メイド⁈
「時間がないわ。私たちは生徒会の用事があるから先に行くわね」
「え〜、そーくんと一緒に行きたい〜」
「ダメです。特にあなたはやることが山のようにあるんだから」
瑛子は愛姫の手をグイグイ引っ張って行った、俺はそれに手を振って部屋に戻った。
「お待ちしておりましたよ、磯貝奏太さん」
部屋には見知らぬメイド服を着た少女がいた。年は同じくらいだろうか。
「あの、何でここに?」
「瑛子様に学校まで連れて来いと頼まれたのです」
「そうなのか…」
くそっ、抜け目のない奴め。この子がいなかったら、当然俺は、学校なんか行かずに 部屋でのんびりと過ごせれたのに…。
「急いで下さい。時間に遅れますよ」
「あ、ああ。悪りぃ」
メイドの少女は制服や教科書、カバンなどを準備してくれた。そして俺は学校へ行くこととなった。
メイド服を着ていた少女は制服に着替えていた。
「君も生徒なの?」
「はい」
生徒だったのか。年も同じくらいだから、もしかしたらと思ったが、メイドをしながら学校に通っているとは…。
「メイドでもあるんだよね?」
「はい、もちろんです」
この子もまた、大変だなっと俺は他人事のように思った。実際今日初めて会ったし、話した。俺としては全く面識はない。だが、彼女は俺のことを知っていた。
「なあ、何で俺のことを知ってたんだ?」
「瑛子様と愛姫さんから聞いていたからですよ。明日から同じ学校に通う男の子がお屋敷に居るって」
なるほどな。俺は昨日の段階で学校に行くことは決まってたわけだ…。やることが早い…。まあ、一応生徒会の会長と総務だからな。
「この車って何台あるの?」
そう、俺は今車に乗っているのだが、昨日と同じ車みたいだった。だが、数十分前には瑛子と愛姫が乗った車が出て行ったはずだ。流石にこの短時間で、戻って来れる訳がないのだ。
「同じような車は合計で五台はあったと思います」
おいおい、五台って。普通の家庭でも一台か二台なのに、リムジンを五台ってどこの金持ちだよ…。俺は飽きれながらそう思った。
「もうすぐ着きますよ」
「わかった」
俺は彼女の言葉で、降りる準備をした。準備と言っても、制服をしっかりとしたり、ネクタイをあげたり、靴の紐を結んだりしただけだが。




