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鉄球

「昨日の夜、剣と刀以外に新しい武器を作ったんだけど、見てみない?」


 ニヤニヤした顔をして、けんけんぱさんがこっちを見てくる。

 新しい武器か。

 どんな武器なんだろう。

 斧かな、槍かな。他にいろいろ想像できるな。

 俺は、どんな武器なのかが気になったので素直に訪ねた。


「どんな武器なんですか?」


 けんけんぱさんが、懐から取り出したものをこっちに見せながら言った。


「これ何だけどさ」


 黒いボールだ。

 なんだろう?

 俺は、けんけんぱさんから、黒いボールを受け取った。

 黒いボールは、ずっしりと重く、決して投げやすい重さではなかった。

 これは何なんだろう?

 これが、どんな武器なのか気になったので、俺は、武器の鑑定をした。

 けんけんぱさんから渡された黒いボールの詳細はこうだった。



鉄球

ATK:3.75

自動回収3分

斬撃をすることはできない

要求STR:100


投擲用の鉄球。質量の塊である鉄球をぶつけられると、大抵の生物はひとたまりもない。



 鉄球?

 投擲用?

 何でそんなものを作ったんだろう?

 要求STRってのがあるってことは、装備制限があるってことなのかな?

 初心者装備は、誰でも装備できたけど、これからの装備は、要求ステータスがどんどん出てくるのかな?

 STR:100って結構な数値だな。

 初期の能力値だと、極振りレベルだな。

 STR:100を要求して、ATKが3.75って、高いのか低いのかわからないな。比較対象がないし。

 今の俺の武器が、ATK:2だから、倍近くにはなるのか。ATKが倍になるってことは、単純にダメージが倍になるな。

 ということは結構協力な武器なのかな?

 投擲用のもので、自動回収という機能がついているのは、大変ありがたいな。

 投げたものを拾いに行くってことは、敵の場所に行くってことだから、かなり難しいだろう。それを自動回収が解決してくれているんだな。

 自分の中でのこの鉄球の批評がある程度すんだところで、けんけんぱさんとの会話に戻った。


「鉄球ですか?」


「そうだよ! お遊びで作ってたら、なぜかわからないんだけど、剣より補正値が高くなっちゃったんだよね! ATKが上がった代わりに、STRが100も要求されるようになっちゃった!」


 お遊びで新しい武器の開発なんてしてたんだな。

 けんけんぱさんは、剣とか刀を専門でやってるのかと思ってた。

 俺は、素直に武器の感想を言った。


「面白い装備ですね!」


 俺の言葉に反応して、けんけんぱさんがぐいっと顔を寄せてきた。

 近い近い。

 けんけんぱさんをちょっとだけ押しのけながら、話を聞いた。


「この鉄球、知り合いのSTRが100を超えてる前衛職のやつに投げてもらったんだけど、全く的に当たらなかったんだよ!」


 頼んだ人が、ものすごいノーコンだったんだろうか? それとも、鉄球に構造上の欠陥があって、うまく飛ばないようになっているんだろうか?

 けんけんぱさん的には、何が原因だと思っているのだろう?


「的に当たらないのは、何でなんですか?」


「どうやら武器をうまく扱うには、DEXが必要らしいよ。初心者武器だけは例外で、DEXがなくてもある程度どうにかなるんだって!」


 へぇ、DEXにそんな活用があったんだ!

 全く知らなかった。

 そんな要素があったんだなぁ。

 え?! じゃあ、今後、初心者武器を卒業していく頃には、極振りのプレイヤーが大変なことになりそうだな。

 STRとか、VIT極振りのプレイヤーなんて、まともにDEXを振ってないだろうし。

 全体的に振っている、俺たち満遍なく勢の時代になるのかな?


「初心者武器にそんな特典があったんですね!」


 DEXが必要という衝撃情報にかすんで、驚ききれなかったけど、初心者武器ってそんな特典があったんだ。そっちも知らなかった!

 鑑定には表示されてないし、初心者救済の隠し要素的なものなのかな?


「でもこの鉄球は、初心者武器じゃないから、ちゃんとDEXが必要なんだよね!」


 だから、全く当たらなかったんだ。

 多分、けんけんぱさんが頼んだプレイヤーがSTRの極振りだったんだろう。

 DEXが必要って話だけど、どのくらい必要なんだろう?


「どれくらいDEXが必要なんですか?」


「最低限、20~30あれば、ある程度思ったところに投げられるぞ! DEXが100ぐらいあると、武器本来の性能を出せるようになると思うな!」


 最低20から30か。

 俺なら使えるなぁ。

 STRは、108あるし、DEXも30あるから、鉄球、使えるなぁ。


「結構必要なんですね!」


 俺がそう言うと、けんけんぱさんがまた、ぐいぐい来た。


「そうなんだよ。結構必要なんだよ。この装備、いい装備だと思うんだけど、正確な遠距離ができる職業の奴らは、まだまだSTRが100に届いてないから、全く売れないんだよね! STRの高い近距離物理職の奴らは、DEXが低過ぎで、まともに使えないらしいんだよ!」


 遠距離職は、STRが足らず、近距離職はDEXが足らないのか。

 確かにそうだなぁ。

 売れないなら、全部買っちゃおうかな。

 ATK高いし、これがあれば、魔法を投げるだけの時より、安定してゴブリンの群れの対処ができそうだし。

 でも、この鉄球いくつあるのかな?

 さすがに1つだけなら、自動回収3分だし、魔法よりクールタイムが長くなっちゃうな。


「その鉄球っていくつありますか?」


「え?! オクツ君、鉄球いるの? 今は、20個ぐらいあるよ! あまりにも売れないから、溶かして剣にしようかと思ってたんだ!」


 20個もあるなら、十分だな。10秒に1球投げていってもちゃんと回る。

 ちゃんと武器として成り立ちそうだな。

 よし! 買おう!

 対ゴブリンの群れ戦においての主力になりそうだな。

 鉄球、鉄球、魔法、鉄球。みたいな感じで攻撃したら面白そうだな。


「その鉄球全部も買ってもいいですか?」


「オクツ君、この鉄球使えるの? DEX大丈夫?」


 けんけんぱさんに心配された。

 確かに、前衛職で、魔法もやって生産にも手を出してるから、能力値が足りてないんじゃないかと思うだろう。

 俺もそんな人を見たらそう思うと思う。

 俺は、けんけんぱさんに自分のステータスを説明する。


「DEXは、30あるので大丈夫です! 昨日、ガチャで『投擲』ってスキルと、『サイドスロー』ってスキルを取ったので、鉄球、いい感じに使えそうです!」


「DEXに30も振ってるなら、STRの方は大丈夫なの?」


「そっちも大丈夫です! STRは、108あるので!」


 俺が、STRの方の説明もすると、けんけんぱさんの心配も晴れたのか、明るい顔で値段を教えてくれた。

 鉄球が売れるのが相当うれしいらしい。


「そうなんだ! ちゃんと使えるんだね! じゃあ、20個で、100,000Gでいいよ!」


「はい、100,000Gです!」


「これ商品ね!」


 けんけんぱさんから鉄球20個を受け取った。

 直接受け取ったら、まともに持てないので、ストレージに直接送ってもらった。


「ありがとうございます!」


 鉄球を受け取ったことを確認して、けんけんぱさんに感謝を伝えた。


「こちらこそありがとうね! じゃあ、俺は、採掘に行ってくるね!」


 けんけんぱさんはちょっとだけ恥ずかしそうにしたあと、そう言って逃げるように去ってしまった。


「頑張ってください!」


「うん!」


 けんけんぱさんを見送ったすぐ後、噴水の前にコルドが現れた。

 コルドがAPOにログインしてきたみたいだ。

 コルドは、ログインしてすぐに俺に気づいて、近寄ってきた。


「お! オクツ! 早いな!」


 コルドにしては早すぎる起床だ!

 俺は思わず時刻を確認した。

 現在時刻7時15分。





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