生産体験会『料理』説明フェーズ
各々が、自分の分の作業を終え、雑談に入っていた。
楽しくお話をしていると、天野さんが言った。
「切り終わったか?」
俺達は声をそろえて答えた。
「「「「「はーい」」」」」
天野さんが話を始めたということは、次の行動が始まるということかな。
材料を切ったし、次は、調理に移るのかな。
わくわくしていると、天野さんが言った。
「じゃあ、1個ずつ鍋に入れていくよ」
「まぁ、順番は気にしなくていいぞ。どの順番に入れてもだいたいおいしいからね」
そんな大雑把で良いんだな。
こだわりを持って、この順番で恋みたいなのが決められているのかと思っていた。
天野さんは、どちらかというと、シェフというよりは家庭料理タイプだから、時短で楽に出来るおいしいものを熟知しているんだろうな。
そんな天野さんが言うのだから、間違ってはいないはずだ。
まぁ、間違っていたとしても指摘はしないけどな。
そんな度胸はないし。
そんなこと考えていると、コルドが、ボールを持って立ち上がった。
そして元気よく言った。
「じゃあ、俺から入れていくか!」
そう言って、コルドは、前に出て、そっと鍋の中に肉を入れた。
コルドが切った肉を見て、天野さんが言った。
「良い感じのサイズだな」
コルドがいの一番に行ったことで、行きやすい空気になったため、残りのメンバーもぞろぞろと、鍋の方に向かって行った。
俺達は、そっと鍋の中に具材を入れていった。
1人が具材を入れるたびに、天野さんは、どこかを褒めている。
俺も、入れるときに「うまく出来ているじゃないか」と褒めてもらえた。
何というか、天野さんに褒められると、親に褒められているようなこそばゆさを感じる。
これが天野さんの母性ということなのかな。
そんなことを考えながら、全員が、具材を投入するのを待った。
全部の具材が投入されたところで、天野さんが言った。
「よし、全部の素材が入ったね」
そして、天野さんはそこに水を入れいていった。
まぁ、スープだから水は必要だよな。
そして、水と具材でいっぱいになった、鍋を見て、天野さんは言った。
「じゃあ、火を入れるよ」
「ここからは、コトコト火を入れていくから、時間がかかるんだよね」
そうして、調理が始まった。
この間何をするんだろうな。
調理が始まっちゃって、俺達は手持ち無沙汰だな。
雑談でもしていれば良いのかな。
今までの体験会は、常にやることがあったけど、今回は、急にやることがなくなっちゃったなどうしたら良いんだろう?
そう思っていると、天野さんが言った。
「だから、ここで、料理の説明をしていくよ」
ここで説明をするんだな。
あぁ、確かに、最初にそんなことを言っていたな。
この時間が手持ち無沙汰になると分かっていたから、説明を後回しにしたんだな。
みんなよく考えるものだな。
良い体験会にしてくれてありがとうという気持ちと、みんなの午前中を潰してしまって申し訳ないという気持ちがある。
これだけいいものをやってくれるのだから、がっつり準備をしたんだろうな。
それに時間を取らせてしまって申し訳ないな。
そんなことを考えていると、ローズが天野さんに質問をした。
「スープを放っておいて大丈夫なの?」
「大丈夫だよ。話しながら見ることぐらい出来るからね」
マルチタスクをするということか。
マルチタスクか。
すごいな。
俺は、マルチタスク絶対出来ないマンだから、マルチタスクができる人は尊敬しちゃうな。
俺は、シングルタスクの極みだからな。
戦闘中に、魔法と物理でそれぞれ攻撃するのがやっとだからな。
絶対に、料理を作りながら、料理の説明をするみたいなことは出来ないな。
いいなぁ、マルチタスク。
うちのクランのメンバーって、シングルタスク派と、マルチタスク派、どっちが多いのかな。
思考が段々とわきにそれている間に、天野さんが言った。
「じゃあ、説明していくよ」
「まぁ、まずは、料理とは何かからだね」
「料理とは、みんなが想像しているようなものでだいたい合っているよ。素材を調理して、食べることの出来るもの、おいしいものにしていくのが料理だよ。作るものは料理だね。主食でも主菜でも副菜でも、肉料理でも、魚料理でも、野菜の料理でも何でも作れるよ」
「そして、その料理を専門にするのが、料理人だね。料理は消耗品だから、常に言っての需要があるから、割と安定している職業だね。ただ、みんな料理の味には厳しいから、きちんとうまいものを出さないと、どうにもならなくなるね。剣とかアクセサリーとかって、買うと次のものに変えるまである程度の期間があるし、ポーション類って、HPとかMPが減っていないと使わない。それに比べて、料理はいつでも食べられるし、消耗品だし、現地の人は食べないと生きていけないから、すごく安定しているんだよね」
確かにそうだな。
料理って、消耗品だし、食べるタイミングが一日の中で必ずあるからな。
それに、それとは別にバフとして食べられるし、かなりの需要があるんだな。
それと、ここまでの体験会で学んだことの1つに、生産職の人は、俺達プレイヤーを相手にしているだけでなく、現地の人相手にも商売をしている場合が多いということがある。
料理は、その現地の人相手の商売としても、かなり良い。
剣なら、1度買えば数年変えないだろうし、ポーションだって薬だって弱っているときにしか必要がない。
でも、料理は、いつでも需要がある。
特に、自分で料理を作らない人にとっては。
そう考えると、料理ってすごく安定している職業なんだな。
自分の中で、天野さんの話をかみ砕いてそんなことを考えていると、天野さんが続きの説明を始めた。
「料理人にもいろいろあるんだよね。例えば、扱う素材によって専門の料理人がいるよ。例えば、肉料理を専門にする肉料理人、魚料理を専門にする魚料理人、野菜を専門にする、野菜料理人とか。後は、調理の仕方によっても、いろいろいるよ。燻製専門でやっているいぶし職人とか、蒸し専門の蒸し職人とか。あとは、普通に何料理を作るかの専門もいるよ。例えば、和食専門の板前、洋食専門のシェフ、中華専門の鉄人、スイーツ専門のパティシエとか。まぁ、全部自称なんだけどね」
これもまた自称なんだな。
みんな、何かを自称するのが好きなんだな。
まぁ、自称した方が、短くパッと表現できるし良いのかもしれないな。
クランも自称で、生産職の区分も自称、みんなシステムに縛られずにロールプレイに入っていて楽しそうだな。
そんなことを思っていると、天野さんが楽しそうに言った。
「料理は、料理そのもののかなで、かなりの幅があるから、他のスキルとかと組み合わせるのは、細工ぐらいしかないんだよね。後は、調薬とあわせて、薬膳料理とかぐらいかね」
「料理の説明はこれぐらいかね」
料理の説明が終わった。
こうやって説明を聞くとどの生産も魅力的に感じるから不思議だな。
まぁ、それは、どの背資産にもかなりの魅力があるから何だろうな。
「じゃあ、スキルの方も説明しておくかね」
「料理で使うスキルは、料理と、生産の心得と、集中だね。組み合わせられるスキルは、今のところ細工と薬膳ぐらいだね」
「この中で、料理スキルを持っている人」
「はい」
クジョウ君だけが手を挙げながら言った。
「クジョウ君だけなんだね」
「まぁ、なんとなく分かっていたけどね」
天野さんは、少し寂しそうにしている。
料理仲間がもっと身近で増えてほしいと思っているのかな。
なんとなくその気持ちは分かるな。
「料理は楽しいし、出来たものはおいしいからかなりおすすめだよ」
「ほら、良い感じの匂いがしてきたわよね?」
確かに、おいしい匂いがしてきた。
これが、今作っているスープの匂いなのか。
期待値がグッと上がったな。
「うん、スープが良い感じに出来てきたね」
「後は、調整で味付けして完成だね」
もうすぐ完成するのか。
それはかなり楽しみだな。
「もう完成なんだな!」
「食べるのが楽しみだな」
「そうね。よだれが出てきそうだわ」
既によだれが出てきた。
口の外に出てきていないだけで、口の中のよだれがグッと増えるのを感じた。
「早く食べたいな」
「そう、せかすもんじゃないよ」
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