浴室で。。
私は、統合失調症という病気があります。
若い頃に発病し、長い間病気と向き合っています。
日々の生活の中で、不思議な体験をします。
自分の病気を見つめて、この小説を書きました。
これを読んでくれる人が、この病気のことを知ってもらえるといいなと思います。
時計は、0時20分を過ぎていた。
お腹の上では、マーロウが眠っている。
エアコンが、小さな音を立てている。
「眠っていたんだ」
夜は、ぼんやりとした頭で、部屋を見渡した。
眠りに落ちる前と、何も変わってない。
壁掛け時計の秒針が、音を立てているだけで、部屋は静かだ。
夜は起き上がり、マーロウを床に下ろした。
バスルームに行き、お湯の蛇口を捻った。
温かいお湯が、蒸気と共に出てきて、バスタブに溜まる。
暫く、その様子を見ていたが、夜は着替えを取りに戻った。
湯気で曇ったバスルームの中で、足を伸ばしてバスタブに浸かると、温かいお湯が気持ち良かった。
沈み込んで肩まで浸かると、体が冷たく感じて、冷えているのだとわかる。
さっきの夢が気になった。
あの夢は何だろう?
あの家は、何時も通る沼の一軒家なのだろうか?
夜は、夢を確かめたかった。
でも、確かめるのが怖かった。
大体、何も知らない人の家なのだ。
「どうかしている」
もう一度、顔までお湯に浸かった。
「考えるのはやめよう」
そう思って、湯船から出た。
主人公も、病気にかかっている女性も、私のある一面を描いています。
私の病気は、患者1人1人違います。
この小説は、ある精神病の人に起こった出来事を、こんな出会いがあったらいいなと思い、願いを込めて書きました。