知り合い⁈
車で移動している途中に俺は異変に気がついた。いや、もっと前から気づいてたかもしれない…。見える色が増えてる!色は黄色。いつから俺は見えるようになった?俺は真剣に考えた…。だか、さっぱり思いつかない。まあ、別に良いか。
「ところであの本、しっかりと読んだの?」
「ん?『表の世界の書』のことか?」
俺は持っていたその本を広げた。
「そう言えば、まだ全然読んでなかったな。いろいろとあり過ぎて…」
「それってうちのせい⁈」
愛姫がいきなり話に割り込んできた。
「そうだな、だいたいお前のせいだ」
「ご、ごめん…。うちがあの時話しかけたから…」
何かとても落ち込んでないか?俺悪いことでも言ったのか?
「ど、どうしたんだよ?」
「いや、うちが話しかけなかったら、この世界から脱出できたかもしれなかったなと思って…」
おいおい、キャラが変わってるぞ。お前はそんなキャラじゃないだろ…。
「でも、腹減って死ぬところだったんだぜ。お前がいたから今俺は生きてるって言っても過言ではないぜ」
何とも大げさに言ってみた。効果があるかわからなかったが…。
「そ、そうだよね。うちのおかげでそーくんは生きてるんだよね」
ふぅ、何とか踏み止まったらしい。あのままいってたらどうなっていたことか…。
「まあ、結果的に生きてるんだし、その本はもう図書館に変えしましょ」
「そうだな…。あ、そう言えば、この本、双子の妹ちゃんの名前で借りたんだった」
「もしかしてそれって、小向姉妹の?」
伊調瑛子から意外な言葉が出た。まさか知っているとは驚いた。双子は俺より年下の気がするんだが。
「何だ、知り合いだったのか。それならなおさら良かった。返却期限越しちゃって、何かのペナルティがあったら申し訳なかったからな。謝りたかったんだ」
「伶華は毎日図書館で喜衣と勉強してるわよ」
「喜衣って誰だ?」
俺は知らない名前に焦った。この間は倉田さんとかいう人と勉強していたが、喜衣という子を知らなかったからだ。
「あなた、図書館に行ったんでしょ?ならいたはずよ、倉田喜衣がね」
「ああ、そういうことか」
俺の疑問がやっと解けた。倉田さんの名前が喜衣だったか。俺がわからないはずだ。
「ああ、倉田さんはいたな」
「双子の姉とはうち遊び友達だよ?」
今度は愛姫が話してきた。
「遊び友達?」
「うん、結構趣味とか合うんだよ。ゲームセンター巡りとか」
ああ、やりそうだ。あの姉とこの愛姫なら、とてもやりそうだ。勉強なんてなければ良いんだって言ってそうだし…。
「どうしたの?」
「いや、あまりに想像ができ過ぎたんでな…」
俺の想像力が凄いのか、こいつらが単純なのか…。いや、考えるのはやめよう…。俺までバカになりそうだ。
「そろそろよ」
伊調瑛子が言った。学校がもうそこまで見えていた。双子の妹ちゃんには謝らなければならないな。会長と総務が何とかしてくれるとは思うが、なんせとても頼りない…。せめて妹ちゃんが生徒会のメンバーだったら良かったと俺は思って学校に入って行った…。




