愛姫の直感
「あら、今日も早いのね」
俺は瑛子にバカにされるように言われた。まあ、確かに遅れる事の方が多いので、何も言えないのだが…。
「まぁな、部活の事が気になって早く起きてしまったんだ」
「え⁈そーくん、部活に入ってるの⁉」
愛姫が驚いたように言って来た。そういえば、これはまだ瑛子と白羽さんしか知らなかったなと俺は思った。
「ああ、昨日地球研究部ってのに入部したんだ」
俺は部活名も言って答えた。愛姫がこの部活の事を知っているかはわからないが…。
「それってもしかして、かんちゃんがやってるやつ?」
たぶんかんちゃんと言うのは白羽さんのことだろう。名前は神波って言うらしいからな。
「ああ、そうだ。それがどうかしたのか?」
俺は愛姫が知っていたので、逆に質問してしまった。
「あのね、あの人ちょっとおかしい気がするんだよね…」
おかしい?白羽さんが?あんなに俺に優しかったし、表の世界のことを調べている人が?俺は逆にとても優秀な人だと思っているのだが…。
「そんなはずはありません!あなたが変なだけです」
瑛子がいきなり大声で言った。いきなりだったので、俺も愛姫もびっくりしていたが、愛姫がまた話し始めた。
「うちがおかしいのは自分でもわかってるけど、かんちゃんはうちと何か違う感じなんだよ」
自分で変だってことを認めた…。それってダメだろ。それに白羽さんが愛姫と違ったおかしさなんてあるのか?
「お前の思い込みじゃないのか?」
俺は尋ねた。
「いや、うちの直感が言ってるんだよ。かんちゃんはおかしいって」
「それはあなたの直感でしょ?そんなのは当てにならないわ」
瑛子が愛姫の話に食い気味で言った。確かに瑛子の言っていることは正しい。愛姫の直感がダメだとは言わないが、俺は賛成できない。
「俺も瑛子の意見に賛成だな。直感なんて外れることの方が多いよ」
愛姫には悪いと思ったが、俺ははっきりと言っておいた。
「そうだよね…。うちの直感だもんね…」
それから愛姫は一言も話さず朝食を食べた。俺も学校に遅れないように食べた。




