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反転世界  作者:
10/66

過去を知り…

いきなり部屋の扉が開いた。

「稔美さん!」

「はい、何でございましょう?お嬢様」

とても慌てている様子だった。何をそんなに焦っているのだろうか。

「あの男はどこですか?」

「俺のことか?」

「な、何であなたがここにいるんですか⁈」

とても驚いていた。当たり前か、気絶していてなぜここにいるかすらわからないだろう。

「んー、何でって言われても…」

「わたくしが招待したのでございます」

「え?稔美さんが⁈何でよ?」

これたま驚いていた。この状況で驚くなという方が無理があるか…。

「お前の過去の話を聞いていたんだよ」

「もしかして、話したの⁈」

「すみません、お嬢様が罪もない人間を裁くのは、親代わりのわたくしとしてはとてもできなかったのです。そのお詫びとして、なぜこのようなことになってしまったかの原因を、話していたのでございます」

はぁ、とため息をついたのは伊調瑛子だった。

「全部聞いたのね」

「ああ、疑問が一つ残ってるがな」

「疑問?」

ここは本人に聞くのが一番早いだろう。

「何で契約なんて面倒くさいことしたんだ?」

「え⁈それは…」

「なんだよ。早く言えよ」

とても言いづらそうだった。

「あなたが、あの時の表の人間とは違う目をしていたから…」

は?何を言っているんだこいつは?

「それにどうするかを見て見たかったし…」

やばい、こいつはやばい。絶対に関わると面倒くさいパターンだ。答えを知っていてそれを教えてくれない奴だ…絶対。

「お前、面倒くさいな」

あ〜、言っちゃったよ。何でこういう時に口が滑っちゃうのかね…。

「な、何よ!一日生かしてあげたんだから感謝して欲しいわ!」

「はい、感謝します…」

この世界には本当に変わってる奴しかいない。何で俺はこの世界に来てしまったんだ…。って張本人目の前にいるじゃん!

「くそっ、お前のせいだからな。こんなに面倒くさいことになったのは。お前が表の世界に、俺の前に現れなかったら、俺はこんな思いをすることなかったのに!」

「追っかけて来たのはあなたでしょ?5秒もすれば、ゲートは閉じたんだから」

ゲート?おっと、そうだった。俺は元の世界に戻らなければ…。いや、その目的無くなってないか?

「俺って殺されないよな?」

「もちろんでございます。そのようなルールはございません」

「な、何で稔美さんはそいつの味方になってるのよ!表の人間なのよ?」

何とも面倒くさい奴だ。諦めてくれれば良いものの…。

「お嬢様。この方はとても良い人です。絶対にあのようなことは起きません」

「でも…」

言いかけたとき、

「ここはどこだ〜?」

やばい、さらにこの場がややこしくなっていく…。

「あなたは煌田愛姫⁈何であなたまでもここに?」

「その方も連れて来たのでございます」

「いや〜、面白いよこの家。迷子になっちゃうよ」

笑いながら言っていた。

「って、あれ?表の世界の人だ!」

「よっ、元気か?」

「うん、うちはバリバリ元気だよ!」

数時間前にボコボコになっていた奴のセリフとは思えない…。

「わたくしはそろそろ夕食の準備をしてまいります。どうぞごゆっくり」

「えっ、ちょっと」

彼女は伊調瑛子の言葉を無視するように出て行った。


はあ〜、なんてこった…。唯一まともに話せる人がいなくなった。

「ね〜、この家探検しない?」

「まあ、やることもないし探検するか」

一応俺は乗っておいた。面白そうなものにしか興味の持てないこいつに逆らうと、危なそうだったから…。特に殴られると…。

「ちょっ、待ってよ。何勝手にどっか行こうとしてんのよ⁉」

「いいじゃないか。暇なんだし」

「面白いよ、この家。伊調瑛子もついて来たら?」

こいつは馬鹿だ…。ここは伊調瑛子の家なのに…。

「ここは私の家よ!勝手にどっかに行くなんて私が許さない!」

「そうなんだ…」

赤髪の少女は、そう言うとどっかに向けて歩き出した。俺はそれについて行った。

「どこ行くのよ。ちょっと、話し聞きなさいよ!」

伊調瑛子も走ってついて来た。結局俺たち三人でこの家を探検することとなった…。一人はこの家の者なんだが…。


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