マッピング
今日は11階層からのスタートだ。階段を降りていくと11階層が見えてきたが、やはり洞窟だ。少し広くなった気がする位だが、今までなかった分岐路が有った。
マッピングを行う係が必要だった。
当夜「誰かマッピング出来たりしないか?」
当夜の問いかけに遠慮しがちにアモネスが手を上げる。
アモネスはまだあどけなさを残すとはいえかなりの美人なのだが、何故か自分に自信が無いようで、オドオドしている事が多い。それとも遠慮しがちなのだろうか。三人だけの時は饒舌なのだ。そのように当夜は思っているのだが、単にうぶな乙女なだけだった。当夜に見つめられると恥ずかしいので遠慮しているだけなのだ。中々いじらしい娘だったりする。
時折止まってはアモネスが手帳にダンジョンのマップを追記している。中々良く記載しており、アモネスのお陰で構造がわかり易かった。
今進んでいるのはどうやら内側に、中心に向かってカーブしており、蚊取り線香の中央部に向かっている感じだった。傾斜は無いので平面的な移動だ。もう少しで中央部だが、今まで魔物が一匹も出ていない。中央部の所に辿り着くが、中心部にあると思われる空間に入るのに必要な入り口がない。マップからはこの先に直径数m位の空間があると思われる。
皆で壁を確認しているとシャクラが、「あっ!」と叫ぶと何かポチったようだった。
そうすると壁が開き出した。
警戒しながらそこに向かうと下に降りる階段があった。
最初の分岐路が気になりはしたが、12階層に降りていく。降りるといきなりだだっ広い空間だったが、異変があった。後戻りできなくなった上に、転移石がない。
そして多くの魔物の気配がするのだ。どうやらモンスター部屋に来てしまったようだ。迂闊だった。
いきなり一斉に襲いかかられた。当夜達の戦い方は基本的にルナがアタッカー、レグナスが当夜の護衛、アモネス、シャクラはレグナスの援護だ。レグナスは己の事より当夜を優先する。当夜は基本的に剣がちゃんと使えない。ステータスが高い為剣を扱っているが、力任せだ。その為、ある程度強い相手からの接近戦は極端に弱い。
当夜の戦いは魔法である。それも初級魔法が多い。但し普通の初級魔法と違い威力が違う。初級魔法を多用するのは単に上位魔法を知らないからだった。
来た道を背にしてとにかくアイスボールやファイヤーボールを投射しまくった。
ルナはかなり奥まで斬り込んでいて薄暗い為姿が辛うじて見える感じだ。当夜の周りも当夜の魔法を掻い潜った魔物が時折来るが、三人の連携の前に当夜には指一本触れささないと気合が入っていた。近くに来たやつはオークのようだった。
暫くするとルナが戻ってきた。
大半を討ち取ったようだがまだいるのが分かる。三人に魔石等のドロップの回収をお願いして魔物の気配がする方向に特大のファイヤーボールを撃ちまくっていく。
暫くするとファイヤーボールが当たった爆裂音がしだして、シャクラ達の動く音以外聞こえなくなった。そして先の方でゴゴゴゴと重い音と共に扉が開いた気配がした。一段落したので今いる場所を確認すると直径100m位の部屋だった。
出口付近は特に異変がなく、ルナを出口の見張りにして4人でひたすらドロップを回収する。魔石が200個位あり驚いたのであった。中央に宝箱があり、静止する間もなくシャクラが開けてしまった。中には一本の剣が入っていた。軽量なブロードソードだ。
シャクラがレグナスに渡すと受け取ったレグナスがワナワナと震え出した。
レグナス「こ、これオリハルコンですよ!」
当夜はキョトンとした。レグナスに説明して貰うと、おそらくこれ一本で1億はするだろうというのだ。軽量で強度も切れ味もとても強く、国宝級という。恐らく何かの付与効果もあると言う。鑑定士に確認してもらう必要があるが、レグナスの愛用の剣と刃渡りが一緒だ。ルナのとは違う。その為、当夜は
当夜「おっ!レグナスの剣にちょうど良さそうだな。レグナスが使おうね!」
レグナスは驚いていた。アモネスもシャクラも同意している。重さは殆ど柄の重さだ。刀剣は100gも無いので、おもちゃの剣の如く振り回せるのだ。
一通り回収を終わると、そこはもう一つの階段があった。11階のもう一方の分岐から来ると本来この通路に出たのであろう。
転位石もあり、改めてリスタートである。
12から14階は時折獣型やオーク、オークの上位種が出る位だった。
夕方になり15階のボス部屋に来ている。今日はボスを倒したら野営と当夜が宣言する。
ここのボスはシャクラ達三人がまずは真正面から戦う事となった。
一般の冒険者を想定しての検証の為だ。実力を確認する必要があるのだ。
ボスは頭が3つあるケルベロスみたいなのだがケルベロスよりは弱いはずだ。
基本的にレグナスが切り込み、シャクラが魔法で攻め、アモネスが追撃を行っていく。激しいぶつかり合いとなったが、次第にレグナスの剣が切り傷を負わせていき、遂に2頭を切り飛ばした。
二人の魔法ももろに入りフラフラとなったので、残る頭を切り落とし決着した。
出てきたのはルナに持たせるのに最適なロングソードだった。こちらはミスリルだ。オリハルコン程ではないが軽量で強度も高い。
ルナの剣は刃こぼれが激しく、レグナスが使っていた剣と交換かと考えていた所なので有難かった。
レグナス達の話だとボスの強さは中級冒険者で対応可能で、Ç級冒険者のパーティー位で大丈夫という。
野営の準備をして今日は休む事となった。皆疲れていた。食後は当夜が三人にマッサージをしてあげて、明日に備えて見張り以外は休むのであった。




