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七杯目 ゴルゴンゾーラは眠れない

ピクニックを楽しみ至福の表情で詠を送り届け帰路に着く魔王と意気消沈のゾーラ、そして体力の底知れぬ寡黙なアリシアは魔王城へと歩みを進めていた、帰りにまた人食い鬼が出たがアリシアを見るなり青鬼に成って仕舞い、命乞いまでして来たのでアリシアが魔王様の配下に成れと機転を利かせて配下を作って帰った、転移魔方陣で大陸間の移動は楽なのだ





――――魔王城―――――


『いやっほぅ〜豪遊じゃあ〜い』インプのアイリス(♂)が淫婦のチャンネー達とパーティーしていた

『うへへへ♪ もふ王の2日続けて居ないチャンスだぁい楽しむぜぇ〜ヒャッハー!! おいそこの! 近うよれ……モフ王が帰らないからやりたい放題騒げるんだからな〜』だが呼んだのはゾーラである 『ん? なんだ、ちっちぇえな……いいやペッタンコは向こう行ってこい……お〜い! そこのセクシー淫婦ちゃーん』アイリスは気付いて無い 『覚悟はいいですか? アイリス……』ゾーラはサングラスを外した 『キャアアア!?』 淫婦達は石に成ったアイリスに驚き叫んだ 『アリシア、インプの女の子全員追い返して』 「はい畏まりました、では皆様方解散でございます」 アリシアが手早く誘導し、淫婦達は帰って行った 『な……なんだ!? 何か有ったのか!?』 魔王が遅れてパーティー会場に入って来ようとする 『ま……魔王様にはまだ早すぎます!! アリシア! お願い……片付けておいてください!! ささっ、魔王様此方へ……』 「承り

ました」 アリシアは何時もと変わらず掃除をして片付ける、アイリスの石像はとりあえず廊下に出した




―――魔王の部屋――――

『魔王様少しの間……少なくとも私が呼ぶまでじっとしていてください!!』 切迫したゾーラは魔王に言う 『何があったのだ!? 後、我は犬ではないぞ!!』 大型犬のような魔王が言ったところでこの状況下のゾーラは驚くはずもない 『わかりましたから……ちょ……ちょっと大人しくしててくださいっ!』 ゾーラはアリシアの元へ駆け足で向かった 『キューン……』 魔王は犬のようになった




――パーティー部屋―――

『アリシアァァ! 掃除の具合……は』息を切らしてゾーラが駆け込んできた 「はい、もうすぐ片付けが済みます、もうしばらく御待ちくださいませ」 冷静沈着にアリシアは答えた 『そ……そう……それはヒゥー……良かった……ゼーヒューゼェーヒュー……です……』 ゾーラは倒れた 「ゾーラ様? ……失礼致します……」 アリシアはゾーラの体調をチェックしている 「貧血ですね」 アリシアはゾーラを抱き抱え医務室へと向かった





――――魔王の部屋―――

魔王は隠してあった兎のぬいぐるみを抱き締めていた 『ゾーラの奴……どうしたというのだ……我は子供ではないぞ……』 コンコンとノックの後、間髪を容れずに扉が開いた 「失礼します、魔王様」 『うわあああうわあああうわあああ!!』 魔王はぬいぐるみを慌てて隠した 『なゲホ……なんだ……オェッ……アリシアよ……ハアハア……どうしたのだ?』 「お楽しみの所、申し訳ありませんが、ゾーラ様が倒れてしまわれました」 アリシアの言葉の後魔王がアリシアに詰め寄り聞く 『ゾーラが倒れただと!? どういう事だ!?』 「はい、貧血の様です、今は医務室にて安静にご休憩なされていますが、まだ意識が回復しておりません」 魔王はアリシアの言葉を聞き医務室へ急いだ



―――魔王城医務室―――

『ハッ!? ここはゾーラ!? 私は医務室!! って……何言ってるんですか私は……』 『ゾーラ!! 大丈夫か!!』 魔王が駆け込みやってきた 『魔王様!? 魔王様が運んでくださったんですか?』 『いやアリシアが運んだのだ……』 『そうですか……アリシアが……』 『一体どうしたのだ? 貧血などと……』魔王が心配する、こういう性格の上司や先生は人気が有ること間違い無しである

『それもこれも……アイリスの所為です!!』 その時ノックが聞こえ「失礼します、貧血に効くお料理をお持ちいたしました」 とアリシアがレバーとホウレン草と韮の他様々な具材が入った煮込み料理を持って入って来た 『アリシア……ありがとう運んでくれて……ところでそれ、食べても大丈夫なヤツよね!?』 色々な食材が煮込まれた料理にゾーラはアリシアに聞いた 「はい、問題ありませんが……熱いのは苦手でございましたか?」 スタミナ料理間違い無しな料理を持ち平静に回答するアリシア 『に……臭いがきつすぎるぞ……』 魔王が鼻をもぐ動作をする、まるで猫だが魔王はネコ科だ 『で……でも折角アリシアが作ってくれた料理だから……いただきます……』 ゾーラはアリシア特製スタミナ煮込み料理を食べた 『もつ入り……美味しい……肉だけじゃなくて野菜も入っていて……匂いも逆に食欲をそそって来ますよこれ……』



―――夜ゾーラの部屋――

『ハァーッハァハァ……うぇぇ……アリシア特製っハァハァ……スタミナ煮込みの所為で……うう……ああああ……』 元気に成りすぎて眠れないゾーラである 『もう!! 眠れない!!』

ゾーラは散歩に出かける事にした


――――魔王城庭園―――

『すっかり……夜ですね……うう〜なんだか……体を動かしたく成って……スタミナ煮込み効きすぎです……』魔王城庭園の道を独り言を愚痴りながら歩いて行く、行き先も決めずに宛もなく


――――夜間の街道―――


夜間の外出は夜行性の凶悪な魔獣が跋扈し、魔王の威光が届く事無く見境無く襲う魔獣は襲われれば忽ち教会に送られる事無く命を落とす為に余程の手練れで無ければ出歩くのは至難である


『遂に此所まで来てしまいましたよ……まだ効果が続いて……食べる時間帯って本当に大事ですね……ハァ……』 ゾーラは思った【夜の散歩は色々危険だけど……私位のモンスターになると魔獣も寄って来ないから安心ですね……】と明らかにフラグ染みた考えをしていた

「誰だ!!」 声を張り上げたのは衛兵でした 『な……ヤバい……私そのまま出てきちゃった……』 素っぴんで出かけたら人に出会った女子的台詞を吐いたゾーラ、部屋着のチュニックで出歩き、その頭には蛇が蠢いて眼はスタミナ煮込みの所為で赤々とギラギラ光りを放っている……そして血が滾る様に火照るその姿(スタミナ煮込みの所為) 暗がりで出会えばマジで恐い事間違い無しな状況です 「誰だと言っているんだ!! こっちへ来て姿を見せろ!!」 『だ……ダメです! い……今は……ハァハァそのグッ……人に見せられる様な……んん……格好はしてないので……その……ウグッ』 今すぐにでもフルマラソンしたい位に溢れるエネルギーを必死で堪える様と試みるゾーラ、だがゾーラは運が悪い事に雲が避け月明かりに照らされたのである……

「で……出やがったな!! 化け物!!」 衛兵は運悪く短い武器が好みでハルパーを持っていたのだ……そして几帳面な性格で鎧はピカピカだ……石化に眼を使えば自分が石に成ってしまう 『私はもう此所までです……アリシア……魔王様と御城をよろしくおねがいします……』 「喰らいやがれ!! 経験値にしてレベルアップしてやる!!」 ワォーン!! と突如犬の吠える声が聞こえた 「な……なんだ!? まさか!!」 『クー……』ヴォン!! と2回目の咆哮が響く……「不味い!! こんなに早く次の咆哮が!? さっさと化け物を退治して宿を探さねば!! グェ……」 バウワウ!! 三回目の咆哮と共に衛兵は倒れた 「ゾーラ様、ご無事ですか?」 大きな緑っぽいワンコの後にアリシアが現れた 『アリシア!? どうして此処に!?』ゾーラは驚いたがアリシアは平然と答えた 「いえ、夜分遅くにゾーラ様がお出かけいたしましたので臭いの後を追

って参りました」 『犬か!! って……犬と言えば……この緑っぽい犬は……』 「はい、もしもの時に備え番犬として手懐けておきました」 アリシアは緑っぽい犬を撫でた 『クー・シー!! それめっちゃ恐ろしい犬の妖精!! むしろ魔獣!!』 ゾーラはクー・シーを指差しアリシアに説明する 「クー・シーという犬種でございましょうか?」 『ち……違いますよ!!』 「とにもかくにも、夜間は危険でございます……」 アリシアはゾーラを抱えクー・シーに乗り、魔王城へと帰って行った


『帰っても私! スタミナ煮込みで眠れないんですけどーーー!!』


クー・シーは犬の妖精で妖精の番犬と言われています、クー・シーの三回目の咆哮が聞こえるとoutです。

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