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落下から始まる異世界浪漫  作者: KeyBow
第2章

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ダンジョン3日目

 今日は15階層からになるが、当夜達は本日もダンジョンであり得ないくらいにまともな食事をしていた。


 相変わらずシャクラの腕は素晴らしい。限られた食材にも関わらず美味しいのだ。

 当夜は少し気になりシャクラの調理風景を覗いていた。ポーチから小瓶を出して振り掛けていた。塩胡椒の類のようだった。


当夜「やあシャクラ。それは何かな?調味料かい?」


シャクラ「お、おはよう。当夜。これはね塩と胡椒よ。これが有るのと無いとでは味が全然違うのよね!」


当夜「へーこっちにも有るんだね。普通に店で売っていたっけ?」


シャクラ「ううん。これね一応貴重品だから貴族の出入りするお店でしか置いていないのよ。ここぞって時にしか使わないのですけどね」


当夜「そんな貴重なのを今使っても良いのか?高いんじゃないのか?」


シャクラ「そ、そんなのダンジョンでの活力を増やすのと、そ、その折角当夜が、わ、私の料理を食べてくれるんだから、ちょっとでも美味しく食べて貰いたいんだもん」


 当夜は涙を流していた。今まで手料理を振る舞ってくれるような女性がいなかったのだ。デートでの食事は大抵ファミレスとか、ちょっとしたレストランや居酒屋ばかりだった。たまに回らないお寿司屋さんだった。

 愛情の籠もった、自分の為に作ってくれた料理を食べた事が無かった。

 当夜は跪いてシャクラのお腹に抱きついて泣いた

 真っ赤になった包丁を持ったままのシャクラがオロオロして


シャクラ「ちょっと、な、何よ当夜。私、何か言った?そ、それとこそばゆいし恥ずかしいよ」


 当夜は涙を拭いながら立ち上がり


当夜「ご、ごめんな。う、嬉しくて、俺なんかの為にこんなに良くしてくれて嬉しいんだ。出来たら二人には今の事は内緒にしてくれると嬉しいな」


シャクラ「そ、そんな大した事無いのに当夜は大袈裟ね。じゃ、じゃあ夜のあれ、今日もやってよ」


当夜「うん、そんな事位しか出来ないけどそんなんで良ければ幾らでも」


 そう言い少し肩を揉んであげる当夜である。


 朝食が出来たので皆を起こし、今日も美味しく朝食をシャクラとルナにあーんされている。


 当夜はふと思う。『あれ?なしてルナもあーんに加わったんだ?』


 少し時は戻り、当夜が、シャクラのお腹で泣いている頃だ。ルナがアモネス、レグナスに


ルナ「あのですね、今朝の当夜様へのあーん当番を私にもさせて頂けませんか?」


 ルナの申し入れに戸惑いつつも喜んで受け入れ、二人はルナの変化に感動して抱きついていた。


アモネス「じゃあ、姉様はシャクラとの当番で行きましょう!」


レグナス「えっとね、たまに少し咀嚼したのを口移しであげてくださいね!」


ルナ「畏まりました。口移しですね」


 真に受けるルナを二人はにやけた目で見ていたのだが、ルナは気がついていなかったのだ。


 また時間が変わり元の時間に。

 そしてルナとシャクラがあーんしていると、ルナが突然当夜に口づけをして、口移しで食べさせ始めたのだ。アモネス、レグナスはドヤ顔で、シャクラは真っ赤になりながら震えている。シャクラも負けじと口移しで食べさせ始めたのだ。


 当夜はアモネスとレグナスがけしかけたんだと二人のニヤケ顔から判断して、


当夜「二人共、口移しをしなくても俺はちゃんと噛めるから、恥ずかしいからもうやめてね。無理ならもう味を感じないけど自分で食べるから」


 そんな当夜の言葉にアモネスとレグナスは、はっとなり黙って俯くのだ。


 朝食の後の方付けの時に二人は当夜に謝罪をした。当夜は、頭を撫でて話を終わらせた。


 そして緊張感のない彼らは16階層へ降りて行く。


 この場所も岩がゴツゴツしているザッツ!ダンジョンだ。

 違いは分岐の数が多くなり、行き止まりで引き返す事が多くなってきた。

 魔物はウサギの凶暴なのやら子猫が凶暴になったのやら、見た目が可愛らしいが、体長60−100cm位のが、時折出る感じだ。ホーンラビットも出てきた。

 マッピングの精度が高いのでどんどん地図が出来上がっていく。

 運がいいのか悪いのか、全ての通路を行き尽くし、最後の通路を進んでいくと階段が見えてきた。

 19階層まで同じような状況で時折ルナと当夜が戦闘を控え、アモネス達に経験を積ませる意味もあり戦わせていた。

 元々3人で冒険を始めようとしていただけあり、問題なく戦っている。


 そして19階層の終点、つまり階段に来ていた。時間は、夕方に差し掛かろうという頃合いだ。


 恐らく20階層はボス部屋のみだ。小休止し階段を降りていく。

 このフロアは当夜が戦う事にした。一応剣を装備している。武器屋で買った日本刀だ。何故あるのかは分からないが、レイピアとして売っていたっけ。

 ご丁寧に脇差も女性用のレイピア扱いだった。


 二刀流が出来るかわからないが、脇差を差して、日本刀を構える。


 そして20階層のボスと対峙する。

 当夜は突っ込みを入れる


 当夜「バルタン星人かよ!?」


 蟹が二足歩行している感じだ。はっきり言ってキモイ。

 女性陣にはやらせたくないと感じた。

 背丈は2m位。腕が2本あり、手が蟹ハサミだ。


 当夜は剣で切り結ぶがあっさりハサミで防がれる。

 当夜は考える。恐らくレベルがかなり上がっているはずだ。ステータスも上がっているはずだが、剣は素人だ。剣道を多少かじった程度だ。それも中学1年の時に部活で少しやっていたが、一度手首を骨折してから親に禁止されて退部した程度だった。


 当夜の近接戦闘は、ほぼステータス頼みだ。

 剣技がないので大振りだったりする。


 しかしハサミで受け止められるが、こちらの方が早い。足や胴を狙いフェイントを入れる。段々手傷を負わせて行き、遂にハサミを切り落とした。

 そこからは一方的だ。胸に剣を突き立て、脇差で首を跳ねた。胸に刺した剣は引き抜けず折れたから脇差を使った。


 ドロップを残して消えていった。

 出てきたのは刀が1本と杖が2本だ。それと魔石。

 当夜の武器とシャクラとアモネスに向けの軽量な魔法の補助具を担う杖だ。

 どれもオリハルコン製だ


 アモネスがきつい口調で問う


アモネス「ねえ当夜、何故魔法を使わなかったの?何度か蹴られていたけど、当夜の魔法ならもっと楽に行けたと思うのだけど」


当夜「ああその事か。ここ魔法使えないぞ」


 皆試しに魔法を唱えるが出ない


 魔法禁止エリアだったのだ。

 そしてこの階層のボスを倒すと普段と違う事が起こった。今までと違い、元々この部屋には入り口の扉しかない。


 そうしていると新たな扉が発光現象と共に開いたのだ。


 レグナスが扉を開けようとするも反応がない。


 シャクラも駄目だ。

 当夜が行くと反応が有った。

 当夜が扉に触れると当夜だけ吸い込まれたのだ。


 あっという間で皆が悲鳴を上げていた。


アモネス「いやああー」


 そしてアモネスが手を伸ばすも、当夜に届く直前にその姿が見えなくなった。

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