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生産体験会『料理』感想フェーズ

 天野さんは、調味料を振りかけたり、何かよく分からないことをしたりして、味を調えていった。

 すぐにその作業を終えて、天野さんは言った。


「スープ出来たわ」


「出来たのか?!」


「じゃあ、配っていくわね」


「よし!」


「じゃあ、ここに並んで」


「「「「「はーい」」」」」


 俺達は、そう返事して、鍋の前に並んだ。

 全員、よだれが垂れかけているような顔をしている。

 すぐにでもスープを飲みたくて仕方がないのだろうな。


「1杯ずつ配っていくわ。残ったらそれは自由におかわりしていいわ」


「よっしゃあ!」


「やったわ」


「はい、コルド」


「ありがとう! これ、うまそうだな!」


「はいオクツ」


「ありがとう。おいしそうだな」


「はいローズ」


「ありがとうね。これは絶対おいしいわね」


「はい、クジョウ君」


「ありがとうございます。うぁ、おいしそう」


「はいササキさん」


「ありがとうな。匂いだけで既にうまいな」


「はいミヤネちゃん」


「ありがとうね。これはうまい。間違いないわね」


「はい、けんけんぱさん」


「ありがとう。これはおいしそうだね」


「はい、シルさん」


「ありがとう。これはおいしそうだね。早く食べたい」


 そうやって、1人ずつスープを受け取り、席に戻っていく。

 みんな、スープを目の前にして、待ち遠しそうな顔をしている。

 そんな中で、天野さんが言った。


「全員に行き届いたわね」



「「「「「はーい」」」」」


「じゃあ、手を合わせて」


「いただきます」


「「「「「いただきます」」」」」


 俺達は、そう言い終えてすぐ、スープを飲み出した。

 熱いスープはすぐには飲めない。

 みんな、フーフーをしてスープを冷やしてから飲んでいる。


「うまっ!」


「こんなにうまいんだな」


「あんなに雑に具材を入れたのに、どれもおいしいわね」


「どうやったらこんなことが出来るんだ?」


「私が切った具材がこのスープに入っていることが誇らしいわね」


「これはおいしいね。いくらでも食べられちゃう」


「自分の切った具材が入っているという事実で、おいしさが何割増しかになっていそうだね」


「今回はうまく行ったわね。これだけ雑に作って成功するのは、料理スキルのおかげかしらね」


 俺達は、感想を軽く言い終えた後、ダメってひたすらにスープを飲んでいった。

 1杯飲み終えた人は、また1杯おかわりに行き、スープを飲んだ。

 みんな無言で夢中で、スープを飲んでいった。

 気づいた頃には、スープの入っていた大きな鍋は空になっていた。


「ご馳走様でした」


「「「「ご馳走様でした」」」」


「みんながいっぱいおかわりしたから、鍋が空っぽね」


「食ったな!」


「そうね、いっぱい食ったわ」


「うまかったな」


「そうですね」


 みんな満足そうな顔をしている。

 みんなスープに大満足のようだ。

 昼食を食べてからの集合のはずなのに、食欲をかり立ってるようなおいしそうなスープの匂いには勝てなかったということなのかな。

 天野さんは、1人、落ち着いた顔をして言った。


「じゃあ、ここからは、感想タイムにするわね」


「スープ作り、楽しかったな! 俺は、肉を切っただけだったけど、それでも十分楽しかったな! それに、出来たスープもおいしかった! 自分でも料理をやってみようかなって思えるぐらいには、楽しかったぞ!」


「そう言ってもらえるとうれしいね。今回は時間の関係で、具材を切るところしか体験してもらえなかったけど、私のところに来てくれたら、いつでも、振るの体験が出来るよ。楽しいと思ってもらえたなら、後で来てくれたら、古野体験をさせてあげるよ」


「とにかく出来たスープがおいしかったな。おいしすぎて何回もおかわりをしちゃったな。それぐらいおいしかった。こんだけ食べても、現実の体に影響ないっていうのがすごいよな。こっちで甘いものを食べて、リアルでは我慢するみたいなダイエットがあってもおかしくないよな」


「そのアイディア面白いね。私もやってみようかしら。こっちで甘いものを食べて、あっちで我慢するダイエット。こっちでたくさん食べれば、その分、あっちではもう良いかなってなるかもしれないね」


「私も、そのダイエットをやりたいわね。今日の体験は、すごく楽しかったわ。普段、料理は、親が作っている夕飯の手伝いとかしかしないから、楽しかったわ。現実でもあるから、こっちでしなくてもいいかと思っていたけど、こっちの料理ってすごく楽しいのね」


「現実でも出来るけど、こっちでもやりたくなるぐらい料理って楽しくて奥が深いのよね。それに、こっちだといくら失敗しても現実の懐が痛まないのが良いわね。まぁ、こっちの料理とあっちの料理は全然違うのだけどね」


「今までのものと流れを変えてやり始めたときは、どうなるのか少しドキドキしていたけど、最後にはおいしい食べ物も食べれて大成功になってよかったわ。今度、2人で料理を作りましょう。天野さんにレシピとかを教わりたいわ」


「ミヤネちゃんなら、いつでも呼んでほしいわ。ミヤネちゃんに限らず、料理がしたくなったら、すぐにでも声をかけてほしいわ。1人でやる料理も楽しいのだけど、やっぱりこう言うのって複数人でやった方が楽しいのよね」


「今日はとても楽しかったです。料理は、最近おざなりにしていたから、うまく出来るか少し不安でしたが、良いプログラムのおかげで、楽しく料理を再開することが出来ました。少しずつ感覚を取り戻していきたいですね」


「一度やらなくなると、感覚を取り戻すのは大変よね。頑張って、クジョウ君。私が助けられることがあるなら何でも助けるわ。じゃんじゃん言ってじゃんじゃん。まぁ、クジョウ君は、いろいろやることがあって大変だと思うけど頑張って」


「楽しかったぞ。毎回言っているが、朝連絡して、用意してもらったとは思えないぐらい楽しかったぞ。こうやって交流すると、他の生産のことについても知れて楽しいな。そういうことを知るついでにこういううまいものが食えるのが最高だな」


「交流って大切よね。自分のテリトリーに閉じこもっていても良いアイディアは思い浮かばないものね。この体験会だけじゃなくて、これをきっかけに、いろいろ交流をしていきたいわね。同じクランのメンバーなんだし」


「今日は、めちゃくちゃ楽しかったな。特に俺は、具材を切るのが楽しかったな。刃物で何かを切るっていうのはやっぱり楽しいよね。今度、マイ包丁でも作ってみようかな。それに合わせて料理を初めて見るのも良いかもな」


「マイ包丁ね。羨ましいね。もしよかったら、作ってほしいね。けんけんぱさんが言っている、具材を切る工程が楽しいというのには同意するね。リズミカルに切っていくと、なんだか気持ちいいわね」


「なんとなく、生産だと料理が一番興味があったから、この体験会が出来て、とてもよかったな。生産体験会を通して、料理を始めてみようかなってなったよ。とても楽しかった。やっぱり、生産は、まず料理から入ろうかな」


「料理を初めてくれるのね。大歓迎するわ。手取り足取り何でも教えてあげるわ。私、現状だと料理仲間がいなくて少し寂しかったのよ。まぁ、私がそういうコミュニティにいけていないだけなんだけどね。それにしても、仲間が増えるのはうれしいわ」


 全員が感想を言い終えた。

 全員の感想を聞いて、天野さんは、すごく満足そうな顔をしている。

 感想がうれしかったのかな。

 何が刺さったんだろう。

 俺にはまだ分からないな。

 そう思っていると、天野さんがとてもうれしそうに言った。


「みんなの感想、どれもうれしいものばかりだったわ。この生産体験会をやってよかったわ」


「じゃあ、料理の生産体験会は以上ね」


「「「「「ありがとうございました」」」」」


 料理の生産体験会が終わった。

 良い体験会だったな。

 他の体験会は、いいものが出来た達成感とかそういうものでやってきたけど、うまかった幸せという気持ちで終わった。

 すごく良い体験会だったな。

 そう思っていると、視界のササキさんが目に出て言った。


「じゃあ、次は……」















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