ぐ〜たら
「そーくん起きてる〜?」
愛姫が起こしに来たらしい。俺は昨日の夜からずっとこの世界の色について考えていて、ほとんど寝てなかった。
「もうちょっと〜」
俺は朝起きるのが嫌で、母親に起こされている高校生のような返事をした。まあ、実際高校生だが…。相手は母親ではないが、この答えでもいいだろうと自分で思った。
「ダメだよ〜、早く起きないと。学校遅刻するよ〜」
そんなことはわかってる。小学生のガキではない。だが、まだ俺の頭の中では整理ができていなかったのだ。
「今日は学校休むわ〜」
まるっきりダメな高校生のような返事をした。自分でもダメだと思っているが、とても学校に行く気にはなれなかったのだ。その時、廊下の向こうの方から、ドタドタと足音が聞こえた。だが、俺には関係ないことだろうと思って、布団をかぶった。
「奏太、起きなさい!学校へ行くわよ!」
足音の正体は瑛子だった。それになんだか焦っているように感じた。どうかしたのだろうか?
「奏太、開けるわよ!何としてもあなたを学校に連れて行くわ」
何で俺が学校に連れていかれなきゃならないんだ…。それに、瑛子はこの部屋の鍵を持っていないのだから、開けるもなにも…。と思っていた矢先…。ガチャっ
「ほら、奏太。早く準備しなさい!」
瑛子が入って来た。
「な、何でお前が俺の部屋の鍵を⁈」
俺は突然入って来た瑛子に驚いて、ベットの上で正座をして座っていた。愛姫が来た時は寝ていたんだが、瑛子が入って来るとほぼ同時に正座になった。別に俺がやろうとしたわけではない。ただ、反射でそうなってしまったのだ。
「いいから着替えなさい!」
瑛子は俺に着替えを押し付けて後ろを向いた。
「後ろ向いてるから、さっさと着替えてよね?」
「あ、ああ」
俺は学校へ行く気はなかったが、着替えを押し付けられたので、仕方なく着替えることにした。すると、着替えている途中に愛姫が入って来た。
「そーくん、なにやっ…」
愛姫は俺を見た途端に顔を赤らめた。なぜなら、俺はその時ズボンに履き替えようとしていたからだ。
「い、あ、あのっ、そのっ、ごめんなさい!」
愛姫はそう言ってドアをバタンと閉めて部屋から出て行った。俺としては、相手をする人数が減ったので、とてもありがたい。
「愛姫もバカね。何で私が後ろを向いているかわからなかったのかしら?」
瑛子はため息まじりで言った。その時には俺はもうとっくに着替え終わっていた。
「もういいぞ」
「ああ、そう」
瑛子はこっちを向いて言った。
「さぁ、学校に行くわよっ!」
今日の瑛子は何だかいつもと違う。テンションが高いというのか、おかしいと言うべきなのか…。結局俺は半ば強引に学校に行くことになった。強引というのは、そう、腕を引っ張られながら行ったのだった。
「なあ、何で俺は学校に行かないといけないんだ?」
俺はまだ学校に行くのが嫌だった。
「病気でもないのに学校を休むなんて考えられません」
俺は学校に行く車の中で怒られていた。色についてはまだまだわからないことが多い。だから、学校で資料集めをしても良いのだが、今日はとても学校に行くのが嫌だった。
「そもそも、何であなたは学校に行きたくないの?」
瑛子に質問をされた。特に理由はないが、行きたくない日もあるのだ。
「何と無くだ。悪いか?」
「悪いわよ。どうしても学校に行けないわけでもないのに…。ずる休みってことじゃない」
当然のことを言われた。当然過ぎて俺は反論することができなかった。
「そーくんは今の学校が面白くないんだよ」
愛姫が俺を助けるように言った。だが、俺は学校に行くことにも納得していないし、第一学校なんてに面白いわけがない。俺は今のところ、生徒会の雑用をやらされているんだぞ?これを面白いとは言えない…。でも、もう学校の前まで来てしまった。今日は諦めて、学校へ行くか…。




