地球研究部⁈
そこには地球研究部と書いてある表札がかかっていた。いかにも怪しい…。それにこの部活は本当に表の世界について調べているのだろうか。俺も他の人のことを言える立場ではないのだが…。
「入るわよ、いい?」
「あ、ああ」
俺は少し緊張しているらしい。声が少し震えていた。まあ、こんなにも怪しげな部活ならわかる。普通の野球部やサッカー部などならわかるが、地球研究部って…。
「神波、いる?」
瑛子は俺の知らない名前を言って地球研究部の部屋に入っていった。俺も続いて失礼しますと言って入った。
「瑛子か、どうした?」
そこの部屋にいたのはたった一人の男だった。部屋は散らかっていて、どう進んで良いのかもわからないくらいグチャグチャになっていた。
「誰だ、こいつ?」
男は俺のことを指差していった。俺も同じことを思ったが、相手はいかにも強そうという顔と体つきをしていたので言わなかった。
「この子は磯貝奏太。表の世界から来た人間よ」
瑛子は俺のことを軽く説明した。だが、表の世界の人間ってのは言わない方がいいのではないかと思った。そして今度は俺の方を見て言った。
「こっちは白羽神波。私たちの一つ上の先輩よ」
先輩だったか。俺はあっちが年上か年下かわからないので、どう話して良いかがわからなくて話さなかったのだ。それに年上相手によくタメ口で大丈夫だなとも思った。
「磯貝奏太です」
「俺は白羽神波だ。よろしく」
「よろしくお願いします」
俺はここで初めて神波さんと話した。口調は思ったより優しそうで、いい先輩というイメージを持った。
「あの、ここでは何をしているんですか?」
俺はここに来てからの疑問をまずぶつけた。それがわからないと何も始まらない。
「そんなん、部活の名前の通りだよ」
そうなのか…。もしかしてとは思ったが、本当にそのままとは…。何というネーミングセンスのなさ、愛姫と同じくらいだぞ…。俺は白羽さんのことを少し残念だと思ってしまった。
「もしかして、瑛子。こいつが新入部員なのか?」
はい?新入部員?それって俺がこの部活に入るってことだよな?俺はさっき聞いたばっかりなのだが…。
「おい、俺は一言も部活のことなんて聞いてないぞ」
俺は瑛子に言った。じゃないと、俺の気がすまない。このまま、はいはいと入部したら俺は何なんだということになる。それは絶対に避けなければならないことだった。
「あら、あなたは私の言うことを聞くって約束でしょ?」
くっ、何ともいやらしい。それに俺を舐めたような顔が余計にムカついてくる。
「それは生徒会の雑用をやっているじゃないか!」
「私は一つとは言ってないわ」
さらにいやらしい。なんて奴だ。俺はこんな奴と変な約束をしてしまったのかと今更ながら後悔した…。最悪だ…。
「聞いていなかったらしょうがないな。この入部はなしでいいぞ。だが、その代わり今日の部活を見てから答えを聞かせてくれ」
「まあ、見るくらいなら…」
俺はどうせ結果は変わらないだろうと思いながら言った。たった一人で何ができるというのだ。それに俺が表の世界に行ける保証もない。
「ちょっと、何勝手に決めてるのよ!」
そこに瑛子が割って入って来た。私は納得できないわよという感じだった。当然と言えば当然だ。俺が入部するって話しだったのに、俺と白羽さんで、今日の部活を見てからと勝手に変えたからだ。
「瑛子、お前がしっかりと伝えなかったからこうなったんだぞ」
白羽さんは瑛子に向かっていった。瑛子はうつむいてしまった。
「わかったら今から部活を始めるから、瑛子は生徒会の仕事をやって来い」
「わかりました…」
瑛子はだいぶ落ち込んでいたみたいだった。だが、あの瑛子が言うことを聞くなんて俺は意外に思った。瑛子は気を落として生徒会室に行った。




