ランチ
レストランに入り席に着いたが、ダンジョンのマスタールームに入れたものだからケイトもピストも興奮気味で食事所じゃない感じだった。
間違いなく当夜がこのダンジョンのマスターだと確認できたのだ。それを踏まえて食事の後手紙を二通渡すと言う。
一つはケイト経由で国王宛でもう一つはギルド宛で国が管理する育成用ダンジョンの公表の依頼だ。
こぞって冒険者が来るだろうとピストは当夜に嬉しそうに話をしていた。
育成用ダンジョンというダンジョンマスターにメリットが極めて少ない仕様は近隣諸国でもないという。ダンジョンの厳しさを増せばダンジョンマスターの実入りが良くなるのだ。実は目先の事に目を奪われた愚か者がする事であり、頭の回る者は育成用に落ち着くギフトだった。少なくとも当夜はそういう結論を出している。
実際の所、甘い設定で実入りが悪いのは人数が増えれば解決する問題だ。
商売で言う単価設定の違いで、同じ原価であれば、価格設定が高くなれば購入者が減るが、1個辺りの収益が高い。価格を下げれば1個辺りの収益は減るが数は売れる。
損益分岐点の事を理解している者であれば行き着く話だ。
通常このバランスを考えるのだが、当夜が考ええたのは、勿論数の正義だ。街も発展し、皆喜んでダンジョンに入り、ダンジョンマスターも感謝される。収益も結果的に多くなると良い事尽くめだと計算していたりする。
当夜は医者を目指していたので、計算等も早く出来る。IQの方でいうと賢いのだ。しかし、バカと天才は紙一重と言うように、性的にだらしの無い生活をして、交友関係も親友などいないのだ。賢いが愚か者だった。俺はモテるんだ!そう思っていたが怪我をして体が障害を抱えた途端に誰も来なくなった。
幸か不幸か、こちらの世界に来てからは肉体の障害の為に性的に禁欲生活を行っているが、そのお陰か人望が厚かった。周りの者が何故か引き寄せられてきているのだ。
それでも当夜はピストにはドール2の事を言っていない。
レストランっで注文した食事はミノタウロスのソテーだ。
気を利かせた三人娘が時折肩をお揉みしますと当夜の体を押さえに来る。
お陰でステーキの味を堪能出来ている。咀嚼が終わるとお礼を言い席に戻る感じで行っていた。
しかも即興だ。当夜は嬉しくて涙を流している。
怪訝そうなケイトが聞くと、あまりに美味しくて泣けてきたという苦しい言い訳に何故か納得している。
ミノタウロスは高級食材で、食べてみると松阪牛位美味しかった。
昔の女連れでのゴールデンコースで、鈴鹿でレース観戦&遊園地、松阪で松阪牛を堪能し、翌日伊勢神宮に行き、昼過ぎに帰路につくのがそうだった。「あっ!まつさかぎゅうじゃなくてまつさかうしだから間違えんなよ!」と誰に言っているのか肉の講釈だ。
別のゴールデンコースにはニセコでスキー三昧と言うのもあったりする。父親が別荘を持っていたのだ。父親が元スキー選手でボードは許されなかった。
食後は屋敷にて当夜達に渡す手紙をしたためて貰い、奥様自ら煎れた紅茶と女性陣の話で当夜はのけ者だった。そんな隙をケイトが見逃さず、当夜にダンジョンの事を聞いていた。シャクラが当夜とケイトの距離感をしきりに気にしていたが、ダンジョンの話をしているのでホッとしていたようだが当夜はそんなシャクラの目線に気がついていた。
とにかくケイトは当夜に積極的だ。
ケイトはこの国でのダンジョンの権威でもあるという。当然の如く初心者用のはクリア済みだ。冒険者ランクもCといい、当夜は驚いたが、ダンジョン絡みの話があると、騎士団の護衛を伴い調査訪問したりしているという。
時折腕を絡ませ、しきりにボディータッチが入る。ついにシャクラが切れる。
シャクラ「あ、あんた、さっきから私の当夜にべたべたし過ぎよ!あっ!胸押し付けない!あっ!ってちょっと離れなさいよ!お姫様だからっていい気になるんじゃないわよ!キー!」
奥様はあらあらと楽しんで油を注いでいる。
ケイト「シャクラは当夜様の何ですか?当夜様は独身と聞いておりますよ?」
シャクラ「お、奥様なんだから!」
ケイト「あら?当夜様はご結婚なされておいでなのですか?」
当夜「うーん俺こんな体だから、結婚の約束はしているけど、まだ結婚はしていないよ。彼女達は全員まだ生娘だよ。つまり婚約者ね」
シャクラ「当夜のバカあ!」
真っ赤になったシャクラが、泣き出した。
当夜は慌てて抱きしめて頭を撫でている。落ち着いたのか泣き止んだが、
ケイトの方を見てあっかんべーをしていたのには驚いた。嘘泣きだったのだ。
そうしているとピストが来て、手紙を渡された。今日はこれで帰りとなったが、
ピスト「ああ、悪いね。この子に手紙を託さないとーだから城まで送っていってね。それで依頼達成になるから、後は宜しくね!」
そうピストに送り出されて帰路につくのであった。奥様はそれはニコニコしていて時折クスクスと笑いながら万面の笑みです送り出していたのだった。




