生徒会
「生徒会室ってどこにあるんだ?」
俺は目的地の生徒会室の場所を尋ねた。
「もうすぐ着くわ。ほら」
そこには生徒会室って表札がかかった教室があった。思ったより近かったな。俺たちの教室から歩いてすぐだった。見た目は普通の教室とはあまり変わらなかった。
「さあ、早く入ってよ」
もう教室に入っていた瑛子が俺に言った。
「わかったわかった」
そう言って俺は生徒会室に入った。
「お、来たか」
こう言ったのは愛姫だった。椅子にどっかりと座って、本を読んでいた。…いや、漫画だった。
「まだお前しかいないのか?」
「そうだよ」
「って言うか、そもそも他のメンバーは知らないけどな」
そう、俺は生徒会のメンバーをこの二人以外知らない。他にはどんなメンバーがいるのか。まともな奴が一人でもいると良いのだが…。
「遅くなりました」
少しあとに入って来たのは、メイドの任原さんだった。俺が知っている中で唯一この学校でまともな人が生徒会にいたので一安心した。
「良かった、任原さんが生徒会のメンバーで」
つい口に出てしまった。
「そうですか?他にもユニークな人が生徒会ですけど」
そのユニークな人たちがユニーク過ぎて困っているのだが…。
「私が生徒会長って言った時とは反応が違い過ぎませんかね〜、奏太?」
後ろから殺気がした。絶対に瑛子だ。会長って言っている時点で瑛子しかいないが。俺は慌てて振り返って弁解をしようとした。
「い、いや、違うんだ。たまたま口が滑って…」
何言ってんだ!正直過ぎるぞこの口め。大事な時には決まって滑る。
「何言ってるんですかね?奏太くん?」
やばい、やばいやばい。いつも呼び捨てだった奴がくんをつけた。これは相当怒っている証拠だ。
「そ、それは違うんだ。いろいろと」
「何が違うんですか?」
これは死んでしまうかもしれない。ただでさえ、殺そうとされてたのに逆鱗に触れてしまうとは…。
「瑛子様、会長はあなたにしか務まりませんよ」
ナイス、任原さん!これで少しは収まってくれると良いのだが…。
「確かにそうね。でも、奏太が言ったことは消せないわ」
そうです、そうですよね、ごもっともです…。記憶に残ってしまったら、消すのはそれ以上のことがなければ消えない。やってしまったな…。
「すまん、ほんのジョークのつもりで言ったんだ」
適当に誤魔化せそうなことを言ってみた。だが、それが余計怒らせてしまったらしい…。
「ジョークですって⁈言って良いことと悪いことがあるでしょ?そんなこともわからないの?」
「いえ、わかります」
そもそもジョークではなく、本音なんだが…。
「私はうそをつく人が嫌いです!」
ちょーと待ったぁー!うそつく人が嫌いだと⁈そもそも俺がこの世界に来たのはお前のせいだ。まあ、来てしまったのはしょうがないが、殺すといううその契約をしたのはお前だろ!と内心思っていた。
「あの〜、すみません?あなたもうそをついていたような…」
「そ、それはもう良いって言ったじゃない!」
なんか違うだろ…。まあ、これ以上こじらせると面倒くさいので俺は謝った。
「すみませんでした」
「そう、わかれば良いのよ、わかればね」
瑛子は納得したように言った。だが、俺の内心はまだモヤモヤしていた。
「瑛子様、今日は何をすれば良いのでしょうか?」
「そうね〜、愛姫の手伝いでもしましょうか」
「えー、嫌だよ〜。やりたくない〜」
手伝ってくれるというのに、何てことを言うのだ。やはりこいつは生徒会に向いてないだろ…。
「俺も手伝ってやるから」
どのくらい残っているか知らないが、一応瑛子の言うことを聞いとかないと俺がやばい。
「なら、やろっかな」
だから、何で俺がいるとできるんだよ…。わけがわからん。それから俺は、恐怖と戦いながら愛姫の手伝いをしたのだった。




