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転生魔導師奇譚  作者: Hardly working
第一章
35/47

Vol:33 転生魔導師パーティと装備

諸事情でフライング投稿です



登場人物紹介

リズ(リーゼリット) - 主人公。天才的な魔導師が自ら転生した、金髪黒眼の美少女。装備品は魔改造された白のローブ、買ったけど使いどきを見失ったダガー他。


ニア - 装備品はリズから貰った初心者用の杖(超品質)、頭の大きさに合っていない帽子、他。


セナ - 装備品は安値で買ったブロードソード、レザーアーマー、他


ナーシャ - 装備品は武器屋で買った弓、ショートソード、レザーアーマー、他

 食事を終え、店を出た私たちは商業地区の方へ戻った。

 目的は装備一新だ。



 ということで、まず武器屋に来た。


「あたしの剣は外の樽にあったのを適当に買っただけなんだよね」


 というセナのブロードソードは、毎日メンテナンスをしていても粗が目立つようだ。


「いっそオーダーメイドとかにしようかな?」

「いや、すごくお金と時間がかかるからやめておいた方がいいんじゃないかな。私たちまだCランクだし」


 セナはナーシャにそう諭され、名残惜しそうな顔をしつつも渋々納得した。


 店員ともいろいろと相談し、小金貨7枚もするゼネシアル鋼のブロードソードを購入した。

 ゼネシアル鋼とは、亡国ゼネシアに伝わる特徴的な紋様のある鋼鉄で、剣にすれば刃毀(はこぼ)れし難い硬さなのに(しな)やか。錆びることがないという金属だ。特殊な製法によって作られるらしく、鋼鉄の制作方法や加工方法すら秘匿されており、この値段はそこからくるものとなっているらしい。これでも良心的かつだいぶお安い方だろうね。


 さすが貿易中心地の商店といったところだろうか。


 ナーシャの弓も見繕った。体の成長につれて少し小さく感じていたらしい。

 ナーシャの弓はこれまた小金貨5枚、樹木の魔物であるトレントから採取された木材が用いられていて、魔力の伝達効率がとても良いものになっている。私と(一応)ニアの戦いぶりから魔法矢に興味が出始めたらしく、おあつらえ向きのものが見つかったようだ。


「リズ、魔法矢の使い方ってわかったり…」

「わかるよ」

「本当!?今度教えて!」

「ねぇナーシャ、なんで私には聞かないの?」

「あとは矢も補充しておかないとね」

「あれ無視?」


 無視されてスンスンと言っているニアを引っ張り、次に立ち寄ったのは防具屋である。

 セナとナーシャは防具がキツくなってきたということで、レザーアーマーを一新した。

 セナの方は一部に鉄板があてがわれ、防御性能を上げたものにしたようだ。


「やっぱちょっと重いか…ま、慣れだよな」


 とのことで、しばらく強めの魔物と戦うような依頼は受けない方がいいかもしれない。



 続いて、魔道具屋にも立ち寄った。

 こちらの魔道具屋は大都市の中にある事もあってか、アイリーンのところとは違いとてもきれいな外観をしている。

 店主はおばあさんだった。そこも逆なのか。


「これと同じようなものってありますか?」


 ニアが店主に問う。彼女の言うこれとは帽子のことだ。

 成長するからと大きいのを買ったはいいものの、大きすぎて邪魔になっていたあれである。

 しかし


「うーん、お嬢ちゃんの頭の大きさに合う帽子は無いかもしれないわねぇ」


 待っていたのは残酷な結末だった。


「ああ、でもそれをあなたに合わせて直すくらいならできるわ。ちょっと料金をいただくけれど、どうかしら?」


 が、希望はあったようだ。


「お願いします!」


 かくしてニアの帽子は、彼女の頭の大きさに合うよう直された。




 一方、ニアが帽子をについて店主と話している間、私は店内を物色していた。

 ふーん、品揃えは良い。私には無用だけど…。


「そういえばリズって杖を持ってないよな」


 暇つぶしがてらに私といろいろ見ていたセナが言った。


「そうね。あまり必要がないというのが大きいけど、私に合う杖がないというのもあるから」

「必要がないなんてことはなかろう?あなたに合う杖を見繕ってやろうか?」


 その言葉に振り向くと、見知らぬ老婆が立っていた。

 いや、見覚えがある…?前世の記憶で見たことがある気がする。が、わからない。


「どちらさま?」

「店主の友人の老魔女とでも思っとくれ。で、杖を見繕ってやろうか?どうする?」

「必要ないわ。邪魔なだけよ」

「そう言わずに、どうじゃ?」


 しつこいなこの婆さん…。

 そしたら、無理難題でも吹っ掛けてみるか。


「それなら種別はスタッフ、柄の素材は魔力誘導性98以上、核となる魔石は魔力増幅、効率上昇、負荷軽減それぞれが48以上、純度100%のものを要求するわ。」

「……ふふふ、柄はユグドラシルに核はブラックドラゴンの物以上の魔石?少しは知ってるみたいだが、私を馬鹿にするんじゃないよ。そんなものを使えるのはヴィエナス王国の宮廷魔導士ぐらいだ。」

「そういうことよ。だから必要ないわ。」


 私がそういうと、婆さんはゲラゲラと笑い出した。

 店主がそれに気づき、こちらに来る。


「マリア、それ以上うちのお客さんを困らせないで頂戴。」

「いやなに、肝の座った子だったからね。逆に私の方が少し困らされてしまったよ。ああ、頼まれたものは裏に置いておいたからね。私は帰るよ。」


 と、それ以上突っかかってくることもなく彼女はそそくさと店を後にした。

 何だったんだろう…。

ゼネシアル鋼はウーツ鋼/ダマスカス鋼と同じ物と考えていただければ。ロストテクノロジーではなくひっそりと受け継がれています。


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