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反転世界  作者:
29/66

生徒会会計

俺が生徒会室に入ったら、見慣れない人がいた。それはとても可愛い女の子だった。

「あなたでしたか。新しい人というのは」

「あの、この人は?」

いきなり話しかけられてびっくりした。表の世界ではもちろん見たことない可愛さだったが、こっちの世界でも、一、二を争う可愛さだ。そんな子が俺に話しかれてくれるなんて…。夢見たいだ…。

「ああ、この子は風谷鶫(かぜたにつぐみ)よ」

瑛子が紹介してくれた。

「よろしくお願いします。風谷鶫といいます。生徒会では会計をやっています」

「あ、ああ。こちらこそよろしく」

これはまた、まともな人間が増えたのではないか?見た目しっかりしてそうだし。

「あと二分で恵さんが来ます、会長」

「そう、わかったわ」

…、え?今何て言ったんだ?あと二分で任原さんが来るって?

「そんなのわからないじゃないか。いつ来るかなんて」

俺は本音を言った。だが、誰も相手にはしてくれなかった。そして二分後

「すみません、少し日直で仕事をやっておりました」

本当に任原さんが来た。

「言った通りでしょ?」

「あ、ああ。そうだな。だが、偶然ってこともあるかもしれない…」

何で瑛子が威張っているのかわからないが、俺は偶然だと言いたかった。倉田さんみたいなのが、もう一人いるなんて、信じられない…。

「一分後に伶華さんが訪ねて来ます」

「そう、要件は何かしら?」

「美化委員会のことでしょう」

おいおい、いくらなんでもそれは頑張り過ぎだぜ。そんなこと当たるわけない。一分後

「瑛子さん、美化委員会ですが…」

本当に訪ねて来た。しかも内容まで全く同じだった。

「どうかしたの伶華?」

「はい、校庭の花をもっと増やして欲しいんです!」

「鶫、美化委員会の予算は足りるかしら?」

「はい、まだ五万円はありますので」

凄い、なんて奴だ。閉じていた全ての予算が載っている本から美化委員会を見つけて、さらにそこから残りの予算まで計算してしまうとは…。流石、生徒会会計。これがこの学校の生徒会会計、風谷鶫なのか…。会長や総務とは大違いだ。

「流石、鶫さんね。手際がとても良いです」

「ありがとうございます、伶華さん」

伶華ちゃんと鶫ちゃんは知り合いらしい。

「伶華ちゃんは鶫ちゃんのこと知ってるの?」

「もちろんですよ。とても優秀な子ですから」

マジか…。伶華ちゃんに優秀と言われるということは、本物だ。あの会長や総務に言われてもいまいちだが、伶華ちゃんが言うと重みがある。だから、俺は今までのことは偶然ではなかったと認めるしかなかった。

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