7 衝撃の事実
そっと耳を触れる。
それは確かにエルフの物で尖っている。
あのとき感じた痛みも不快感も今では残っていない。
でもあくまで感覚だから何とも言えないんだよなー。
私は耳の違和感を感じたあと気を失った。
ついでもと言わんばかりにその後熱を出して今は静養中でござんす。
あー。暇だなー。
もう数日間ベットの上でごろごろしてるだけなんだよねー。
そりゃ暇にもなるわな。
なんで熱が下がっているのにベットの上にいるかと言うとお父様のせいです。
ここ最近怪我したり気を失ったりしているもんで心配性のお父様は
「一週間そこで寝てろ!」
と言うもんで、身動きが取れなくなっております。
やったね!
……何がやったねなんだろうか。
脳内思考がぐるぐる回るほど暇です。
なんか暇にならないものを寄越してください。
暇すぎで軽く死ねる。
コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
「お嬢様。リーラです。お食事をお持ちしました。」
おおっと。リーラさんが来たよ。
今日のご飯はなんじゃろなー。
でもその前に、お嬢様の仮面をつけよう。
じゃないとバレるからね!
「ええ。入っていいわ。」
「失礼します。」
リーラがワゴンを持ってきたんだけどなんか見てはいけないものの気がするよ。
すんごい禍々しいオーラ発しちゃってるよ。
ねぇ、それ本当に大丈夫なの?ねぇってば。
紫色のモヤが出てるよ。
ほらアニメとかである激マズメシのときにすんごい色したモヤ出てるじゃん。
それとまんま同じなんですけど、大丈夫か?
すんごいいい笑顔でリーラが運んでくるんだけど…。
うん!これは夢だ!きっとそうだ違いない!
と言う訳でおやすみなさ…
「お嬢様?」
めっちゃいい笑顔で寝ようとしてる所に肩を掴まれた。
うん。断言しよう。私、死ぬ。
短い人生であった…。
「きちんと食べてくださいね。」
うん。ごめんね?
これなんですか?
何を作ろうとしていらっしゃったんですか?
ていうか!これ作ったの誰だよ!出てこい!
私を殺す気かー!!
「食べなきゃ…駄目…?」
「駄目です。」
はい、死んだー!
お疲れ様でしたー!
それじゃあ逝ってきます。
恐る恐る物体Xを口に運ぶ。
…もぐもぐ…。
?
これは…。
なんでだろう見た目とは裏腹に不味いわけではないけど何を作ったのか判断できない。
不味いんじゃない。
でもまったくもって美味しいわけでもない。
食べれるだけ。
それだけに特化したような料理?だ。
これは料理としてみて良いのかも怪しいけど。
だって!なんか具材がほぼそのまんまなんだもん!
私は優しいから絶対に口に出さないけど!
「…リーラ。これは誰が作ったの?」
「料理長の弟子のリーシャで私の姉です。」
まーじか。料理長これにOK出しちゃったのかー。
リーラは姉が作ったやつだから嬉々として運んできたのか。
恐ろしや。
恋は盲目ならぬ絆は盲目ってか?
誰がうまいこと言えって言ったんだよ!
…脳内でボッチ思考は辛いね…。
でもリーラは姉妹だったのか。
でもね!?リーシャさん!?
なんで料理師目指した!?
衝撃の事実!
リーシャさんは料理下手!
はいおーわり!
おやすみなさい!
「も、もう寝るわ。おやすみ。」
「もうですか?…はい。おやすみなさいませ。」