生産体験会スタート
共有されたステータスを並べて眺める。
うん、みんなどれも、個性が出ていて良いな。
戦闘職は、職とか役割ごとに最適化されている感じだな。
生産職の面々は、基本的には数値は、DEXに集中して、他の数値に関しては、必要なもの、あったらよい程度のものを取っている印象だな。
特に消費値に関しては、みんな適当に済ませているような気がする。
魔力を使う機会もなければ、戦闘などでHPが減らされるような機会もないため、そこら辺のことはあまり考えずともよいのだろうな。
それぞれ個性があって良い。
そして、その個性は、きちんと意味のある形になっているのがまた良い。
並べてみるとこうも違うんだな。
1つ1つのステータスを見ただけでは感じ取れなかった違いを感じながら、俺達は会話をしていった。
「みんな、Lv.10を超えているんだな!」
「まぁ、さすがにな」
「みんな個性が出てて面白かったわね」
誰のステータスが一番個性が出ているかな。
やっぱり見慣れていない、生産職の面々のステータスの方が個性的に感じるな。
さらにその生産職の面々の中だと珍しく、全部のステータスアップ系、ステータス%アップ系のスキルを取っている、クジョウ君と、けんけんぱさんのステータスは、頭一つ抜けて個性的だな。
ステータスアップ系スキル以外で言うと、クジョウ君は、いろんな生産スキルを持っているという点ですごく個性的だ。
けんけんぱさんは、攻撃系のスキルの剣術と魔術を取っていることが個性的だな。
俺は、みんなのステータスを眺めながら言った。
「クジョウ君のステータスとか、けんけんぱさんのステータスが特に個性が出ていたな」
「僕的には、ミヤネさんの、お守り連打も面白かったな」
「戦闘組のステータスもすごかったな」
「戦闘職組は、みんな当たり前のように称号をもっていて、すごいわね」
「戦闘職組はステータスが長いわね。娯楽系のスキルとか、ステータスアップのスキルがたくさん並んでいたわね」
「戦闘ってなると、どこもカバーしないといけないんだね。基本的に使わないステータスがないんだね」
「僕は、戦闘職組のレベルの高さに驚かされました。昨日今日と、こっちの環境で精算をしていて、すごく成長していると思ったのに、それ以上のレベルを出されてびっくりしました」
それぞれ、メンバーのステータスを見比べて、感想を言い合った。
みんな好意的なことを言うから、段々と気分がよくなってくるな。
ステータスを見ながら褒められるのは気分が良い。
段々と乾燥も落ち着いてきて、良い気分の余韻に浸っていると、ササキさんが、話を本筋に戻して、仕切っていった。
「全員のステータスは共有し終えたな。じゃあ、生産体験会に入っていくぞ」
「「「「はーい」」」」
「生産体験会は、この本拠地の作業場で行うから、まずは移動だな」
「「「「「はーい」」」」
「じゃあ、俺に続いて移動するぞ」
「「「「「はーい」」」」」
「ちゃんと着いてこいよ」
「「「「「「はーい」」」」」」
俺達は、ササキさんの後に続いて、作業場まで移動していく。
これ、最初から作業場集合にすればよかったんじゃないかな。
まぁ、集合場所を決めたのは、俺だから、俺のミスだな。
どうせ生産をすることは分かっていたのだから、作業場集合でよかったのにな。
そこまで想像できなかったみたいだな。
集合場所を決めたときの俺は。
まぁ、でも、エントランスに集合するというのが,良い感じの雰囲気が出ていてよかったんじゃないかな。
それに、あのソファも活用できたみたいだし、別に悪いことではなかったな。
最前じゃなかっただけで。
そう思いながら、ササキさんについて行く。
階段を1段上るたびにわくわくと期待が1段階上がるような気がする。
階段を上りながら、近くにいた戦闘職組で話した。
「生産体験会楽しみだな」
「どんなスタイルでやるのかしらね」
「どんなスタイルだとしてもいろんな生産を体験できるのは楽しみだな!」
「そうだね。それも、それぞれの本職に教えてもらえるなんて贅沢だよね」
「シルさんは、どれが一番楽しみなの?」
「僕は、料理とかかな。料理なら自分でやろうと思えそうだし」
へぇ、料理なんだ。
木工とか、鍛冶とか、弓矢に関係しそうなところを行くのかと思ってた。
そういう路線と言うよりは、どちらかと言うとサバイバル寄りの考えなのかな。
そう思いながら言った。
「料理か。料理ってなると、担当は、天野さんだな」
「天野さんは、優しく教えてくれそうだな!」
「ふざけていると、ちゃんと叱られそうよね」
「なんとなくそのイメージ、分かるよ。3人は、何か気になっているものはある?」
「俺は、クジョウ君が何を教えてくれるのかが気になっているな! クラフターって幅広いからその中で何を教えてくれるのか気になるな!」
生産大会で気になるものか。
やっぱり調薬だな。
調薬組が3人いて、本職はそのうち2人もいる。
このクランで唯一職業がかぶっているのが薬師だ。
その薬師の2人からいろいろ教わるのは、2回目でもかなり楽しみだな。
調薬を教えられているところを想像しながら言った。
「俺は、やっぱり、調薬かな。前も教えてもらったけど、もう1度教わりたいからな」
「それでいったら、私は、細工かしらね。もっと上手になりたいからいろいろアドバイスがほしいわ。それと、細工をやるモチベーションになるようなことがあると良いわね」
「3人それぞれ楽しみなものがあるんだね。3人の話を聞いて、楽しみなものが増えた気がするよ」
俺達の意見で、シルさんのモチベーションが上がったのなら、それはよかった。
元をたどれば、元々これは、シルさんのための買い出しな。
シルさんにいろんな生産を体験してもらうのが一番大事なことだもんな。
俺はそう思いながら、深く頷いて言った。
「それはよかった」
「楽しもうな!」
「楽しみましょう」
俺達は、そのままおしゃべりをしながら移動していった。
他のメンバーは他のメンバーで、近くにいる人とおしゃべりしながら歩いている。
先頭を行くササキさんも、すぐ後ろを歩くダイアさん達と楽しくおしゃべりしながら歩いている。
よかった、このクランには、余り者とか、話に混ざれない人はいないみたいだ。
みんな、移動だけで楽しそうにしている。
その様子を見て、今のところクランの舵取りは間違っていないんだなと思った。
俺達は、作業場に移動してきた。
「じゃあ、みんな、そっち側の作業台の椅子に座ってくれ」
「「「「「はーい」」」」」
俺達は、ササキさんから指定されたあたりにある、作業場の椅子を取り出して座った。
なんか、学校の理科室とか美術室とか、そういう類いの教室みたいだな。
そう思っていると、ササキさんが全員が座れていることを確認してから言った。
「全員座れたな。今から、生産体験会を始める」
「「「「「お願いします」」」」」
「まずは、今回の生産体験会のスタイルを発表する」
「今回は、生産職、戦闘職関係なく、授業者以外はみんなその生産を体験してもらうことになった」
「そうなのか?!」
「前回は、みんなで素材を取りに行って、生産の段階は、それぞれマンツーマンで教えてもらっていたわね」
前回とは違うスタイルで行くんだな。
まぁ、今回もマンツーマンでやったら、生産職組が2人余っちゃうからな。
それならこっちの方が良いだろうな。
こっちの方が、よりいろいろな種類の生産を体験できるみたいだし。
俺は、へぇという顔をしながら言った。
「前回からかなり方法が変わるんだな」
「そっちの方が、それぞれの生産について、理解が深まるだろうからな。それと、授業者と戦闘職組だけでやったら、教えていないときの生産職が暇になってしまうからな。みんなで楽しんでもらうためにこのスタイルになった」
「「「「「りょうかーい」」」」」
「このスタイルで問題ないか?」
「「「「「「「大丈夫!」」」」」」」
全員がこのスタイルでやることを了承した。
まぁ、特に反対するところもなかったしな。
俺達の言葉を聞いた後に、ササキさんが言った。
「じゃあ、まず最初は……」
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