生産体験会『細工』感想フェーズ
他のグループも作業が終わったのか、段々とおしゃべりの声が聞こえてくるようになった。
そんな声を聞きながら俺は、自分たちの作業台のメンバーとおしゃべりをしている。
全体的に、おしゃべりの声が落ち着いてきたところで、ミヤネさんが言った。
「みんな、ミサンガは出来た?」
俺達は、声をそろえて、気の抜けた声で返した。
「「「「「出来たー」」」」」
「それはよかったわね」
「ミサンガづくりは楽しかった?」
今度は、元気いっぱいの声で、ミヤネさんの問いに答えた。
「「「「「楽しかった!」」」」」
「そう、そう言ってくれてうれしいわね」
「ちなみに、ミサンガに何かしらに効果が着いた人ー」
ミヤネさんの問いに、手を挙げて返事をしたのは、ローズとクジョウ君だけだった。
「「はーい」」
ちなみに、俺は効果が着かなかった。
まぁ、仕方がないよね。
だって、初めての細工だし、スキルもないし。
現実で作った渡河の経験がある訳でもない。
それで効果がつく方がすごい。
俺が心の中で開き直っていると、ミヤネさんが言った。
「ローズとクジョウだけなのね。まぁ、細工をもっていないと相当難しいものね」
「DEXの高い生産職組でも、細工をもっていないとつかないんだな!」
生産職組でも、細工をもっていないと効果が付かないものなんだな。
もちろん、俺達戦闘職組が作るものよりは、品質が良いんだろうけど、それでも、効果はつかないんだな。
それだけスキルって重要なんだな。
スキルの重要性を、予想外のところで知ったな。
そう思いながら言った。
「それだけスキルって大切なんだな」
「まぁ、俺達は初めて作ったって言うのもあると思うよ」
「それもあるわね。後2,3回やったら、もしかしたら効果の1つぐらい着くかもしれないわね」
「そんな感じなんだな!」
「APOって、装備枠とかもないことだし、記念に装備しちゃいましょう。ミサンガ一つでそこまで邪魔になることはないでしょ?」
確かにそうしようかな。
そろそろ、弱めのアクセサリー類とか装備類とかを更新しようと思っていたけど、まぁ、1つぐらい残しても気にならないよな。
更新するときには、このミサンガだけ残して、残りを更新することにしようかな。
そう思いながら、声を合わせて言った。
「「「「「はーい」」」」
「じゃあ、1人ずつ、感想を言ってもらおうかしらね」
「めちゃくちゃ楽しかったな! まず、制作に入る前のくじ引きによる席替えから楽しかったな! ミサンガづくりも、同じ作業台の中も後協力しながら出来たし、最高だったな! もちろんでミサンガも最高だな!」
感想か。
順番的に、この次に行きたいから、あまり考えている時間はないな。
とにかく楽しかったな。
初めてだからその分わくわくしたというのもあると思う、誰かと一緒に作ったから楽しかったということもあると思う、体験会というイベントだったから楽しかったということもあると思う。
まぁ、そういうことを言い感じに言えばいいかな。
俺は、頭の中で何を言おうか考えながら言った。
「やったことない生産にチャレンジするのがとても楽しかったな。初めてのことで、うまく行かないところもあったけど、細工初めて同士の仲間と助け合いながら出来てよかったな」
「やっぱり、細工は楽しいわね。他にいろいろ楽しいことが重なって、数日できていなかったけど、やっぱりめちゃくちゃ楽しいわね。2日目に、ミヤネさんに、細工を習ってよかったって改めて思ったわ。それと、久しぶりの細工でめちゃくちゃブランクを感じたから、これからはちゃんと毎日細工をするようにしようと思ったわ。みんなでミサンガを作れたのもとても楽しかったし、やっぱり細工って最高ね」
「違う生産に触れると、刺激をもらえるね。頭の別の部分を使っているような感覚になって楽しかったね。これは、鍛冶の方にも何かしら応用が利きそうだから、細工のスキルを取ってみようかな」
「とても楽しかったです。細工の方は、ここ2日ぐらいやっていなくて、ちょっとしたブランクがあったんですけど、うまく出来てよかったです。また調薬を再開する良いタイミングになったのもよかったです。今日からは、細工の方も頑張っていこうと思いました」
「楽しかったよ、ありがとうね。ミサンガなんて作るのは、数十年ぶりだったよ。APO内で作るとなっても体が覚えているもんだね。効果は乗らなくても良いミサンガが出来たよ。ミヤネちゃんの説明を聞いて、実際に体験してみて、細工って、料理にも応用できそうだなって思ったよ。私も、細工をとってみようかしらね。飾り切りとかに応用が出来そうだし。それに、趣味で、細工系をやるのも楽しそうだしね」
「あたいも楽しかったよ。ミサンガづくりなんて私も10年ぶりぐらいだったよ。久しぶりに若いときのことを思い出して不思議な気持ちになったけど、楽しかったよ。それに、自分で作ったものっていうのはなんだか愛着がわいてくるものだね。既に、ちょっと愛着がわいてきたよ。普段は消え物を作っているけど、こういう形に残るものもいいね。私も細工をやろうかしら」
「司会の俺もやるものだとは思ってなかったけど、やってみたらめちゃくちゃ楽しかったな。やってよかった。ミサンガづくりから新しい刺激をもらったな。ミヤネの説明を聞いて、やってみて、調薬の方にも、細工って活用できそうだなって思ったぞ。調薬って素材の配合とか細かい作業が多いから細工と合っているのかもな。俺も余裕が出てきたら細工をとろうかな」
「最後は僕かぁ。細工って、こんなに楽しいものだったんだね。こんなに楽しいものだったら、初日から、いや、β版のときからやっていたらよかったって思ったよ。それと、まだ、調薬と細工を体験しただけだけど、段々生産に対するイメージが変わってきたよ。APOって生産もこんなに楽しいんだね。APOって遊びしろが多すぎて困っちゃうね。細工って、良いね。調薬もよかったけど、細工も始めようかな。このままだと全部の生産を始めることになりそうだね」
みんな、細工の魅力に気づいたらしい。
俺も、今日気づいた側の1人なんだけどな。
生産組の細工に対するようかが高いな。
応用性が高いことがやっぱり魅力なのかな。
自分の分野とあわせて使用することが出来るというのは、良いよな。
趣味だけ用のスキルにならないし、死にスキルにもならない。
だから評価が高いのかもな。
それと、細工の体験会自体がいいものだったから、みんなの細工に対する評価が高くなったのかもしれないな。
良い感じに細工の普及もされたし、みんなの仲も深まった気がするし、調薬の体験会に続いて、細工の体験会も大成功と言っていいんじゃないかな。
このクオリティのものを、午前中だけで準備するってすごいな。
さすがミヤネさんだな。
調薬の体験会のときも思ったけど、もしかして俺ってすごい人たちを仲間に引き入れたのかな。
俺だったら、説明の1つや2つ間違えそうだな。
そう思っていると、ミヤネさんがうれしそうに言った。
「みんなにそうやって、良い感想をもらえてうれしいわ。これだけで、この会をやった価値があるというものよ」
「細工って楽しいから、趣味程度でいいから、やってほしいわね。細工で困ったことがあったらいつでもアドバイスもするし」
ミヤネさんのアドバイス付きなのか。
より、やる方向に気持ちが傾いていくな。
まぁ、でも、今の俺は、SPがほとんど枯渇状態だから、どのスキルも取ることが出来ないんだけどな。
これもあれも全部、%アップ系を一気に取ったせいなんだけどな。
ミヤネさんは、ニコッと笑った後に言った。
「じゃあ、これで、細工の体験会は終わりよ」
俺達は全力で気持ちを込めて言った。
「「「「「「ありがとうございました」」」」」
「じゃあ、ササキ、司会として次に進めてちょうだい」
俺達と同じように普通に椅子に座っていたササキさんは、そう言われて、慌てて立ち上がり、前に出て言った。
「了解。じゃあ、次は……」
よろしければ、下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけるとありがたいです。
★だと思った方は、★でもいいので、評価をよろしくお願いします!!!!
それと、毎日更新をしているのでよろしければ、ブックマークの方をしていただけると、更新した時にまた読みやすいと思います。
ついでに、いいねや感想などもしていただくと、活動の励みになるので、ぜひよろしくお願いします!!!




