スキルオーブガチャ?!!その2 集合から、ガチャ開始!!!
「どうする? やるかい?」
おばあさんは、俺たちに声をかけた後、首を傾げた。
俺たちに、なにかおかしいところがあったのかな?
どうしたのだろう?
「おや、もう1人の元気な坊主はどうしたんだい?」
あぁ、コルドがいないことか。
確かに今までは、3人でスキルオーブ屋に来てたから、コルドがいないのが不思議だったんだろう。
今のNPCってそんなに高度なAIを積んでいるんだ。
過去に2回しか来てない奴の情報がちゃんと入ってるってすごいな。
人でも、できる人はほとんどいなさそうだな。
おばあちゃんなのに、メイさんはすごいな!
俺は、丁寧に言うことを心掛けながら説明した。
「今そいつと待ち合わせしてまして」
メイさんは「あぁ、そうか」みたいな顔をした。
その後店の扉を開くと、店内を指さしながら言った。
「そうかい。それなら店内で待ちな」
メイさんの言葉を聞いて、ローズが返答しながら入っていった。
「お言葉に甘えさせてもらいますわ」
俺も、ローズに続いて店に入っていく。
俺たちが入ったのを確認して、メイさんは、店の扉を閉めた。
「カランッ」とドアベルが鳴った。
店内は前に来た時から随分変わっていた。
店内の半分がガチャコーナーになっていた。
ガチャスペースは、並んでいるガチャガチャと、それを開封するためだと思われる、机と椅子が何脚か置いてある。
残りの半分は、前回よりも効率的に配置された棚に、所せましにスキルオーブが置いてある。
だいぶ内装を変えたなぁ。
俺は数時間でここまで変わるのかと驚いていた。
俺たちは、ガチャコーナーにある椅子に腰かけた。
俺は座ってすぐに内装への感想を言った。
「ガラッと内装が変わったんですね!」
「何十年も同じ内装だったから、久しぶりに内装を変えてたんだけど、慣れなさと、新鮮さがあるよ」
メイさんは、すがすがしそうな顔をしながら言った。
何十年も同じ内装だったのに、数時間でこんなガラッと変わるもんなんだ。
『ガチャ』が、運営が準備してた要素かもしれないけど、こう、数時間にガラッと変わると、ゲームと分かっていてもびっくりするな。
俺が、内装の変化に驚いている間に、今度はローズがメイさんに話しかけた。
「なんで、ガチャを始めたんですか? 前来たときはやってなかったと思うんですけど」
「最近の流行りに乗ってみようと思って、若い客に何が受けるか聞いてみたら『ガチャ』が良いと言っておったから、始めてみたんだよ」
これからも流行りに乗ろうと思うってすごいな。
さすが商売人という感じだな。
若い客の意見を受け入れられるってすごいな。
メイさんの方が、若い客とは比べ物にならないくらいの人生経験しているだろうに。
それにしても、メイさんに『ガチャ』を提案してくれた、”若い客”ナイス!
そういう設定なだけで、運営が用意したのかもしれないけど、なんで出来たのかを聞くのって面白いな!
「そうなんですね」
メイさんが、軽く聞いてきた。
「あんたらも、ガチャをやっていくのかい?」
何故かそのセリフが、めちゃくちゃNPCっぽく感じた。
俺は、少しだけ元気よく答えた。
「そうしようと思ってます! まぁ、コルドが来てからですけど!」
「ガチャを設置してから、売り上げがうなぎ上りでね。正直驚いているんだよ」
メイさんが、嬉しそうにそう言った。
メイさんの目がお金になってた気がする。
普段は優しいおばあさん感があるのに、たまに垣間見える金の匂いに敏感な感じが、職人とかってよりは、商売をやっている人って感じがする。
「みんな、ガチャが好きですからね」
「なんでそんなギャンブルをしたがるんだろうね?」
メイさんが不思議そうに言った。
まぁ、メタ発言をするなら、プレイヤーは、ゲームでギャンブルをして負けたところで、あまり損害に感じないからじゃないのかな?
まぁ、そんなこと言わないけど。
この世界に則した理由だと、始まりの町だからかな。”ここから一山当ててやろう! ”って考えのやつが、この町にあやかるために、いっぱい来るからなんじゃないかな?
俺はそれを、ふんわりと伝えた。
「ここから、冒険を始める奴なんて、ギャンブル好きですよ!」
「確かにそうね」
メイさんはそう言って納得した様子だった。
それからしばらく雑談をした。
偶々なのか、その間に店に来る客はいなかった。
本当に繁盛しているんだろうか?
それとも混雑防止か何かで、個別のフィールドになってるとかなのだろうか?
繁盛しているのかちょっとだけ不安になった。
あれ、もしかして貸し切りなのかな? って途中思ったけど、まぁ、ないだろう。
そんなお得意様でもないしな。
雑談を楽しんでいると、急にメイさんがつぶやいた。
「待ち人が来たみたいだね」
なんだろう? 意味深なことを言ってどうしたんだろう? そう思った瞬間、「カランッッ! カランッッ! カラン!」と豪快なドアベルの音が聞こえた。
ドアベルの音に気を取られていると、急に目の前にコルドが現れた。
あぁ、コルドが入ってきたのか。気づかなかった。
もうちょっと丁寧に入ってきて欲しいものだな。
音の豪快さがコルドらしかったけど、ドアベルの音がデカ過ぎて怖かったぞ。
「おまたせ!」
あぁ、待ち人って、俺たちの待ち人か。
メイさんが誰かを待ってたのかと思った。
ローズは、和やかに雑談しているところに、急に入ってきたコルドに驚いている。
「びっくりしたわ!」
コルドが来たということはやっとガチャができる。
せっかくフルダイブのVRMMOをしているのに、テーブルを囲んで和やかに雑談っていうのは、ちょっともったいない。楽しいけどね! 雑談も!
ゲームならではのことをそろそろしたいと、少しだけ思ってたのだ!
「お! 来たか」
「オクツ! 誘ってくれてありがとうな! 1人だけ蚊帳の外になってたら、明日は拗ねてログインしてなかったかもしれない!」
コルドよ、それってそんなに堂々と言うことなのか?
俺は思わずツッコミを入れてしまった。
「そんなにか?」
コルドも落ち着いてきたころ、メイさんに声をかけられた。
「3人そろったようだし、ガチャをやってくか?」
俺たちは元気いっぱい息ぴったりでこたえた。
「「「やります!」」」
このままいくと、『ガチャ』をしたいという気持ちが強すぎて、各自が勝手にやって終わりそうだ。
それだと、なんか面白さが足りない。
盛り上がりが足りないのだ!
だから、俺は2人に、ガチャの回し方を提案する。
「3人バラバラで各自勝手にガチャを回してたら、招集した意味がないから、1人ずつ見守られながら回してこうぜ!」
1回ずつ盛り上がった方が楽しいよな!
「「了解!」」
俺たちの『ガチャ』がやっと始まった!
「じゃあ、まず俺から!」
俺は『物理戦闘職向けガチャ』の前に立った。
やっぱり、まずは、『ガチャ』側から、おすすめされているガチャから!
一発の攻撃力が、2人に比べて低いから、それを補えるスキルのスキルオーブが出るといいな。
必殺技! みたいなスキルのスキルオーブが欲しいな!
あと、査定額の高いレアスキルとかがいいな! 当たりが欲しいな!
1回20,000Gってそこそこ高いよな。
『ビッグラビット』の周回ができてなかったら、少しためらってたかもしれない。
ポンポンできるようなガチャじゃないよなぁ。
でも、普通にスキル買うのと比べると、安いのかな?
まぁ、ものによるけど。
ちなみに、2人は、俺の後ろからのぞき込むように立っている。
「俺は、この『物理戦闘職向けガチャ』を引くぜ!」
俺は、『物理戦闘職向けガチャ』に20,000Gを入れた。
『1回』と書かれたボタンを押す。
すると、『物理戦闘職向けガチャ』が光り出した。
「「「おぉ!」」」
光が収まると、1つのスキルオーブが出てきた。
スキルオーブ『脳筋化』を手に入れました。
これはどうなんだ?
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