メカニックは砂糖で整備しない。
前書きかけてたのを見つけました。
よろしくお願いいたします。
キナリの奴は飛ぶことに関してはすごいが...。
実生活は超甘味好きの変態だからな。
『血糖値が上がっております、直ぐに糖分摂取をやめてください。』
また、『親友 』のスペーススーツに言われてやがる。
「好きなものをとらせろ。」
キナリが言った。
「今日は卵を配送だから本当に慎重にやれよ。」
きっちり梱包されて温かさを保った一抱えある卵は貴重品保管場に収納済みだ。
「分かった、航路を読む。」
キナリは瞑想に入った。
オレは貴重品配送会社『キゼンセア』の社員でメカニック担当の水崎内人と言う日本人だ。
キナリと組んで3年になるがこいつはゼカセハリスの民にしては落ち着いていて本当は付き合いやすい。
言う気はないが。
「いつでも飛べる、準備がすんだらいってくれ。」
キナリが言った。
いい航路が見つかったようだ。
では、オレの仕事をするか。
船体内部に異常はなし。
駆動機関も問題ないな♪
「調整完了。」
オレが言うとキナリが微笑んだ。
こんなときばっかり極上の笑みってなんだよ。
「では、いく。」
キナリは宇宙船を滑るように出発させた。
窓の外は星の海だ。
そこを船がワープを繰り返しながら飛んでいく。
機械なら膨大な計算式ののちに飛ぶのだろうに...。
ゼカセハリスの民のキナリは本能で飛んでやがる。
無事に卵の配送の依頼主のいる星に着いた。
「ありがとうございます、良かったわ、孫が無事に着いて。」
依頼主は竜人だった。
「娘が入院してしまった時はどうしようかと思ったわ。」
もう一人の竜人が言った。
「無事に届けられてよかったです。」
オレはニコニコと愛想笑いをした。
こう言うときキナリは役に立たない。
『血糖値が下がりすぎです、すぐに改善してください。』
船に戻るとキナリは氷砂糖に手を伸ばしてた。
「すぐにとるから。」
今回はキナリもいつも以上に気を使ったみたいだな。
しかしよく氷砂糖バリバリ食べられるよな。
帰りも恐ろしい正確さで飛びやがった。
「船体に傷一つ付けたら承知しないからな。」
一応いっておかないとな。
ゼカセハリスの民にしては
キナリは丁寧だから大丈夫だが…。
同じメカニックのウィルが
ゼカセハリスのパイロットに最新機種を大破させられた〜。
って嘆いていたからな。
「わかってる。」
キナリは氷砂糖をバリバリ食べながら言った。
『血糖値が急激に上昇しています、すぐにインスリンを投与してください。』
キナリの親友が言った。
「うるさい、だまれ。」
キナリが着陸に入った。
『…血糖値が急激に低下しました、すぐにメディカルチェックを受けてください。』
そうだよな、上がったり下がったり
砂糖がエネルギー源かい?
「水崎、船に問題はないな。」
キナリが今度はカップにハチミツに砂糖を入れて混ぜ出した。
『危険物です、離れてください。』
カップが言った。
「危険物ではない。」
ぶつぶついいながらキナリが口に入れた。
「おい、少しは自重したらどうだ?」
砂糖とりすぎだろう?
「断る、では、私はかえって寝る。」
キナリはそう言って去っていった。
あと始末はオレかよ。
まあ、ゼカセハリスの民のパイロットなんてこんなもんだけどな。
「きちんと、報告書残してるだけましか。」
オレは呟いた。
まったく、あいつは自分が残念美女って呼ばれてるのを知らんのか?
ま、オレには関係ない話だけどな。
船を点検してくるか…。
しかし、あいつ見てると、当分、甘いもん食いたくないって思うのは何でなんだろうな?
昔は甘党男子だったんだが…。
読んでいただきありがとうございます。




