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反転世界  作者:
15/66

本を返しに学校へ

相変わらずでかい…。この学校を知っている人といなければ、確実に迷子になるだろう…。

「いや〜、久しぶりに学校に来たよ〜」

おいおい、本当に大丈夫なのだろうか、この学校の生徒会は…。俺は愛姫の発言を聞いて不安になった。

「あなたはもう少し学校に来てくれない困ります。生徒会の役員ならなおさら」

伊調瑛子がまともなことを言った。全くその通りだ。

「ん〜、今学校にいても面白くないからな〜」

はぁ、面白いが面白くないでこいつは学校に行くか行かないかを決めるのか…。大変だな、いろいろと…。それに良く生徒会総務が務まるよな。

「早く本返しに行こうぜ」

俺は本を早く返して、双子の妹ちゃんに謝りたかった。

「そうね。早く図書館に行きましょう」

俺たち三人は図書館に向けて歩き始めた。歩いている途中に、双子が入れ替わったトイレを通った。たった数日前のことだったが、何だか懐かしく思った。

「やっぱ、広いね学校は」

お前が通っている学校だろと言いたかったが、こいつは面倒くさい性格なんだと自分に言い聞かせて言うのをやめた。


「ふう、やっと着いたわ」

俺たちはやっと図書館の前に辿りついた。やはりこの学校はでかい…。改めて思った。

「本は私が返しとくわ。あなたたちは少し本でも読んで待ってて」

「わかった。悪いな、いろいろと」

「いいわよ。むしろあなたが返すとなると逆に厄介なことになるから」

そうか、俺はまだほんのごく一部の人しか知らないんだ。会った人が特殊過ぎて、忘れかけていた。

「そーくん、あっち行ってみよ」

「あ、ああ」

愛姫は俺の腕を引っ張った。こいつ本とか全然興味なさそうだけど、何か面白いものでも見つけたのか?俺はそこに興味をもった。

「やっほ〜、ヒナ〜」

声をかけた先には双子の姉妹とメガネの少女が座っていた。姉の方は全然図書館に来ないのではなかったのか…?これは偶然と言って良いのだろうか…。

「お、愛姫じゃないか。学校では、久しぶり」

じゃあ、学校でないところでは会っていると言うことじゃないか…。ゲームセンター巡りを一緒にしているって話は本当だったんだな…。

「ってペッポコもいるじゃん!」

はぁ、これから俺はペッポコと呼ばれることになるのだろうか…。別にこいつに負けたわけではないのだが…。と言うより、むしろ勝っているのだが…。

「会いたくなかったが、会ってしまったな…」

「こっちだって会いたくなかったわ!」

うわ〜、とても面倒くさい展開になる気がして来たぞ…。何てこった…。俺はこんな展開予想してたが、当たって欲しくなかったのに。

「もしかして、本を返しに来たんですか?」

そう話しかけて来たのは双子の妹ちゃんだった。助かったと思った。あのままだったら、確実に喧嘩になっていただろう。

「ああ、借りたままはダメだと思ったからな。それに俺の名前で借りたわけでもないからな。もしペナルティとかがついたら、俺は責任とれないし…」

「ペ、ペナルティって…」

笑いそうな声で言ったのは双子の姉だった。俺は何か変なことでも言ったのか?全く俺は自覚がなかった。なんせ、図書館初心者なのだから…。

「あの、ペナルティなんて無いですよ。本を返す期限を一日過ぎただけで」

え、そうなのか?てっきり俺は思い罰が下されると思っていたんだが…。俺はどうやら無駄な心配をしていたらしいな…。にしても、さっきから俺の前で頑張って笑うのを抑えている双子の姉がとてもムカつく。

「悪かったな!全然知らないで!」

俺はついにキレてしまった。

「い、いいのよ…、図書館初めてだもんね…」

今にも笑いそうな声で言った。いや、もう笑っている。何ともムカつく奴だ。自分も俺と同じくらいしか来たことないくせに…。

「その本は持っていないようですけど、どうしたんですか?」

「ああ、本は伊調瑛子が返してくれるって言ったから任せてた」

俺はそのあと双子の姉を見て言った。

「どう返せば良いかわからないからな」

また笑いそうになっていた。別に笑うような内容でもないのだが…。

「わかるわけないよね、ペッポコだもんね」

彼女はうんうんと頷きながら言った。何で俺はこんなにチビに舐められないといけないんだ。あの不良たちより可哀想だろと自分で思ってしまった…。

「いい加減ペッポコはやめろよ!俺は磯貝奏太っていう名前があるんだから」

「へ〜、名前があるんだ。まあ、これからはペッポコに改名した方が良いかもね」

くっそ〜、何ともムカつく。しかし、図書館の中では俺は最弱だ…。だからここは下手に出るしかない…。もちろん、そんなことしたくはないのだが…。

「はいはい、ヘッポコですよ〜」

「何その言い方、ムカつくな〜」

俺は舐めたよう言ったら、双子の姉は怒ってきた。俺はそうなると思ってあえて言ったのだ。

「やっぱりいたのね、伶華と喜衣、それに今日は雛乃もいるんだ」

「雛乃もってなんだ。[も]って!」

こいつは誰にでも喰いついていくな。俺はやっぱりこいつと仲良くなれる気がしなかった。

「だっていつもはいないじゃない。今日は雨でも降るのかしら」

伊調瑛子は双子の姉を完全にバカにしていた。仲が悪いのだろうか?と俺は少し疑問に思った。

「今日は降水確率10%だぞ!お前バカなんだな」

今度は双子の姉が伊調瑛子をバカにした。

「あら、そんなこと言って良いのかしら?」

おいおい、何か嫌味でも握られてるのか?

「私は学年でも五番には入るわ。あなたみたいなバカにはわからないと思うけど」

ダメだろ…。勉強の話をされたら、こいつは最弱だ…。

「スポーツはどうなんだ?」

「え、スポーツ?」

こいつはスポーツでは一番と言っていた。俺はこいつを救ったつもりだったが…。

「あら、私はトップは取れなかったけど、差は無いに等しいわ」

「ウキー!んー、もう知らない!」

ダメだ…、双子の姉は負けた。完敗だ。もう言い返す言葉がないのだろ、可哀想に…。

「どんまい」

俺はそばに駆け寄って、励ましの言葉をかけた。

「うるさいヘッポコ!」

そう言って彼女は走ってどこかに行ってしまった。明らかに涙ぐんでいた。俺には強気のくせに…。

「瑛子さん、言い過ぎですよ」

「そうですよ」

双子の妹とメガネの少女が言った。

「もしかして、こんなのがしょっちゅうあったりするのか?」

俺は恐る恐る尋ねた。

「ええ、そうよ。毎回突っかかって来るんだもの。しょうがないじゃない」

双子の姉も大変だなと俺は思った。それにいつも負けていると思うと、余計に残念な奴だと思った。

「あ、そうそう。本返して来たわよ」

「あ、悪かったな」

「別に対したことではないから気にしないで」

俺は伊調瑛子と話していると、横から双子の妹ちゃんが話に入ってきた。

「あの本、読めましたか?」

「いや、いろいろあってな…、ほとんど読んでないんだ…」

そんなんですかと少女が言った。

「だけどもうあの本はいらないんだ。殺される心配がなくなったから」

俺は伊調瑛子の方を見て言った。そしたら彼女は悪かったわねと目で訴えていた。

「誰と契約したんですか?」

ああ、そんなことも話したな。今となっては、もう気にする必要のないことだが。

「それはこいつだよ」

横にいた伊調瑛子を指して言った。

「もういいでしょ、そのことは」

「まあ、そうだな。だが、殺そうとしたのは真実だからな」

俺は一応、真実を言った。

「伊調さん、本当に殺そうとしたんですね…。会長がそんな人だったとは…」

「そ、それは…。いろいろあるのよ!」

「まあ、とにかく今となっては昔の話だ。そのことにはあんまり深く聞かないであげてくれ」

伊調瑛子の過去はあまり知られたくないものだと思い、庇うように言った。

「そうですか…。人には言えないこともありますもんね。もうこれ以上は鑑賞しないようにします」

「ありがとう、伶華」

そこへメガネの少女が来た。

「何を話していたの?」

「ちょっとな…」

「そう、……だいたいわかったわ。あなたもいろいろ大変ね」

メガネの少女は伊調瑛子の方を見て言った。

「さすがね。あなた相手には隠し事はできないわね…」

だから、こいつの頭の中はどうなっているんだ。数秒考えただけじゃないか…。やはりこいつは天才なのかもしれない…。

「私たちはまだ勉強していくけど、あなたたちはどうするの?本を返すって目的もはたしたんでしょ?」

「俺は図書館には居たくないな。居るだけで、頭がおかしくなりそうだ…」

「うちはヒナ探して来るよ。あと、そのまま遊ぶ〜」

こいつは遊びたいから探すんだろ。

「私は帰ろうかしら。居てもやることないし」

伊調瑛子はそう言うと、出口の方に向かって歩き出した。俺はそれを追って出口に向かった。

「また明日ね、伊調さん」

双子の妹ちゃんが言った。メガネの少女も軽く手を振っている。俺にも手を振っているようだった。だから、俺は振り返って手を振った。隣にいる伊調瑛子も手を振っていた。そのあと俺たちは、伊調家に帰って行った…。

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