アウト!
「そーくん、起きて」
朝から愛姫の声がする…。気のせい…ではないな。
「だから何でお前は俺の部屋にいるんだよ⁉」
「え、昨日のこと覚えてないの?」
そこへ瑛子がやって来た。
「昨日のことって…。あなたたち、もしかしてもうそんな仲に?」
何でこのタイミングだったんだ…。ややこしいことにしかならないじゃないか…。
「別に忘れてるわけではないけど…」
なんせタイミングが悪い。本当にタイミングが悪い。
「もう、あなたなんて知らないわ!」
何をこいつは怒っているんだ…。とても勘違いをされているような…。瑛子は怒ったようにズコズコ歩いて行った。
「何か誤解されたみたいだぞ」
「何を?」
ああ、戻ってる。戻ってしまってる。平常運転の愛姫だ。別に悪くはないんだが、この状況では厄介だ。
「はぁ、まあいい。ところで何で俺の部屋にいるんだ?」
「そうそう、それ。昨日そーくんがすぐ寝ちゃったからさ、うちが出ていくと鍵閉めれないでしょ?」
まあ、そうなるな…、俺は寝てるわけだし。ってまさか⁈
「だから、うちはここで寝たんだよ」
あーあ、そのまさかだよ…。完璧にアウトパターンなやつだよ…。というか、事実がもうアウトだから何も言い逃れができない。俺としたことが、自分で逃げ道を塞いでしまうとは…、失態…。
「そのままで良かったのに。俺は大丈夫だったし…」
「いや、危ないよ。変な人が襲ってくるかもしれないよ⁈」
何を言っているんだこいつは。変な奴にはここに住まわせてもらってから毎朝襲われている。そう、お前だ。
「ありがとな。だが、そんな心配はいらない。この家にそんな奴はいないからな。ただ一人を除いてはな…」
「その一人って誰?」
「お前だよ!毎朝寝起きを襲いやがって」
愛姫はきょとんとしていた。自分と言われたのが納得できないのだろうか?
「うち…?」
「そう、お前」
「うちはそーくんが起きるの遅いから起こしてあげてるんだよ。それに自分ではこの部屋の鍵を開けれないんだよ?いつもなるみんに開けてもらってるんだから」
そこがダメなんだよ。何で起きるが遅いから勝手に鍵を開けられるんだよ…。斬谷さんも勝手に開けないでくれ…。こいつが来てしまうから…。
「あなたたち早くしなさい!学校に遅れるわよ」
瑛子が再び戻って来て言った。
「はいはい」
「そーくんのせいなんだからね!」
愛姫はそう言って自分の部屋に戻って行った。俺が悪い点はほとんどない気がするのだが…。俺はそう思いながら、学校に行く準備や身支度をした。今日は非常に嫌な予感しかしない。学校でも今日はいろいろとありそうだ…。




