また学校へ
「わかっていると思うけど、もちろん今日から雑用よ、二人とも」
「だよな…」
そう来ると思っていた。
「え〜、今日から〜?」
「そうよ」
愛姫は嫌だという表情をしていた。俺も当然嫌だが、こうなってしまった以上仕方がない。自分で雑用をやると言ってしまったのだから…。
「おい、仕方ないだろ?約束なんだから」
俺は愛姫を諭した。
「ん〜、しょうがないな〜」
「そうそう、それでいいのよ」
愛姫は嫌々ながらも承諾した。伊調瑛子は良かった良かったと言わんばかりに言った。
「で、何をすればいいんだ?」
「そうね、稔美さんの言うことを聞いてちょうだい」
お前が言うんじゃないのかよ!と言いたかったが、俺は頑張って抑えた。
「なんだ〜、特にないのか」
何でその発想になる。実に面白い頭をしているな、こいつ。
「いや、何か言われるだろきっと」
言われなかったら、単純に住むだけになってしまう。そうしたら条件が意味ないからな。
「稔美さん、やることはありますか?新入り二人が暇そうですけど…」
「いえ、何もございません。お二人はどうぞごゆっくりしていて下さい」
「やった、やることなし〜」
伊調瑛子は悔しがっているようだった。そこまでして何かをさせたかったらしい…。こいつもこいつで面倒くさい性格をしているものだ…。
「暇か…。どうする?」
「どうしようね〜。探検は昨日したし…」
こいつは本当に面白いことしか興味がないなと改めて思った。
「そう言えば…」
伊調瑛子が何かを思い出したように言った。そして取り出したのは本だった…。本だった?そう本。
「おいその本…まさか…。『
表の世界の書』か?」
「そうだけど…、どうしたの?」
やばい、やばいやばいやばい。その本の貸し出しは一日だったはず…。ということは…。返す日は昨日!なんてこった…。あの妹ちゃんは大丈夫だろうか…。俺のせいで変な目にあっていたら…。
「どうしたの?」
「ああ、その本の返すのが昨日だったんだ…」
俺は膝まで落として、両手をついていた。
「どこで借りたの、この本?」
「学校だよ」
俺はもうこの世が終わったと思うくらい落ち込んでいた。
「ああ、学校ね」
「学校か〜。明日久しぶりに行こうかな〜」
伊調瑛子は納得するように言っていた。愛姫は学校という単語に反応したらしい。
「私、あの学校の生徒会長なのよ」
え、生徒会長?こいつが?いやいやいやいや、無理でしょ。
「あなた、今私に生徒会長が務まるわけないと思ったでしょ?」
「思った、思ったけど、無理だろ。どう見てもお前が生徒会長なんて…」
「いや、伊調瑛子は生徒会長だよ」
愛姫が言った。不登校児のくせに、生徒会長のことは知ってるのかよ。ますます変な奴だ…。
「本当なんだな」
「ええ、もちろん。こっちの煌田愛姫は総務よ」
「そう、うちは総務なの」
おいおい、ふざけてるだろ…。こいつらが生徒会なんて…。俺は思わず笑いそうになった。
「ちょっと本当なんだから!」
「そうそう、本当なんだよ?」
ダメだ。もう抑えきれない…。
「ぷっ、あははは。う、嘘だろ?」
笑ってしまった。でも、抑えることができないほど面白い…。俺を殺そうとしたこと奴が会長で、不登校児が総務なんて…。
「いい加減にしなさい!あんたそれ以上笑うと殺すわよ」
「わ、悪りぃ。悪気は無いんだ。ただ、信じられなくて…」
「そう、なら証明してあげましょう。今から学校に行くわよ」
伊調瑛子はかなり怒っていた。それほどバカにされたのが許せなかったのか?証明するのにわざわざ学校に行くのかよと俺は思ったが、従わないと殺されると思ったので、俺は仕方なくついて行くことにした。




