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心の奥に沈む世界

作者: 山葡萄

もっと心を開いて自由に生きていられたらと思う


毎日を過ごす空間はなじみがあるけどうんざりする


お世話にはなっているし落ち着くけど


根っからの旅人気質なんだろうか


すぐにあっちこっちに行きたくなる


自分を知る人のいない場所が好きみたいだ


すぐ近くという場所から離れたくなった


もちろん旅は一人旅


自分で行きたいところを決めて


使いたいだけ時間を使う


いつもじゃできない贅沢だ


移動はつらい


新幹線の指定席に乗っても人がたくさんいて窮屈


時々自分の立てる音が響いていないか心配になる


トンネルで耳がおかしくなるのを感じる


キーンと響くような感覚と詰まったような感覚


飛行機も似たような理由で乗る時は結構緊張している



絵画も音楽も好きだけど自分でできることじゃないから


自分の世界を知りたくてペンをとっても何も形にはならなかった


楽器は何もできなかった


見てくれる人もいないから私は私のことが分からないままだった


文字は書けるし読めるけど美しい文章になるわけじゃないから


誰かに読んでもらうのも怖かった


私の心の奥底に何が潜んでいるのだろう


もっとはっきりしたものなら


わかりやすい形があったなら


こうまで悩むこともなかったのに


そうこうしているうちに若さを浪費してしまった


もの悲しい人生を生きている


私の心が海で私がダイバーになって


何も考えずに底に向かって沈んでいけたらいいのに


でも私はダイバーじゃないし


心は海になんてならないから


相変わらず自分の心はわかならないままだった


たとえば世界のあちこちを旅して


自分の知らない世界に行ってみたら


何が変わるのだろうか


たとえばおとぎ話にでてくる魔法の鏡のように


一言聞いたらなんでも教えてくれる存在があって


私の心を教えてくれたら


私は私でいることを受け入れられるのだろうか


すべてがあいまいで何もかも手にしていない


ふわふわ宙に浮いた気分が一生続く


そんな気がしてならない


夢の中でもいいから私は私の心の奥底に入ってみたい









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