生徒会会計
俺が生徒会室に入ったら、見慣れない人がいた。それはとても可愛い女の子だった。
「あなたでしたか。新しい人というのは」
「あの、この人は?」
いきなり話しかけられてびっくりした。表の世界ではもちろん見たことない可愛さだったが、こっちの世界でも、一、二を争う可愛さだ。そんな子が俺に話しかれてくれるなんて…。夢見たいだ…。
「ああ、この子は風谷鶫よ」
瑛子が紹介してくれた。
「よろしくお願いします。風谷鶫といいます。生徒会では会計をやっています」
「あ、ああ。こちらこそよろしく」
これはまた、まともな人間が増えたのではないか?見た目しっかりしてそうだし。
「あと二分で恵さんが来ます、会長」
「そう、わかったわ」
…、え?今何て言ったんだ?あと二分で任原さんが来るって?
「そんなのわからないじゃないか。いつ来るかなんて」
俺は本音を言った。だが、誰も相手にはしてくれなかった。そして二分後
「すみません、少し日直で仕事をやっておりました」
本当に任原さんが来た。
「言った通りでしょ?」
「あ、ああ。そうだな。だが、偶然ってこともあるかもしれない…」
何で瑛子が威張っているのかわからないが、俺は偶然だと言いたかった。倉田さんみたいなのが、もう一人いるなんて、信じられない…。
「一分後に伶華さんが訪ねて来ます」
「そう、要件は何かしら?」
「美化委員会のことでしょう」
おいおい、いくらなんでもそれは頑張り過ぎだぜ。そんなこと当たるわけない。一分後
「瑛子さん、美化委員会ですが…」
本当に訪ねて来た。しかも内容まで全く同じだった。
「どうかしたの伶華?」
「はい、校庭の花をもっと増やして欲しいんです!」
「鶫、美化委員会の予算は足りるかしら?」
「はい、まだ五万円はありますので」
凄い、なんて奴だ。閉じていた全ての予算が載っている本から美化委員会を見つけて、さらにそこから残りの予算まで計算してしまうとは…。流石、生徒会会計。これがこの学校の生徒会会計、風谷鶫なのか…。会長や総務とは大違いだ。
「流石、鶫さんね。手際がとても良いです」
「ありがとうございます、伶華さん」
伶華ちゃんと鶫ちゃんは知り合いらしい。
「伶華ちゃんは鶫ちゃんのこと知ってるの?」
「もちろんですよ。とても優秀な子ですから」
マジか…。伶華ちゃんに優秀と言われるということは、本物だ。あの会長や総務に言われてもいまいちだが、伶華ちゃんが言うと重みがある。だから、俺は今までのことは偶然ではなかったと認めるしかなかった。




