一杯目 魔王城のメイド・オブ・オール・ワーク
前から考えていた話ですが……人外娘などの魔物娘や妖怪娘、そして獣人娘と異形娘……良いですよね……英国メイド服のメイドさんも好きなんですよね……もう魔王城でメイドさん働かせるしかないですよね〜
英国的メイド服をその身に纏い、王都へと歩を進める金色の頭髪と蒼い宝石の様な瞳をしたエルフの様な美貌とすらりとしたスタイルの一人の美少女……アリシア(Alicia) 王都へ向かうその理由は、王城で働く事であるだが、働き手を募集する掲示板にはアリシアが王城へ雇われる為に行った事を知った……曾ての同僚のメイド達によって、王城の仕事枠を横取りされていたのだ。
「困りましたね……王城の奉公人募集が締め切られてますね……」 アリシアがその場を離れた時である 『プシッ!! プシッ!! HEY! ちょっと……もしもーしそこのメイドさん〜?』 「ん? 誰ですか?」 そっと姿を表したのは、頭に蛇が髪の毛の様に生えた魔物である 『こんにちはーメイドさん……私はゾーラって言います……あの、勤め口を探してます〜?』 アリシアは頷いた、アリシアは恐怖を感じる事はない 「はい、お城で働こうと思ったのですが仕事の張り紙がありませんでした」 それを聞いて嬉しそうに魔物は言った 『それでは!! 魔王城で働きませんか!?』 「魔王城ですか? どうして魔王城への勧誘を魔族ではない私に?」 困り顔をした魔物は言います…… 『それが……魔王様に仕えるモンスターが不足してまして……勧誘をしなければならないのですが……中々受けてもらえないので……別にもう……やる気さえ有れば魔族以外でも良いかなぁ…
…と思いまして……受けてもらえないでしょうか?』 「はい、それはもう謹んでお受け致します、よろしくお願いいたします」 『ああ!! 待ってください……まずは職場の魔王様にご報告しますので此方に……』 魔王城へ移動中……
―――――魔王城――――
魔王城に向かうと魔王が直直にお出迎えして来ました
「よろしくお願いいたします、Aliciaと申します、この度は勧誘を受けまして是非とも御仕えさして頂きたいと思いまして……」
『ほう……来たか……歓迎するぞ! 我は魔おっ!? おい……ゾーラ!! ゾーーラ!!』 困惑の表情でゾーラは言った 『どうかいたしましたか? 魔王様?』 魔王がゾーラへ、ひそひそと話す 『おい、どうなっておるのだ? 人間では無いのか!? まさか人間を攫ったのか?』 慌ててゾーラは否定します 『違いますよ!! 働き口を探していた様子なので……勧誘したんですが……』 魔王は呆れて言いました 『お前な……魔王城で人間の女の子がマトモに働けると思うか? 怖がって狂うか、逃げ出すかするぞ?』 ゾーラは平然と言葉を返しました 『御言葉ですが……大丈夫だと思いますよ? 普通は私を見た時点で何かしらの反応を示すはずですけど……怖がる素振りすら一切無くずっとこの調子ですから』 魔王が見ると真顔のアリシアは動じず聞く 「あの……私は不採用でしょうか?」 アリシアへと向き直った魔王は試した 『ほう……
ではまず度量を見てやろう……』 アリシアへと拳を放つ魔王、勿論当たる前に寸止めをするつもりであったが、アリシアは拳を片手で平然とした表情で受け止めた
『なっ!? 片手で受け止めただと!? ……寸前で止めるつもりであったが…………』 これには流石のゾーラも魔王も困惑の様で魔王が聞いた 『お前……腕は大丈夫なのか!?』 平然とした表情を崩さぬままアリシアは動じる事無く言った 「はい、大丈夫ですよ? 骨は折れましたが其の内気にならなくなります」 ゾーラは怯え、魔王は驚いた 『ヒェッ……ま……魔王様……』 魔王は叫んだ 『おい!! 誰か回復魔法の扱える者は居らぬか!! ホフゴブリン!! ホフゴブリンだ!! 来てくれ!!』 魔王に呼ばれたホフゴブリン慌ててがやって来た 『HEY!! 何でございやしょう!! 魔王の旦那ァ』 魔王がホフゴブリンへ命令する 『この女に回復魔法を放つのだ!! 骨折させてしまった!!』 不思議がるホフゴブリンは命令に従い回復魔法を放ちアリシアを治療して言った 『これで大丈夫でしょうが……魔王の旦那ァ? 気
を付けてくだせぇ……』 『すまない怪我をさせるつもりは無かったのだが……』 魔王はアリシアに向き直り言った 『怪我をさせてすまなかった……詫びに何でも好きな願いを言うと良い……可能な限り叶えよう……財政が厳しく1つだけですまないが……』アリシアは凜と畏まり言った 「それでは、私を雇って頂けますでしょうか?」
これがアリシアと魔王の初めての出会いである
ゴルゴンのゾーラ……はい、ゴルゴンゾーラです、チーズです……駄洒落ですねすみません。