次の話し合いの話 休憩終了
生産体験会の話は、大分落ち着いてきたかな。
感想も言ったし、お礼も言った。
もう言うことはないな。
これからのネタバレを聞く気もないしな。
そう思っていると、ササキさんが言った。
「あぁ、そうだ、体験会の後は話し合いをするんだよな」
「そうですね」
「何について話すんだ?」
そういえば、ササキさんに、何を話すのか伝えてなかったな。
具体的な話は、ここですると長くなっちゃうし、タイトル的なところだけ言えばいいかな?
そう思ったので、俺は短く簡潔に言った。
「素材と生産品についてと、新しいメンバーについてです。後は、クランの方針とか、ルールの部分についても話し合いたいですね」
「がっつり話し合いなんだな。話し合いというよりは、議会とかそっちのか感じなんだな」
そうだな。
意見交換とかよりは、意見集約の側面が強いな。
良い感じのものが決まると良いな。
そんなことをなんとなく考えながら言った。
「そうですね。そっちのイメージですね」
「素材と生産品って、何の話をするんだ?」
ササキさんが、素材と生産品の話に食いついてきた。
自分の分野だから、何を話すのか気になっているのかな。
それとも、話すことがないから、適当に話を振っているのかな。
まぁ、どっちだとしても、聞かれたことに答えることに変わりはないんだけどな。
俺は、さっきの説明よりもさらに詳しく言った。
「俺達戦闘職組が取ってきた素材をどうするのかということと、生産職組が作ったものはどうするのかについてですね」
「確かにそれは話し合いが必要だな」
さらにササキさんの食いつきがよくなった。
具体的に言ったことで、より身近な話題だと思ったのかな。
まぁ、クランのメンバー全員に関わることだから、みんなで話し合うんだけどな。
心のんか艶そう思いながら言った。
「そうですよね」
「金の切れ目が縁の切れ目と言うし、そこら辺のルールはちゃんと作らないとだよな」
そうだな、こういうトラブルで解散みたいになるのが一番悲しいからな。
そういうのは、現実だけにしたいよな。
ゲームの世界でまで、お金の話でゴタゴタしたくないよな。
現実でもいやなのに、それをゲームの世界に持ち込みたい訳がないよな。
「そうなんですよ。ササキさん、そこの視界もお願いできませんか?」
「分かった。やれるだけやってみるぞ」
お、思いつきで言った提案が、思っていたよりもあっさり通った。
もしかして、ササキさん、司会が好きになってきているのかな。
それとも、司会というポジションを得ようとしているのかな。
まぁ、これからも、基本的には司会をササキさんに任せていくことになると思うから、やる気を出してくれるのはありがたいな。
「ありがとうございます、何度も。いっそ、正式な役職として、司会係みたいなのになっちゃいます?」
「それも面白そうだけど、やっぱり今は平が良いな。そこまで大きい組織という訳じゃないし、役職持ちはそんなに数いらないだろ」
役職に関しては断られてしまった。
ポジションがほしいというよりは、司会をするのが楽しいって感じだな。
まぁ、ササキさんがそれでいいならいっか。
気が向くまで気長に待つとするか。
「分かりました。役職の件は、気が向いたら言ってください」
「あぁ、まぁ、気は変わらないだろうけどな」
まぁ、そうだろうな。
ササキさんってどちらかというと初志貫徹タイプだよな。
途中で急に止めたとか、こっちにするみたいなことを言わなさそうなイメージがあるな。
「気長に待ちます」
「素材と生産品の話に関しては、より具体的なことは話し合いの時に聞くとして、新メンバーの話って何を話すんだ?」
話がグッと本筋に戻ってきた。
次は、新メンバーの話か。
素材と生産品の話が、思っていたよりも身近なことだったから、もう1つの方も気になってきたのかな。
それとも、自分が推薦しているメンバーがいるから、新メンバーについては敏感なのかな。
「今、推薦されているメンバーがどんな人なのかについてと、面接? 勧誘? の日程調整、それと、他に推薦したい人がいないかという話と、採用方針についてです」
「思っていたよりいろんなことを話すつもりなんだな」
そうなんだよな。
1人でかってに決めたらダメそうなことがいっぱいあるんだよな。
組織の運営って大変なんだな。
俺達みたいにこれだけ緩くやっている組織でもこれだけやることがあるのだから、がっちりやっている巨大クランって、マジで仕事? ってぐらいやることがあるのかもな。
よかったこの規模で。
「まぁ、組織って、決めなきゃいけないことが阿呆みたいにあるからなぁ」
「組織運営って大変だよな」
ササキさんがしみじみと言っている。
ササキさんって、何かの運営に参加したことがあるのかな。
ありそうだな。
そこで幹部とかやっていそう。
重し的な立ち位置とか似合いそうだな。
重鎮をやっているササキさんを想像しながら言った。
「ササキさんは、司会をやるとなると、あまり自分の意見を言うタイミングがないかもしれないから、ここで聞いておきたいんだけど、素材と生産の話と新メンバーについての話について、どう思っているんですか?」
ササキさんは、司会という役をお願いシルから、あまり自分の意見を言う機会はないだろうな。
司会って、公平で中立でみたいな感じだから、我とかあまり出さないもんな。
それなら、事前に聞いておいた方が良いんじゃないかな? と急に思い立ったので、そのまま口に出すことにした。
ササキさんhが、俺がそう言うと、じっくり悩んだ後言った。
「俺の意見か。まず、素材と生産品についてだな。素材に関しては、ギルドを通さずにやりとりが出来るならありがたい。それが出来るなら、Win-Winになるような額で素材のやりとりをしたいな。形式はどうするのがいいのかは、今は思いつかないからみんなで意見を出し合いたいところだな。生産に関しては、そうだな、クラン内ではクラン価格で販売で良いと思うぞ。クランとして店を出すことが出来るならやってみたい気持ちもあるな」
「新メンバーについては、まず、今推薦しているメンバーに関しては、クラン内で反対がないなら、早く入れてあげた方が、その分なじむのも早くなるだろうし、できるだけ早く入れてあげたいな。日程に関しては、基本的にはオクツ達の予定次第だろうな。俺は他に推薦したいやつは今のところいないけど、他がいるなら面白そうだし、話を聞きたいな。採用方針に関しては、実力とかよりもこのクランになじめそうな人が良いな。後は、前も言っていたが、クランを拡大していくことを目標としないで、楽しくやれるメンバーを集めて行くみたいなスタイルが良いな」
ササキさんの意見は納得の出来るものだったな。
今考えて今言っているから、ふわっと言った感じだったな。
まぁ、基本的には、ササキさんと考えは一致しているみたいだな。
後は、みんなで話し合ってこれを具体的にしていく展開になると良いな。
そう願いながら言った。
「ササキさんの意見は分かった。だいたい俺と同じような意見だな。同じ意見を持っているササキさんの司会なら、話し合いもうまく行く気がしてきました」
「オクツも、だいたい同じ意見なのか。まぁ、特殊なことは特に何も言っていないから、かぶるところも多いのかもしれないな」
まぁ、それもあるが、そもそも、意見があって、楽しくできそうな人を集めてクランにしているから、基本的な考えが一致しているのかもしれないな。
理由が何であれ、意見があっているというのはなんとなく気分が良いな。
「まぁ、そもそも意見が合いそうな人たちを集めているので、意見が合うのも、必然なのかもしれないな」
「まぁ、楽しく出来れば、ある程度は許容範囲を広くもつぞ」
「そう言ってもらえると助かります」
「じゃあ、そろそろ時間だし、各々の席に戻るか」
「そうですね」
俺達は、雑談を終えて、各々の席に戻っていった。
ちなみに、ササキさんは、ただ、椅子から立っただけだから、ただ座るだけだった。
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