誰だったんだ?
まさかな…。嘘だよな、白羽さんが表の人間だったなんて。聞き間違いだったんだと俺は心の中で強く思った。まさか、まさかな…。
「おかえりなさいませ、奏太様」
出迎えはいつもと同じように斬谷さんだった。
「今日は飯はいらないです。ちょっと一人になりたいんで…」
斬谷さんはどうしたのっていう顔をしたが、俺の気持ちがわかったようにわかりましたと答えてくれた。
「そーくん、おかえり〜」
今度は愛姫が現れた。本当に面倒くさいタイミングで現れてくれるものだ。俺が帰って来るのを見計らっているみたいだ。
「ただいま、今日は俺の部屋に来ないでくれよ」
俺は愛姫に言っておいた。
「え?なんで?」
「少し考え事がある、だから一人にさせてくれ」
愛姫はしょんぼりした。愛姫には悪いが、これは俺の人生がかかっているのだ。今日は本当に来てもらうと困る。
「わかったよ…」
「ごめんな」
愛姫は肩を落として歩いて行った。本当にごめんと俺は心の中で思っていた。
はぁ、今日は衝撃的過ぎて何がなんだかわけがわからん!でも、
・俺は三日後に実験に参加する
・白羽さんはもしかしたら表の人間かもしれない
って事はわかった。いや、わかってないといけない。俺の人生がかかっているのだから。俺はこのまま白羽に全てを任せても良いのか?全てを信用できない人間に俺の命をかけて良いのか?俺の頭の中ではそんな事がぐるぐる回っていた。自分で調べたほうがよほど安心してできるのではないか?いや、自分ではそこまで調べ上げる事などできないだろう。ここは乗っておいた方が得か?そこでいろいろと聞けるかもしれないし。それにダメだったら逃げれば何とかなるかもしれない。俺は白羽さんを全て信用する事はできなかった…。




