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反転世界  作者:
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原因

「瑛子、よく思ったら今朝遅刻したの生徒会の奴じゃない!」

授業が終わるとすぐに風紀委員長が瑛子に言った。

「そうよ、それがどうしたの?」

瑛子の冷静の回答に風紀委員長は少し戸惑ったが、すぐに次の言葉を連ねた。

「生徒会なんだから、規則くらいはしっかりしてよ!」

そうだよな…。俺がもっとしっかりしないといけないよな。ってか、今日は俺のせいで遅れたわけだし。

「すまん、今日の遅刻は俺が寝坊したせいなんだ。だから、愛姫は悪くないから許してやってくれよ」

俺は二人の会話に割り込むように言った。

「何言ってるの?愛姫が遅れたのは愛姫本人のせいでしょ?」

まあ、確かに俺が起きるまで待っていた愛姫も少し悪いような気がしないわけでもない。でも、全般的に俺が悪い。

「愛姫は俺を待っていてくれたんだよ」

「そうだよ〜」

そこに愛姫が割り込んで来た。

「時間に間に合わないとなったら先に学校に来ていればいいでしょ?」

その通りです!でも、この愛姫にそんなに考える事ができないのです!

「そうよ、時間が間に合わないと思ったら、奏太をおいて学校に来れば良いのよ」

いつも俺をおいて行く瑛子が言った。瑛子にとっては普通の事なのだろう。

「だって、うちがそーくんと一緒に登校したいんだもん〜」

何で俺は愛姫と登校しなきゃいけないんだよ…。

「それは別に良いけど、時間はしっかりと守りなさいよ!」

そうだな、俺ももう少し早く起きればもっと余裕を持って学校に来れるのだから。

「だってぇ〜、そーくんが二度寝するんだもん〜」

だからそれは本当に悪かったって思ってるよ。本当にすみません!

「バカね、あなた」

風紀委員長は俺を鼻で笑うようにして言った。

「くっ、何も言えねぇ」

俺はつい口に出てしまった。

「何か言ったかしら?」

良かった、幸い小声だったので聞こえてないらしい。あれが聞こえていたらさらにバカにされるだろう。

「い、いや、何も言ってない…」

俺は作り笑いをしながら言った。

「そもそも、そーくんはうちが起こさないとほとんど起きないからダメなんだよ」

そんな事わかってる。お前は俺の事をそこまでバカにしたいのかよ。

「だから、悪かったって」

「いつも愛姫に起こしてもらわないと起きれないなんてお子様ね」

また鼻で笑うように言った。毎度毎度ムカつく奴だ。

「悪かったな!」

「でも、事実そうでしょ?」

くそっ、瑛子はどっちの味方なんだよ。少しくらい俺の味方をしてくれても良いのに…。

「住まわせてあげてるのに、雑用も全然やらないし、本当に使えないクズよね」

ついにクズまで言われた…。俺は精神的ダメージをかなり負った。あとライフは30/100。じゃ、なくて!マジでヘコむわ…。

「悪いな、クズで…。でも、俺は斬谷さんから何も言われないからしょうがないだろ?」

俺が瑛子に言った時、隣からとてつもない大きな声が聞こえた。

「も、も、もも、もしかして、い、い、いい、一緒に住んでるの⁈」

あっ、そう言えば他の人は誰も知らないのか。俺と愛姫が瑛子の家に住まわせてもらっている事を。

「そうだよ〜」

愛姫がのんびりと答えた。

「いろいろ事情があってな」

俺も愛姫に付け加えて言った。

「起こしてるって事は一緒の部屋に泊まっているとか?」

おいおい、大丈夫か?顔が赤くなって、目が回ってるぞ?

「大丈夫か?」

肩に手をかけながら言った。俺は心配したつもりで言ったが、変な風に取られられたらしい。

「ちょっ、ちょっと、触らないでよ変態!」

え?何で俺は変態になっているんだ?あいつの頭の中ではどんな事が行われて、その結果に辿り着いたんだ?

「そーくん、変態なの〜?」

愛姫、今はマジでやめてくれ。いろいろとややこしくなって、さらに変に誤解される。

「違う!そもそも、お前の頭の中でどんな事をしたら俺が変態になるんだよ!」

俺は風紀委員長を指差して言った。そもそも、一緒の部屋で寝ているって時点でおかしいだろ。愛姫と一緒に居たら、俺の体は三日と持たないだろう。それに襲われる危険は愛姫より、俺の方が何倍もある。

「あ、あなたたち、一緒の部屋に泊まってるんでしょ?」

いや、その時点でおかしい。もっと冷静に考えてくれ。

「そうよ、二人は同じ部屋で泊まってるの」

瑛子が笑いを堪えて面白半分で言った。俺にとっては、全然面白くもないのだが…。

「何言ってるの?瑛子忘れちゃったの?」

愛姫がバカなのという感じで瑛子に言った。もちろん、瑛子が忘れているわけではなく、こう言った方が面白いだろうと思って言ったのだろう。

「瑛子はこの状況が面白いんだよ」

俺は愛姫の耳元で囁いた。少しはわかってくれると思ったが、そう思った俺がバカだった…。

「何それ⁈面白いの⁈」

愛姫は面白いだけに反応してしまったからだ…。さらにややこしい事になってしまった。

「あー、違う!俺と愛姫は別々の部屋に泊まってる!」

俺はこの状況を何とかしようとして叫んだ。一瞬音がなくなって、みんなが俺の方を見た。だが、すぐに周りがざわつき始めた。何を言っているかわからないが、今の俺が言った言葉の事を話しているのかと思うと急に恥ずかしくなった。

「で、ですよね…。いくらなんでも男女が一緒の部屋に泊まるわけないわよね…」

風紀委員長が気が狂ったように言った。

「奏太、そこまで怒らなくても…」

瑛子と少しは悪いと思っているらしい。全ての原因は俺にあるんだがな…。

「いや、俺も悪かったよ。急に怒鳴って」

すると風紀委員長は慌てたように言った。

「わ、わ、私、これから風紀委員会があるので」

そう言って彼女は足早にこの場を去って行った。

「俺、悪いことしたかな…」

俺はなんだか風紀委員長に悪い事をしてしまった気でいた。別に話を拗らせたのは瑛子なんだが…。

「そーくん、びっくりさせないでよ〜。耳が破れそうだったじゃないか〜」

愛姫が耳を抑えながら言ってきた。確かに俺は自分の全力、もしかしたらそれ以上の声が出ていたかもしれない。だが、耳が破れるなんて聞いた事がない。

「それを言うなら、鼓膜が破れそうだろ」

間違えを指摘した。別に愛姫なら間違ったままでも違和感はないが、今はこの空気をどうにかしたかったので、少しでも話がそれる事を期待して言った。

「はぁ、今日も生徒会で仕事があるからしっかり来なさいよ」

瑛子がため息をついてから言った。

「わかった〜」

「はいはい」

俺と愛姫は返事をして生徒会室に行く準備をした。瑛子は先に行ってしまったようだ。

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