もうみんな集合していた
俺は、エントランスの扉を開けた。
ガチャ
扉を開けて中に入る。
エントランスにおかれた、初めて『クランの町フラッグ』に来たときに買ったソファのまわりに人が集まってた。
あの雰囲気、多分、俺が以外のメンバーはみんな集まっているんだろうな。
そう思いながら近づいていく。
その途中で、コルドが俺に気づいたようで手を振りながら言った。
「お! 来たか!」
「早かったわね」
「もう少しかかると思っていたよ」
「僕もそう思ってた」
「昨日ぶりねオクツ」
「今日はオクツさん」
「会うのは、昨日ぶりだな」
「昨日の今日じゃあまり変わっていないね」
「それそうでしょ」
全員が顔をこちらに向ける。
うん、もう9人そろっているみたいだな。
俺が最後か。
あと2人ぐらい来ていない人がいると思ったんだけどな。
最後かぁ。
最後だから何とかはないけれど、なんとなく嫌だな。
なんとなく遅れてきたような気がするからいやなんだよなぁ。
俺は、そんな気持ちを見せないようにしながら言った。
「おはよう。もうみんな集まっているんだな。みんな早いな。どの順番で集合していたんだ?」
「一番最初は俺だな。午前中は調薬体験の準備して、11時ぐらいに昼食取ってその後、12時ぐらいにはもういたぞ」
へぇ、ササキさんが最初に来たのか。
まぁ、ササキさんって、真面目というか律儀だからな。
準備が終わって、自分のことをするのではなく、ここに来て待つという選択を取ったんだろうな。
まぁ、ここでもできることはいろいろあるし。
俺は、へぇという顔をしながら言った。
「かなり早いな。さすがササキさんだな」
「その次は、私ね。私は、11時に昼食を取って11時半にはログインしてたのだけど、作業室で作業していたから、ここに来たのは、12時10分ぐらいね」
ミヤネさんなんだな。
なんか、イメージがなかった。
ミヤネさんは中盤ぐらいで良い感じのタイミングで来るイメージがあった。
そんな気合いの入った時間に来るとは、少し予想外だな。
それだけ楽しみにしてくれていたと言うことかな。
そうだとしたらとてもありがたいな。
俺は感心しながら言った。
「2人目は、ミヤネさんだったんだな。2人は、ほぼ俺がログアウトしたタイミングには集合していたんだな」
「その次は、僕ですね。僕は、昼食後12時にログインして、出先でログアウトしたので、そこから拠点に戻って来たのが12時20分ですね」
クジョウ君か。
クジョウ君なのか。
俺より遅い到着の一候補に入れていたのに、まさか3番目にはもう着いていたのか。
これもまたイメージと違うな。
予想外だな。
クジョウ君って早いのか。
ログアウトは早いけど、ログインは遅くないんだな。
情報のアップデートをしていかないとダメだな。
良い情報じゃないと良いイメージが出来ないな。
これは、反省案件だな。
反省、反省。
俺は、イメージを外しすぎていることに反省しながら言った。
「クジョウ君か。みんな昼早いんだな」
「その次が俺だな! 俺は、オクツと一緒にログアウトしてご飯を食べて、30分にはログインして、40分にはいたぞ」
コルドがここか。
コルドにしては、中途半端というか。
かなり真ん中で来たんだな。
まぁ、順番なんて選べないのだから、コルドに言っても仕方がないけど、意外だな。
毎回思うけど、早くない?
あの時間にログアウトして、ご飯を食べて戻ってきて30分ってどういうことなの?
俺は、心の中で、首をかしげながら言った。
「コルドか。コルドはそんな早くに来ていたんだな」
「その次が私だな。私は、ここでログアウトしたから45分にログインしてすぐにここに着いたぞ」
へぇ、ここでダイアさんなんだ。
ダイアさんって、どちらかというとギリギリで来るイメージがあったな。
何でこのイメージがあるんだろうな。
豪快っぽい雰囲気を出しているからかな。
前もって来て、待っているというイメージがないからだろうな。
そんなことを考えながら言った。
「ダイアさんがその次なんだな。ダイアさんが45分と言うことは、他のメンバーはここ直近10分ぐらいで着いたんだな。思ったよりも俺と変わらないんだな」
「その次が僕だね。僕は、12時30分にはログインしていたんだけど、町を散歩していたから、拠点に着いたのはダイアさんが着いたすぐ後だったんだよね」
シルさんがここなんだ。
シルさんも、この雰囲気で、ご飯を食べるのが阿呆みたいに早いんだよな。
あのスピードは、血筋なのかな。
まぁ、血筋なんだろうな。
あの家、みんなご飯を食べるスピードが速いし。
そう思いながら言った。
「シルさんか。そこはタッチの差だったんだな」
「その次が私ね。今日は、皿洗いの当番だったから、遅めの40分にログインしたわ。そこから、駆け足できて47分にはいたわ」
ここら辺の人たちからは、俺が頑張って歩いていたらワンチャン追い越せたかもしれない時間だな。
時間があるからとゆったり考え事とかをしなかったら、ローズより先に集合できたのか。
そうすればよかったかもな。
昼食後のログインでローズに勝ったことがほとんどないからな。
またとないチャンスだったのかもしれないな。
少し悔しがりながら言った。
「ローズがそこなんだな」
「その後が私ね。ログインしてきたのが、35分ぐらいでローズちゃんより早かったんだけど、のんびり拠点まで歩いてきたからギリギリになっちゃったわ」
天野さんのログインが早いな。
天野さんと良い、クジョウ君と良い、俺がワンチャン遅くログインしているのではないかと思っていた人たちがことごとく外れているな。
イメージなんてやっぱり頼りにならないんだな。
まぁ、勝手にしているイメージが頼りになる方がおかしいか。
俺はそう頭の中で開き直りながら言った。
「天野さんの方がログイン自体は早かったんだな」
「で、直近が俺だね。俺は、オクツ君がログインしてくる30秒前ぐらいにログインしてきたんだよ。本当にタッチの差だったね」
へぇ、けんけんぱさんが、最後なんだ、俺を除くと。
これもまたイメージと違うな。
けんけんぱさんって、何というか、3番目ぐらい出来ていそうなイメージがあったな。
1番に来るほど気合いは入れてこないけど、なんとなく3番ぐらいにはもういる感じの雰囲気があるよな。
そんなことを考えながら言った。
「本当にタッチの差だな。俺が少しでも駆け足で歩いていたら、最後はけんけんぱさんになっていたかもしれないな」
「そうかもしれにないね」
みんなのログイン事情を聞いたけど、思っていたイメージと全然違ったな。
これはこれで面白かったからよかったな。
この情報を元に次回の集合でも、誰がどのぐらいのタイミングで競うか予想してみようかな。
何が楽しいのか、自分でもよく分からないけれど。
この聞き取りをした結果、点呼も出来たな。
もしかして、この話って一石二鳥だったのかな?
俺は、気分よく言った。
「これでログインの話のついでに点呼も出来たな。一石二鳥だな」
「確かに! よくやったなオクツ!」
俺は、気分がよかったので、そのままの勢いで開始の宣言をした。
「えっと、じゃあ、みんな集まったことだし、早速、生産体験会をやっちゃおう」
「「「「「「「おー」」」」」」
開始の宣言をしたのは良いけど、俺企画だけして、具体的な内容は何も知らないんだよな。
これじゃ進行は何も出来ないよな。
こういうのは、現場の詳しい人がやるべきだよな。
そう思ったので、俺歯進行を全てササキさんに丸投げした。
「俺は企画はしたけど、詳細は分からないから、後のことはササキさんよろしく」
目配せするとササキさんはあっさり了承してくれた。
思っていたよりもササキさんはあっさりと引き受けてくれたな。
ササキさんは少しずつギアを上げながら言った。
「あぁ、分かった。じゃあ、ここからは、俺が進行していくぞ」
「「「「「「「「はーい」」」」」」」
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