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八杯目 アリシアの過去話

魔王はホワイトタイガーですモフモフです!!

スタミナ煮込みの翌朝、目の下に隈が出ているゾーラにアイリスが魔王城のリビングルームでお説教を受けていた

『アイリス! いい!? 魔王城はラブリーなホテルじゃ無いんです!! 二度としないでくださいっ!! 魔王様も居るんですよ!!』 『いや……だって帰って来なかったから……』アイリスが言い訳をしている 『おい……ゾーラ……ラブリーなホテルとはなんだ?』 魔王が不思議そうに聞くと、ゾーラは顔を赤くして言った 『まっ……魔王様にはまだ早いです! アリシア!! マママママママママ……魔王様を連れ出してくだしゃい!!』 「はい、畏まりました……魔王様、お散歩に参りましょう……」 アリシアは魔王を連れて外出した

『……さて……アイリス!! 何処に行くんですか!!』こっそりアリシアと共に出ようとしたアイリスにゾーラは怒鳴った 『ち……ちょっとコンビニに行ってこようかなって思って……』 脂汗だらだらでアイリスは答えた 『訳の解らない言い訳しないでください!!』




――――魔王城庭園―――

一方その頃〜魔王とアリシアは

『アリシアよ……ラブリーなホテルとはなんだ?』 好奇心は猫をも殺すという、ことわざ通りならば魔王の天敵は多分ミミックだ

「恐らく、お城の様な宿泊施設の事を仰っているのではないかと存じ上げます」 平然とアリシアはピュアな魔王に言った 『そうなのか? ならば我が城は宿ではないが、一晩ぐらいならば泊まっても良い城に間違いないな……ラブリーとは言い難いが……アリシアは行ったこと有るのか?』 子犬の様に純粋にアリシアに訪ねるモフモフ魔王にアリシアは 「以前にメイドの派遣社員の様な仕事をしておりまして、清掃に訪れた事がございます」 と答えた、魔王は疑問に思った【メイドの派遣社員? ふむ……そういえば我は……恐らくゾーラも、アリシアの過去をしらぬな……いや……ゾーラならば知っているやもしれぬ……なにやら昨晩……夜中に出かけて帰って来た様だが……よもや我に隠れて……ケーキバイキングとやらに!? ともかくゾーラに聞いてみるか……後、アリシアはケーキを作れるのであろうか……】 魔王はちょっと幼稚だ




―魔王城リビングルーム―

『も〜ゾーラちゃん〜そんなに怒っちゃヤーヨ♪』『……は?』アイリスにゾーラはマジギレしている 『ゾラちゃんキレちゃってぇ〜〜もう触っちゃう! つーんつん♪ つぅーんつん!! つんつんつんつん〜つーーん!!』 ゾーラはアイリスを石化した、魔王城にはインプの石像が3つ有る 『本当に……このままじゃ……インプの石像を売ってる店に間違えられますよ……発注が来たらどうしましょう……サキュバスの石像くださいとか言われても困りますよ……もう』悲観的にゾーラは考えるが、インプ像は飾りに良いかもしれない 『ゾーラよ!』 魔王がゾーラに聞きに来た 『な……何ですか? 魔王様……』 『泣いているのか!? ゾーラ!?』魔王は心配している、魔王は一部の魔物の間ではペットにしたい魔物ランキングで堂々の第一位に輝いているのを魔王は知らない 『いえ……アイリスの石像で勘違いされて石像の発注が来たらどうしょうかと考えていたら……涙が出ただけです……』

『そうか……聞きたい事があったのだが……後の方が良いか?』 魔王が配慮する、まるで魔王という名の犬のようである(ネコ科) 『大丈夫ですよ? 聞きたい事とは何ですか?』 『いや、アリシアの事なのだが……我はアリシアの過去を知らぬのだが……アリシアと仲の良さそうなゾーラならば何か知っているのではと思ってな? アリシアにラブリーなホテルとはなんだ? と聞いたのだが……』この辺りを聞いたゾーラは『ヴエエエ!?』 と驚いた 『以前にメイドの派遣会社の様な職場で派遣社員をやっていたとアリシアが言っておったのだが……』ゾーラは混乱している 『な……なにそれ聞いてませんよ……え? ふぇ?』 『それで仕事で行ったとアリシアが……』 ゾーラが近くで平常に平淡な様子で立っているアリシアに詰め寄る『ア……アリシア!? 行ったって!? 本当に!? 誰と!?』 「行った事に間違いはございませんが、清掃の仕事としてですが……確か…

…私だけですね、私だけで事足りますので」 しれっとアリシアは答えたが、ゾーラは、ほっと(平滑な)胸を撫で下ろす 『びっくりしまいましたよ……まったく……魔王様! 主語が抜けてましたよ!!』 『な……何を躍起に成っておるのだゾーラよ……』魔王はちんぷんかんぷんだ 『そういえば確かに……私もアリシアの過去を知りません……』 「私の過去ですか?」 『いや、ゾーラよ……アリシアの意思もある! 詮索されて嫌な過去も有るだろう!?』 稀に無神経な時も有るが気配りが出来る魔王が聞きたいが気が引ける 「構いませんよ? 私の過去ですね、多少長くなってしまわれるかもしれませんがよろしければ……」 『聞きたいです!』 『是非とも聞いてみたいな……』


「はい、ではお話致します……」






――アリシアの過去話――

「私は造られた存在です」という前口上と共にアリシアは語り出す……Lyre Birdの様に声帯模写を使い完全再現の声を有効活用して

「私は様々な手法により造られた人造生体の最終生産個体です」 『想像以上に衝撃的な事実ですね!?』 「そうでしょうか? 造られたと言いましても、試作個体の記憶を引き継いでいますので、初期個体からの記憶では……命令違反をしたこともございます」 『アリシアが……命令違反等とは考えられんな……』『今は体がバラバラに成っても命令を遂行しそうですよね……』 「私が以前に勤めていた職場は私の様な人工生命体以外に通常の人間も働く職場なのですが、命じられるままに命令を遂行する仕事です」 『具体的には……どんな仕事をしたり命令違反したりしたのですか……』 「まずは清掃ですね、清掃と言いましてもゴミや汚れ以外にも有りまして……お話しても宜しいでしょうか?」 『ち……ちょっと魔王様には聞かせられない様な内容な気がしますね……』 『何故だ!?』 「か……金か!? 金が欲しいのか!? 幾らでも払う!! だから命だけは!! ……という喋るゴミ掃除

ですね」 『ああああ……やっぱりいい魔王様には刺激的な内容ぅぇぇ』 「それから……初めての命令違反ですが……王家の人間を排除しろ、という御命令でしたが他の同僚が命令を遂行中、私は娘を1人外に逃がしていまして、異世界送受信装置を罰として没収され、改良型に作り替えられました」 『異世界送受信装置って何ですか?』 「異世界送受信装置は様々な知識を得る事ができます、ギリシャ神話や北欧神話の情報等や娯楽知識を得られますが今の完成型の私ならば再び作る事は恐らく可能です」 『アリシアの改良型って何が変わったんですか!?』 「そうですね……余計な感情の抑制ですかね、表情も含めて私は様々な改良と改造を繰り返して今に至りますが、私の完成と共に私の意思で派遣会社を辞めましたが、それからしばらくして派遣会社は倒産しました」 『え……ちょっと待って……あのそれは……アリシアには表に出ないだけで……感情は有るんですね!?』 「有りますよ? ……完璧を目指して造ら

れた完成版が今の私ですので……ですが……」 『な……なんだ!? まだ何か有るのか!?』 「其れ故に生物として、外見だけが人間ですが生物としては不完全です」 『うん、あのねアリシア、人間はねアリシアみたいにエルフに引けを取らない金髪碧眼で人形みたいに美しい整った見た目してないんですよ?』 「そうですか?」 『確かにアリシアは危険だぞ……美しき女が女神に眼をつけられ嫉妬されてモンスターに変えられるという伝承もあるのだぞ……』 「確か……ゾーラ様はゴルゴンでございましたね?」 『え……まぁ……ゴルゴーン族ですよ?』 「ゴルゴン三姉妹はギリシャ神話で、ポセイドンとアテナ神殿をラブリーなホテル代わりに使った妹が魔物に変えられ抗議をした姉達も帰られた逸話と自らを神よりも美しいと豪語したということで姿を変えられた話等がございますね」 『詳しすぎですよ……アリシアは……』 『ふむ……それでアリシアの前職は他に何をしたのだ?』 怪訝な顔でゾー

ラは魔王に聞く『嫌な予感しかしないのですが……聞くんですか?』 「そうですね……運び屋や拉致や……暗殺に……傭兵としての仕事や……コックやパティシエもやりましたね……後は子守り等のベビーシッターからペットの面倒……後は……大量殺……」 『ストップ!! スターップ!! アリシア! わかりましたから!! 途中から合法的になりましたけど最後が明らかにヤバそうなヤツを言いかけたのはわかりましたから!! これ以上は……ああ!? 魔王様がショックで幼児退行してますよ!!』 『みゃー!! ママー!』 『誰ですか!? アリシアを製造者は!!』 「千枝博士です」 『そのマッドサイエンティストのドクターチェダーに苦情が言いたいですよ!!』 『マーマ〜』 「はいはい……アリシアママですよ……」 アリシアは魔王を抱き寄せた『ママ〜我……ケーキ食べたい〜』 『魔王様をあやさないでください!! って……いつもとそんなに変わら

ないですね……』 「カウンセラー経験もございますので、それほど心配は要りませんが、少々ベビーシッターの復習を行っても宜しいでしょうか?」 『駄目です!! 直ぐに戻してください!!』


ゾーラが勧誘したメイドのアリシアはどうやらター○ネーチャンどころか生物兵器だったのです……

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