表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/386

スキルオーブガチャ?!!その2 集合から、ガチャ開始!!!

「どうする? やるかい?」


 おばあさんは、俺たちに声をかけた後、首を傾げた。

 俺たちに、なにかおかしいところがあったのかな?

 どうしたのだろう?


「おや、もう1人の元気な坊主はどうしたんだい?」


 あぁ、コルドがいないことか。

 確かに今までは、3人でスキルオーブ屋に来てたから、コルドがいないのが不思議だったんだろう。

 今のNPCってそんなに高度なAIを積んでいるんだ。

 過去に2回しか来てない奴の情報がちゃんと入ってるってすごいな。

 人でも、できる人はほとんどいなさそうだな。

 おばあちゃんなのに、メイさんはすごいな!

 俺は、丁寧に言うことを心掛けながら説明した。


「今そいつと待ち合わせしてまして」


 メイさんは「あぁ、そうか」みたいな顔をした。

 その後店の扉を開くと、店内を指さしながら言った。


「そうかい。それなら店内で待ちな」


 メイさんの言葉を聞いて、ローズが返答しながら入っていった。


「お言葉に甘えさせてもらいますわ」


 俺も、ローズに続いて店に入っていく。

 俺たちが入ったのを確認して、メイさんは、店の扉を閉めた。

「カランッ」とドアベルが鳴った。


 店内は前に来た時から随分変わっていた。

 店内の半分がガチャコーナーになっていた。

 ガチャスペースは、並んでいるガチャガチャと、それを開封するためだと思われる、机と椅子が何脚か置いてある。

 残りの半分は、前回よりも効率的に配置された棚に、所せましにスキルオーブが置いてある。

 だいぶ内装を変えたなぁ。

 俺は数時間でここまで変わるのかと驚いていた。

 俺たちは、ガチャコーナーにある椅子に腰かけた。

 俺は座ってすぐに内装への感想を言った。


「ガラッと内装が変わったんですね!」


「何十年も同じ内装だったから、久しぶりに内装を変えてたんだけど、慣れなさと、新鮮さがあるよ」


 メイさんは、すがすがしそうな顔をしながら言った。

 何十年も同じ内装だったのに、数時間でこんなガラッと変わるもんなんだ。

『ガチャ』が、運営が準備してた要素かもしれないけど、こう、数時間にガラッと変わると、ゲームと分かっていてもびっくりするな。

 俺が、内装の変化に驚いている間に、今度はローズがメイさんに話しかけた。


「なんで、ガチャを始めたんですか? 前来たときはやってなかったと思うんですけど」


「最近の流行りに乗ってみようと思って、若い客に何が受けるか聞いてみたら『ガチャ』が良いと言っておったから、始めてみたんだよ」


 これからも流行りに乗ろうと思うってすごいな。

 さすが商売人という感じだな。

 若い客の意見を受け入れられるってすごいな。

 メイさんの方が、若い客とは比べ物にならないくらいの人生経験しているだろうに。

 それにしても、メイさんに『ガチャ』を提案してくれた、”若い客”ナイス!

 そういう設定なだけで、運営が用意したのかもしれないけど、なんで出来たのかを聞くのって面白いな!


「そうなんですね」


 メイさんが、軽く聞いてきた。


「あんたらも、ガチャをやっていくのかい?」


 何故かそのセリフが、めちゃくちゃNPCっぽく感じた。

 俺は、少しだけ元気よく答えた。


「そうしようと思ってます! まぁ、コルドが来てからですけど!」


「ガチャを設置してから、売り上げがうなぎ上りでね。正直驚いているんだよ」


 メイさんが、嬉しそうにそう言った。

 メイさんの目がお金になってた気がする。

 普段は優しいおばあさん感があるのに、たまに垣間見える金の匂いに敏感な感じが、職人とかってよりは、商売をやっている人って感じがする。


「みんな、ガチャが好きですからね」


「なんでそんなギャンブルをしたがるんだろうね?」


 メイさんが不思議そうに言った。

 まぁ、メタ発言をするなら、プレイヤーは、ゲームでギャンブルをして負けたところで、あまり損害に感じないからじゃないのかな?

 まぁ、そんなこと言わないけど。

 この世界に則した理由だと、始まりの町だからかな。”ここから一山当ててやろう! ”って考えのやつが、この町にあやかるために、いっぱい来るからなんじゃないかな?

 俺はそれを、ふんわりと伝えた。


「ここから、冒険を始める奴なんて、ギャンブル好きですよ!」


「確かにそうね」

 メイさんはそう言って納得した様子だった。


 それからしばらく雑談をした。

 偶々なのか、その間に店に来る客はいなかった。

 本当に繁盛しているんだろうか?

 それとも混雑防止か何かで、個別のフィールドになってるとかなのだろうか?

 繁盛しているのかちょっとだけ不安になった。

 あれ、もしかして貸し切りなのかな? って途中思ったけど、まぁ、ないだろう。

 そんなお得意様でもないしな。

 雑談を楽しんでいると、急にメイさんがつぶやいた。


「待ち人が来たみたいだね」


 なんだろう? 意味深なことを言ってどうしたんだろう? そう思った瞬間、「カランッッ! カランッッ! カラン!」と豪快なドアベルの音が聞こえた。

 ドアベルの音に気を取られていると、急に目の前にコルドが現れた。

 あぁ、コルドが入ってきたのか。気づかなかった。

 もうちょっと丁寧に入ってきて欲しいものだな。

 音の豪快さがコルドらしかったけど、ドアベルの音がデカ過ぎて怖かったぞ。


「おまたせ!」


 あぁ、待ち人って、俺たちの待ち人か。

 メイさんが誰かを待ってたのかと思った。

 ローズは、和やかに雑談しているところに、急に入ってきたコルドに驚いている。


「びっくりしたわ!」


 コルドが来たということはやっとガチャができる。

 せっかくフルダイブのVRMMOをしているのに、テーブルを囲んで和やかに雑談っていうのは、ちょっともったいない。楽しいけどね! 雑談も!

 ゲームならではのことをそろそろしたいと、少しだけ思ってたのだ!


「お! 来たか」


「オクツ! 誘ってくれてありがとうな! 1人だけ蚊帳の外になってたら、明日は拗ねてログインしてなかったかもしれない!」


 コルドよ、それってそんなに堂々と言うことなのか?

 俺は思わずツッコミを入れてしまった。


「そんなにか?」


 コルドも落ち着いてきたころ、メイさんに声をかけられた。


「3人そろったようだし、ガチャをやってくか?」


 俺たちは元気いっぱい息ぴったりでこたえた。


「「「やります!」」」


 このままいくと、『ガチャ』をしたいという気持ちが強すぎて、各自が勝手にやって終わりそうだ。

 それだと、なんか面白さが足りない。

 盛り上がりが足りないのだ!

 だから、俺は2人に、ガチャの回し方を提案する。


「3人バラバラで各自勝手にガチャを回してたら、招集した意味がないから、1人ずつ見守られながら回してこうぜ!」


 1回ずつ盛り上がった方が楽しいよな!


「「了解!」」


 俺たちの『ガチャ』がやっと始まった!




「じゃあ、まず俺から!」


 俺は『物理戦闘職向けガチャ』の前に立った。

 やっぱり、まずは、『ガチャ』側から、おすすめされているガチャから!

 一発の攻撃力が、2人に比べて低いから、それを補えるスキルのスキルオーブが出るといいな。

 必殺技! みたいなスキルのスキルオーブが欲しいな!

 あと、査定額の高いレアスキルとかがいいな! 当たりが欲しいな!

 1回20,000Gってそこそこ高いよな。

『ビッグラビット』の周回ができてなかったら、少しためらってたかもしれない。

 ポンポンできるようなガチャじゃないよなぁ。

 でも、普通にスキル買うのと比べると、安いのかな?

 まぁ、ものによるけど。

 ちなみに、2人は、俺の後ろからのぞき込むように立っている。


「俺は、この『物理戦闘職向けガチャ』を引くぜ!」


 俺は、『物理戦闘職向けガチャ』に20,000Gを入れた。

『1回』と書かれたボタンを押す。


 すると、『物理戦闘職向けガチャ』が光り出した。


「「「おぉ!」」」


 光が収まると、1つのスキルオーブが出てきた。



 スキルオーブ『脳筋化』を手に入れました。




 これはどうなんだ?

 これは強いのか?






よろしければ、下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけるとありがたいです。

★だと思った方は、★でもいいので、評価をよろしくお願いします!!!!

それと、毎日更新をしているのでよろしければ、ブックマークの方をしていただけると、更新した時にまた読みやすいと思います。

ついでに、いいねや感想などもしていただくと、活動の励みになるので、ぜひよろしくお願いします!!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
既にほのかな脳筋臭してるのに?www
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ