緊急事態
この後は大変だった。来客があったのだ。
執事がケイトの荷物の整理をする為としてメイドを連れてきていた。しかもケイトの親まで来たのだ。そしてトドメが国王が執事に扮してお忍びでケイトを見に来たのだ。執事じゃなく国王だった。
丁度レストランから戻り、一息つく間もなくメイドが来て馬車を返して、ケイトの荷物を収納から出し終えた所だった。そしてこれだ。
ケイトの両親達が来て直ぐに連れてきたメイド達はケイトの部屋にて荷物を、主に服を出してタンスに収納してくれていたりと、実はかなり助かっていた。
何でもケイトは国王の四男の三女ではあるが、国王のお気に入りの孫娘で、孫の中で一番可愛がっているという。
実は先の国王との食事もケイトのおねだりだったりする。余程の事でない限り便宜を図ってくれるし、ケイトは年齢不相応に聡明だという。シャクラと張り合う気の強さが有るが、周りからかなり信頼されていると当夜は分析をしていた。感じたのではなく分析をしたのだ。
この親も親で、大量の荷物の犯人だったりする。ケイトは着の身着のままで来たかったらしい。当夜はふと思い出した。『この人、ダンジョンの依頼を持ってきた摂政だ!』
見覚えがあったのだ。ケイトの親だ、そりゃあまあダンジョン絡みの事は詳しいはずだ。
後で聞いたが、本来はケイトがギルドに来るはずなのだが、ケイトはあの翌日にようやく王都に帰着したと言う。色々話が繋がってきたのだった。
当夜は突然の訪問に驚いたが、更に両親には土下座をされて娘を宜しくと、妻の一人にしてやって欲しいと懇願されたのだ。
どうやら当夜の判明しているギフトが国の宝判定になったのと、娘の命の恩人、誤解からあり得ない位紳士だと判明し、このような態度になったようだ。慌てて起こして勿論大事にすると約束していた。約束しちゃったのだ。国王にも言っちゃたし、親に約束しちゃったからもう後戻りができないのだ。
当夜が呆れていたのはこのじじい、もとい、執事の爺様改め国王だ。
人を驚かすのが趣味といい、国王だと気がついたシャクラが指を指し、「な、な、な、なんでここに!この人が!」
と口をパクパクしていて倒れた。アモネスはそれを見て自身も理解した為に泡を吹いて気絶した。
レグナスは臣下の礼を取っていたが、変わらないのはルナと当夜だけだ。
当夜は呆れて手を挙げて、
当夜「これは驚きました。まさか変装されているとは!まあ立ち話もなんですから座りませんか?」
ダイニングのテーブルを案内して
当夜「買ったばかりで荷物の整理がまだでして、散らかっております」
国王「お前さん全然驚いておらんじゃろう。それに国王の前でも堂々とさえしておる。流石ケイトの選んだ伴侶じゃの。お主にならうむうむ。おっと先の事じゃった。失礼。今日はな先のお礼と、家の購入の祝いをまだしておらんから、希望を聞きに来たのじゃよ。可愛い孫娘の住む所を見たいのが本音じゃがの」
当夜「では遠慮なく。宮廷魔同士や魔術師の魔法を、私のギフトを理解した上で見せて頂きたいのです。今後のダンジョン整理に役立てたいのです。あっ!それとこれを」
当夜は収納からピストからの手紙を敢えて出した。己が収納持ちである事を見せるためだ。王は頷いて手紙を受け取り懐にしまった。
国王「主のギフトは確か魔法コピーか?よいよい。3日後に城に来なさい。魔術師に命じておく。但し条件がある」
当夜「私で可能な事でしたらおっしゃってください」
国王「何、簡単な事じゃて。ケイトを連れて来るのと、お前さんが3日後に取得した魔法を、貴族共の前で披露してくれ。奴らを集めておく。お主を儂の直属の部下としておくが良いかの?最近な、儂が年老いたからか、舐め腐った奴らからの謀反の匂いがしての、儂に仕えておる振りをして欲しいんじゃ」
当夜「それは良いですが、ケイトを連れていくのが本命で、魔法の披露はついででしょ?魔法はつまり示威行動を求められているのですね?」
国王「恐ろしい奴じゃの。味方で良かったわい。その通りじゃ。盛大なのを頼んだぞ!それにな儂はまだまだ現役だぞ!」
股間に指を当夜にだけ分かる様に示した。
そうして、ケイトの部屋を見て満足して引き上げて行ったのだ。
国王には治療師の話を聞いたがやはり当夜がピラミッドの頂点だったようでこの国ではダンジョン以外の手が見つからない。
国王達が帰った後は精神的に疲れたので、当夜はシャクラの添い寝で寝るのだった。チャージを始めた直後に意識を手放したのだった。




