朝だと⁉
「ん、んん〜。あれ?」
「あっ、気がついたんだ。良かった」
俺は少女の膝の上に頭を乗せていた。
「不良どもは?」
「あいつらならあそこに転がってるよ」
周りを見渡すと不良がゴロゴロ転がっていた。
「えーっと、あれ全部君がやったの?」
「いやいや、こんなか弱い少女がそんなことできるわけないじゃん」
「だよね」
少女は笑っていた。だか、手や顔、服には血がたくさんついていた。凄いな…。何か忘れてる気が…。って脱出方法だ‼
「ねぇ、今何時?」
「え?5時だけど、どうしたの?」
やばい、5時だと⁈もう朝なのか。空は黒いままだから全然気づかなかった。
「俺は表の人間って言ったよな?」
「うん、言ったよ」
「それで俺は表の世界に戻らないといけないんだ。朝までに…」
と言っても、もう朝なんだが…
「もう朝だよ?」
「だからやばいんだ。もうすぐ俺を殺しに来るやつがいるんだ」
「何それ⁈面白そう!」
「面白くねぇよ…。死ぬんだぜ?」
自分にとって面白そうな話には相変わらず食いついてくる。
「そいつから逃げてるんでしょ?」
「いや、契約したんだよ。昨日殺されるはずだったんだが、明日に伸ばしてくれるって」
「それ、うそだよ」
「うそのわけないだろ?今俺は生きてるんだから」
この子は何言ってんのか…。契約は絶対って言ってたし…。
「契約したってのがうそなんだよ。どうやって契約したの?」
「握手しただけだけど…」
「やっぱりね。それを言った子の名前って伊調瑛子でしょ?」
「そ、そうだけど…」
何でこいつが知ってるんだ?俺とは公園で会ったのが初めてだったはずだろ?
「あの子うそつくの上手いからね〜。みんな騙されてたよ〜」
「知ってるのか?伊調瑛子を」
「うん、知ってるよ。同じクラスだから」
「同じクラス⁈」
まさかこいつが学校に行ってるなんて…。びっくりしてしまった。
「でも、最近は学校行ってないな〜」
「不登校児かよ⁈」
「だってぇ〜、学校って面白くない」
むすっとした顔で言った。
「お前、面白いことしか興味ないのか?」
「うん、そうだよ。例えば、このペン」
そう言ってペンを出した。特に見た目は普通のペンだった。太くも無く、何かがある感じはしなかった。
「キャップ取ってみてよ」
笑顔で言われた。まあ、どうせ普通なんだろ。そう思いキャップを取った。すると中はナイフになっていた。
「な、ナイフ⁈」
「どう、面白いでしょ?」
「ああ、面白いと言うより、凄いだな…」
「他にもあるよ。このシュシュは手錠みたいになるんだよ。強度もダイヤモンド並み、綺麗な黄色だよね」
髪からシュシュを外して、見せてくれた。どっからどう見ても黄色いシュシュなんだが…。
「手出して」
手を差し伸べると、ガチャッと手が固定された。
「おいおい、マジかよ⁈マジで手錠になった…」
「面白いでしょ?」
どうやらこの子は凄いものを集めるのが好きらしい。
「これ、取ってくれよ」
「自分でやってみたら?」
しょうがない、何とか自分で取ってみるか。近くにあった石にガチガチとぶつけてみた。結果は、傷一つつかない…。何度やっても結果は同じだった…。
「もう、限界だ…。取ってくれ」
「しょーがないな〜」
少女がシュシュを取ろうとしたとき
「やっと見つけた。手間かけさせないでよ」
「お前は伊調瑛子⁉」
声のした方をみると、伊調瑛子と数人の男、そしてとてもかっこいい女性が立っていた。




