北のボスへ 開始10分!!!
「突撃!!」
俺たちは、北のボスである『ビッグボスゴブリン』に突撃していった。
平坦な道を駆け抜ける。
俺は、事前に『生命変換』『脳筋化』『チャージ』『アタックアップ』『スピードアップ』を発動しておいた。
俺は走りながら『突進』を発動した。
俺たちが走って近づいていることに気が付いたのか、後ろを向いていた『ビッグボスゴブリン』が、俺たちを正面にとらえた。
『ビッグボスゴブリン』は、俺たちを目でとらえても、何をするでもなく、自然体だった。
なんでだろう? やる気がないのかな?
それとも、一撃は受けてやる! みたいな喧嘩スタイルなの?
まさか、向かってくるのに驚いているとか?
余計なことを考えていたら、剣の間に入った。
まずは、一番AGIの高い俺の攻撃が入った。
俺は攻撃の瞬間に『ソードアタック』を使った。
ボスゴブリンは防御姿勢などは取らず、俺の剣が足にぶつかる瞬間に、筋肉に力を入れた。
それで防げると思っているのだろうか?
301ダメージ
良かった、ちゃんとダメージが入った。
3人の中で、一番火力の低い俺でこんだけダメージが入るのだから、2人は、余裕で攻撃が通るだろう!
安心して、2撃目を入れる。
2撃目は、通常攻撃を入れた。
クリティカル! 12ダメージ
クリティカルが入って、12ダメージかぁ。
俺がスキルなしで、攻撃を入れるのは難しそうだな。
俺の2撃目が入ったところで、やっと『ビッグボスゴブリン』が戦闘態勢に入った。
『ビッグボスゴブリン』は、俺を見つめて、俺に集中している。
俺以外の2人は視界にすら入れていない感じだ。
そこに、コルドが攻撃した。
コルドの渾身の一撃が、右足のももに刺さる。
拳なのに、刺さったように見えるくらい鋭い攻撃だ。
「おりゃぁああ!」
574ダメージ
俺の倍の攻撃力を出した。
物理特化のコルドだから、魔法も使う俺の威力が負けていても仕方がない。
それでも、ちょっと悔しい。
コルドから不意打ちを食らった、『ビッグボスゴブリン』は、驚いて、注意を俺から、コルドへと向けた。コルドをメインに見据えているけれど、俺を視界から外すみたいなことはしていないようだ。
コルドと俺、8:2ぐらいで警戒している。
そこに、ローズの『ウィンドランス』が飛んできた。
『ウィンドランス』は、『ビッグボスゴブリン』の左頬に刺さった。
842ダメージ
「やったわ!」
やっぱり魔法の威力は全然違うな!
俺もあれぐらいの攻撃ができるようになりたいな!
魔法を当てられた『ビッグボスゴブリン』は、ローズを睨みつけた。
『ビッグボスゴブリン』は、俺たち全員を意識して、完全な戦闘態勢になった。
俺が攻撃を当ててから、一連の攻撃で、『ビッグボスゴブリン』のHPの約2%~3%を削った。
これは、大変な戦いになりそうだな!
ここからが戦闘の始まりだ!
攻防の始まりだ!
『ビッグボスゴブリン』の攻撃を避け、攻撃後の隙に攻撃していくスタイルで戦闘が進んでいった。
もっと積極的に行く予定だったが、『ビッグボスゴブリン』が腕を振り下ろして攻撃する姿を見て、この攻撃が当たったら、一撃で死ぬ可能性が高いなと思ったため、ヒット&アウェイみたいな戦い方になった。
さすがに、腕を振って「ぶぉおおん」となる拳を受けて助かるビジョンは見えなかった。
安全策を取りながらも着実に戦っていった。
ダメージは、ほとんどコルドとローズに依存してしまっている。
俺は、『ビッグボスゴブリン』が嫌がるようなタイミングで顔に魔法を撃ったり、体の弱点に攻撃を入れたりしてダメージを稼いだり、相手の嫌がることをしながら戦闘をした。
ダメージ以外の部分をメインで担当した。
それのおかげで、うまく俺とコルドでヘイトを取れて、1人当たりの負担を下げられた。
もうちょっと火力を上げたいな。
普通の魔物と戦う分には今のままで十分だけれど、VITの高いボスとかと戦うことになると思うから、火力を上げる手段を探したいな。
俺が火力を出せるようになれば、もっと戦闘がスムーズになりそうだ。
戦闘開始からだいぶたったところで、ローズが言った。
「10分経過! だいたい10%削れているわ!」
『マイク』をうまく使いこなしているのか、ローズの声は、いつもより大きな声で聞こえた。
まだ10分なのか。
体感よりも全然経っていないな。
体感だと2、30分ぐらい経ったのかと思っていた。
これは、先が思いやられるぞ。
このペースで行ったら、100分もかかるってことだろ?
あと1時間半も戦うのか?
途中で集中力が切れてきてミスしそうで怖いな。
でも、無理なほどではないな。
頑張れば、気合いで行けそう!
『マイク』を通したローズの声に負けないくらいの声量で、コルドが叫んだ。
「ボスがめっちゃ息を吸ってるぞ! ブレスか、叫びが来そう! 警戒!」
『ビッグボスゴブリン』の口から胸元の当たりを見ると、明らかに空気を吸い込む動きをしていた。
何かを出すのか?
ブレス系ならいったん引いた方が良いのか?
「咆哮だ!」
引いた方が良いのか悩んでいると、『ビッグボスゴブリン』が息を吸い終わった。
ヤバい!
もう時間がない。
口が膨らんでいるとかではないため、コルド言う通り、咆哮なのだろう。
どうしよう?
どう対処すればいいだろう?
俺は、とりあえず思いついた対処を叫ぶ。
「とりあえず、耳を押さえるぞ!」
とっさに俺は耳を塞いだ。
コルドも同じように耳を塞いだようだ。
塞いだところで、咆哮は聞こえるから、効果がないのかもしれないが、少しは軽減できているだろう。
「うぅぅぅううううぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉおおおおおおおお!!!!!!!!!」
耳を塞いだ手を容易に通り抜けて、咆哮が耳に届いた。
咆哮が止んで、まだ耳には余韻があるけれど、手をどけた。
耳に咆哮の余韻がいる以外に、何か変わったところはない。
何か状態異常を受けたのか?!
無意味に叫ぶとは思えないし、何かしらの効果があったのだろう。
とりあえず、硬直系ではない。
ステータスを確認しても、何かに異常をきたしたりしていない。
もしかしたら俺だけ無事なのかと思い、2人に何の状態異常を食らったのかを聞いた。
「何か状態異常にかかったか?」
「いや! かかってないぞ!」
「かかってないわ」
2人とも状態異常にかかっていない。
何かへの耐性の弱いプレイヤーにだけ刺さる状態異常とかなのか?
そんなマイナーな効果のスキルを突然使ってくるのは意味がわからないな。
さっきの咆哮は何の効果があったのだ?
「あの咆哮は何の効果があったんだ?! もしかしてただ叫んだだけなのか?!」
俺がそう言った直後、今までで一番の声量で、コルドが叫んだ。
「なんか10匹ぐらいのゴブリンが背後から来てるわ!」
叫んだ余韻に浸っている『ビッグボスゴブリンキング』を警戒しながらも、ローズのほうに振り返った。
ローズの方を見ると、ローズの後方から、ゴブリンの群れが、俺たちの方に向かって走っていた。
「仲間を呼ぶタイプか!」
『ビッグボスゴブリン』の咆吼は、状態異常系ではなく、仲間を呼ぶ系だったようだ。
こっちに向かってくるゴブリンの群れの対処、どうしよう?
あいつらを放置すると、後衛のローズが、あの群れと戦うことになるよな。
それはよろしくないな。
コルドが対処にいくと、火力が足らなくなる。
ここは俺が行くしかないのか?
俺は、ボス戦だと、火力不足だけれど、普通のゴブリン相手なら、十分通用する火力ぐらいならあるし。
それに、手数には自信があるから、俺が行った方がいいな!
適材適所というやつだ!
コルドに、戦線から離脱して、ゴブリンの群れに遊撃にいくことを伝える。
「ボス相手だと俺の火力だと心もとないし、俺がゴブリンの群れの遊撃に行く!」
「了解!」
そんな気軽に返事して大丈夫か?
一人でこの『ビッグボスゴブリン』の相手をできるのか?
「コルド、1人でこいつと対峙するの大丈夫そうか?」
「大丈夫だ! 多分なんとかなる! 後ろからローズも攻撃してくれてるし、なんとかするぞ!」
その言葉を聞いて、俺は、『ビッグボスゴブリン』を意識から外し、ゴブリンの群れの方へ走り出した。
「じゃあ、行ってくる!」
「行ってこい!」
コルドに元気よく送り出されて、少しだけ速く動けるようになった気がした。
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