしていると、できる人って感じがするな。

 ここでパソコンを開くのはなんか違うんじゃないかという外観だ。


 それから、俺たちは店の扉を開け、中へ入っていった。

 カランカラン

 小気味よくドアベルが鳴った。

 店内に入り、ドアが閉まったぐらいのタイミングで、店員に声をかけられた。


「いらっしゃいませ~2名様ですか?」


 声をかけてきた店員は、高校生ぐらいの見た目の美人さんだった。

 美人にちょっとだけ緊張しながらも、返事をする。


「はい、2人です!」


「じゃあ、こちらの席へどうぞ!」


 俺たちは、席へと案内された。

 席は4人席だ。

 俺が、壁を背にして座り、俺の正面にコルドが座った。

 店内の雰囲気は、外観と同じように雰囲気のいい喫茶店という感じ。

 席へと案内されている途中でちらっと見えたのだが、カウンターの内側に、紳士っぽいおじいさんがいた。

 多分あの人が、この店のマスターだろう。

 外観を見て、内装も見た結果、めっちゃいい雰囲気という感想になった。


「何頼むか決まったか?」


「あぁ!」


 コルドがそう言ったので俺は店員さんを呼んだ。


「あのー、注文いいですか?」


「はい、ご注文お伺いします!」


 さっきの美人な店員さんが、注文を取りに席まで来てくれた。

 この子がいわゆる看板娘というやつなのかな?

 渋そうなマスターがいて、看板娘っぽい美人な店員さんがいて。

 この店は、王道って感じがしていいな!

 俺は、思考を切り替えて注文をする。


「このケーキセット1つと、」


「ナポリタン!」


「以上です」


「ご注文繰り返します! ケーキセットが1つと、ナポリタン。以上でよろしかったでしょうか?」


「大丈夫です!」


 注文を取り終えて、店員さんが下がっていった。

 店員さんが下がっていったのを見て、コルドが話し出した。


「いい店だな!」


 俺はしみじみ返事をした。


「この落ち着く感じまで再現されているってすごいよな!」


「あぁ、そうだな!」


 この店を見たときから思っていたことを言った。


「カフェってよりは、喫茶店って感じだな!」


 コルドも賛同してきた。


「確かにそうだな!」


 やっぱりそうだよな!

 喫茶店だよな!

 カフェって言うから、もっと意識高そうな、OLとかが行くような店かと思ってたんだぞ!

 そう心の中で叫んだ。

 それにしても、この店は、いい店だよなぁ。

 あ、そうだ。この店にいるってことを、ローズに伝えてなかったな。それと、この店の場所を、ローズに送っとかなきゃ、ローズと合流できないな。

 フレンドリストを開いて、まだログインの表示になっていないローズに、ここの地図と一緒にメッセージを送った。


”この喫茶店にいるから、ログインしたらここ集合な! ”添付 地図


 よし! これで、ローズがログインさえすれば、合流できるだろう。

 さて、ローズはいつログインしてくるかな?

 いつも通り9時ぐらいかな?

 この喫茶店でまったりしながら、待とうじゃないか。


「ローズに、この場所の地図を送っておいたぞ!」


「確かに、ちゃんと伝えておかないと、ローズが1人で待ち続けることになっちゃうよな!」


 それからしばらく雑談をしていた。今日の朝、家でこんなことがあっただの、昨日妹がどうだだの、いろんなことを話した。


 注文をしてから、10分。

 おいしそうなナポリタンの暴力的な匂いと、コーヒーの目が覚めるいい匂いがしてきた。

 そろそろ、注文したメニューが来るのかな?



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― 新着の感想 ―
 俺はしみじみ返事をした。 「この落ち着く感じまで再現されているってすごいよな!」 !マークが付くとしみじみ返事した印象にはならないですよ。 間違えていたらすみません。
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