当夜の苦悩
当夜はそろそろ起きないとなと思いアモネスに声を掛ける事にしたのだ。
当夜「おはようアモネス。どうして君が俺の布団の中にいて背中にくっついているのかな?」
アモネス「おはようございます当夜様。お慕い申し上げている殿方の背中の温もりを感じたい、ただそれだけですが駄目でしたか?」
当夜は返事に窮した。今まで自分の周りにいた女共は、当夜に一夜の快楽を求め欲望を満たす行動しかしてくれなかった。
ただただセックスを求めてくる女ばかりで、当夜もそれを良しとしていた。正直、純粋に内面を好きになり求められた事が無い。女と付き合う=セックスと思い、セックス抜きのデートとかした事がない。ふと思うとアモネス達といる時のような充足感、ドキドキ感を感じた事がないのだ。女の扱いに慣れていると自負していたが、誤りだと気がついてしまった。好きだと言われればホテルに行ったり、自分の部屋で抱きとそんな感じだったのだ。ちゃんとした恋愛をした経験がないのだ。
だからアモネスの自分に対する、人として純粋に好いてくれる思いが嬉しくもあり、どう接したら良いのか分からなかった。
今までの自分なら既に裸にしてその体を貪り尽くしていただろうと、性欲のはけ口にのみして抱いていただろうと思い、そんな自分が恥ずかしかった。
当夜は思わずアモネスを抱きしめて力一杯ぎゅっとして
当夜「有難うアモネス。こんなクズを好きになってくれて。でもな俺はこんな体だ。君をこうやってぎゅっとするのが精一杯なんだ。それに俺はちゃんと女性と付き合った事がないんだ。女性にね、よく好きだと告白され、その日のうちに体の関係になっている、俺はそんな腐った奴なんだ。今の俺のこの体の状態はそんな俺に対する罰なんだ。だから俺なんかに恋心を抱くんじゃなく、君をちゃんと女性として扱える者を、ちゃんと子供を作れる人を好きになり、家庭を築くのが幸せと思うんだよ。勿論アモネスの好意は嬉しいし、こんな体じゃなかったらちゃんとお付き合いをし、結婚をたいと思うよ」
アモネスは何も言わずに当夜に軽くキスをして
アモネス「そんな優しい当夜様が好きなんです。生娘のまま歳老いる覚悟を既に決めています。当夜様の体の事を理解した上で決めた事なんです。私の決断を軽く思わないで欲しいんです。愛してしまったんです。あの、その、今のが私のファーストキスですからね!私を伴侶にするのは嫌ですか?」
当夜「本当に良いんだね?俺は君に自らの子供を抱かせてあげられない可能性が高いんだよ」
アモネス「はい。十分理解をしています。それにこの国じゃもう私は成人になっています。いつでも妻になれますのよ」
当夜「有難うアモネス。でもね、やっぱり他の男が良いと思ったら正直に言うんだよ。俺もアモネスの事は好きだよ」
アモネスは涙を流していた。
アモネス「そろそろお部屋に戻りますね。あの子達が起きる時間でしょうから」
そう言うとアモネスはそそくさと少し離れた部屋に戻り、二人が寝ている事を確認して布団に入り、唇の感触を思い出して大胆な事をしたと顔を真っ赤にしているのであった。
当夜はアモネスが部屋に戻って行ったのがちょっと残念に思えた。もう少し一緒に居たかったな、抱きしめたかったなと今までにない感情に戸惑っていたのだった。




