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反転世界  作者:
60/66

またまた部活⁈

授業終了のチャイムが鳴った。

「奏太、愛姫、恵、生徒会室に行くわよ」

瑛子が早速言って来た。

「はい」

「は〜い」

「わかった」

俺たちはそれぞれの返事をした。そして教室から生徒会室に向かって歩いていた。

「おっ、奏太くんじゃないか。良いところに来た」

反対側から歩いて来たのは白羽さんだった。生徒会室は真逆なのにどうしたのだろう。

「どうしたんですか?」

俺は白羽さんが生徒会室に向かっていなさそうだったので、用事を尋ねた。

「今日は部活をやるぞ」

またですか…。またいきなり部活をやるなんて…。しかも今日は生徒会の仕事があるのに、瑛子が許すとは思えない…。

「白羽さん、そういういきなりはダメですよ」

いくらなんでも急すぎると思ったので、俺は先輩にもしっかりと注意した。

「そうです、いくらなんでも急すぎます。許すわけにはいけませんね」

瑛子は顔を赤らめながら言った。別に恥ずかしいことではないのだが…。瑛子は白羽さんと話す時たまに顔が赤くなる。

「明日何かおごってやるから!頼む!」

おいおい、人間としてどうなんだよ。金で釣るって。子供ならともかく、相手は高2だぞ?それで釣られたら、瑛子も金持ちの家の子としてダメだろ…。

「え⁈おごってくれるの⁈」

愛姫が反応した。お前には一言も言っていない!しかも何故、お前がこのタイミングで反応するんだよ!まずそこがおかしいだろ…。

「ああ、良いぜ。愛姫の分もおごってやる」

なんて奴だ…。愛姫を金で釣ったよ…。それに釣られる愛姫もどうなんだ?お前は元不良金持ちの家に生まれた家出少女だろ?それに面白いことにしか興味なかったんじゃないのかよ。食べ物のは面白いのかよ…。

「ダメです!」

瑛子がキッパリと言った。

「何でもやってやるから!」

白羽さんもどうしてそこまでして部活をしたいのだろうか。

「何…で…も…?」

瑛子がさらに顔を赤らめて言った。何を考えているのだろう。

「そう、何でも」

白羽さんさらに一歩詰め寄るように言った。

「わ、わかりました。今回だけですからね…」

ついに瑛子が折れた。俺は信じられなかった。あの瑛子が人の言うことを聞くなんて…。

「おし!奏太くん、部室に行くぞ!」

白羽さんは俺の腕をグイグイ引っ張った。俺は瑛子に悪いなと言って白羽さんに引っ張られて行った。


「何でいきなり部活をやるなんて言ったんですか?」

俺はそこが気になっていた。この人が理由もなくやるなんて言うと思えなかったからだ。

「ああ、急遽実験をやるって言われたんだよ」

白羽さんは真剣な顔をして言った。実験ってもしかして、俺が元の世界に戻る実験のことか?

「その実験って…」

俺が言いかけた時に白羽さんが言った。

「俺が考えたやつだよ。数日後にはやりたいって言われたんだよ、まったく本当に急だよな」

いや、あなたも十分急ですよ…。それより、実験を数日後にやるだって⁈俺の心の準備は関係ないのかよ…。

「そ、それって本当ですか⁈」

本当だったマジでヤバイ。俺が死ぬ、いや、俺の存在が消える…。そんな大切なことを急に言うなんて…。

「ああ、俺も奏太くんの気持ちが出来てからの方が良いと思うって言ったんだがな、ダメだったよ…」

マジか…。でも、いずれはこうなるとわかっていたけど、いくらなんでも急すぎるぞ…。

「日にちはいつですか?」

これがわからなかったら心の準備もしようがない。

「えーっと、確か三日後だそうだ。悪いな、急なことで」

本当だよ、何でこんなにも急に実験をやるなんて言うんだよ…。それに三日後なんて…。

「今日はそれだけのために部活をやるんだよ。その事実を伝えるためだけにね」

そうだったのか。でも、何故みんながいる前で言わなかったんだろう。

「何でみんながいる前で言わなかったんですか?」

どうも気になる。

「それはな、奏太くんのことを考えてだよ。もしみんなの前で言ったら君が取り乱すと思ってな」

そうか、白羽さんは俺のことを気遣ってくれたんだな。ありがたいことだ。

「それはありがとうございます」

「おう、気にするな。大事なことだからな」

流石白羽さんだ。こんなに良い人に愛姫が言う裏なんてあるわけがないと俺は思った。

「あの、今日はこれでお終いですか?」

俺的には終わってくれた方が嬉しいのだが…。何たって死ぬのが数日後だぞって言われたようなものだから…。

「奏太くんはどうしたい?」

「今日は家で一人になって考えたいです」

「そうだな。今日はそれで良いだろう」

白羽さんが頷きながら言った。今日は愛姫が来ても、瑛子が来ても部屋には入れない。一人になる時間が欲しい。

「じゃあ、今日は終わりって事で」

白羽さんはそう言って俺を部室から追い出した。

「間違えても今から死のうと思うなよ〜」

俺は白羽さんの言葉を背にして縁起でもないと思いながら家に帰って行った。と思ったが、忘れ物をしたので部室に戻ろうとした。部室の前まで行くと中から声が聞こえた。たぶん、白羽さんだろう。

「ああ、計画は完璧だ。これで俺は戻れる…………」

何を話しているのだろう。俺は少し聞いた時点で部室に入った。

「すみません、忘れ物を…」

俺が入ると白羽さんは電話をしていた。

「だ、誰だ!って、奏太くんじゃないか。びっくりさせないでくれよ」

白羽さんはびっくりして俺の方を見た。当たり前と言えば当たり前だ。だが、この時のビビり方は少し違った。

「すみません、電話してたんですね。すぐ忘れ物を取って帰りますので…」

「気をつけろよ」

「はい、では失礼します」

俺は忘れ物を取ってすぐに部室を出た。部室は出たが、電話の内容が気になる。だから少しドアの前に立って盗み聞きをした。

「悪い、ターゲットが入って来たもんで…………」

もしかして俺の事か?ターゲットて言い方は嫌な感じしかしなかった。

「わかってる。その点は抜かりない、俺が戻れるようになってるさ…………」

俺が戻れる…だと⁈白羽さんは表の人間なのか⁈俺は今まで裏の人間だと思っていたんだが…。今思うと誰も白羽さんが裏の人間なんて言っていない。だが、あの白羽さんだぞ?俺は自分を諭すように言った。

「わかった、じゃあな」

どうやら電話が終わったようだ。俺はすぐに白羽さんが出て来るかもと思って足早に家に帰った。

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