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交差(初期)

 彼方は意外と冷静だ。

 言動や行動、外見はまるで天然そのものに見えるが学校の成績だって運動は少し苦手な方だが全体的に上中下で言えば中の上、もう少しで上の下に届くほどで理数系が得意だ。

小学4年の時、本人は意識してなく、後で聞いたが、クラスの一部にいじめ半分にクラス委員長にされたことがあるらしく、いじめていた人間がおどろくほどに真面目にやり遂げてしまったと言う前例も持っている。

悪い方や物ではないようだが性格に結構表裏があるようで、外見はかわいく言動も子供っぽいが、国際企業で働く聖歌の血も引き継ぎ、冷静な分析能力や行動力も持っているようだった。

「逃げられたーっ!」

 フラッシュバンを投げられた好きに遥香に逃げられてしまったわたしこと真矢が地団太を踏んでいらだっているのに対し、彼方は何も言わずに見ているようだった。

 桃子や鈴から見ればどうすればいいかわからずに見ていると言うように見えるが、彼方の頭ではすでに話した通りの冷静な頭脳が回転を始めている。

 学校の成績は桃子が上の下でもう少しで中に届くほど、わたしは中の中の上ほどと、わたしは部活はしてないが運動神経いい方で、桃子は彼方より運動が苦手と、わたしたちは学校ではお互いに成績は悪い方ではないが、微妙なくらいだと言えた。

「とりあえず、警察に連絡しようか?」

「―――」

「これ、危ないよ?」

 言うとおりだった。

 砕け散った滑り台の部品が地面に落ちている状態で、あの怪物の出現と言いわたしたちで到底どうにかできるような事態ではなかった。

「あ、もしもし、警察ですか?」

 何にしても後は警察に任せてとりあえず家に帰る。

 解決しないといけない問題はたくさんあるが、どうしようもない状態なのだが彼方はリューと言ったか、変わった生き物を腕に抱いた状態で警察へと電話をかけ、次の行動に移ることも必然だと言えた。


 真矢の話の続きになりますが、彼方の本質は非常に解り難い一面があります。

 初めて会った時は小学5年生の時転校し、隣の席に座った身として話しかけると結構慌てていてこの子大丈夫かと言う様子だった。

心配もしていたが教科書見せてくれたしノートも写さしてくれたし、勉強教えてくれたし教え方うまいし、話もよくするし、真矢が言う通り表裏があるが正確も悪くないと言う極上品だと言えた。

「―――何が? 起きてたの?」

 何が起きたにしても警察へと連絡しいろいろと聞かれかけていたが、彼方は無難と言うほどに見事に答え、後を任せると言うように言い、名前も名乗らずに電話を切った。

夜も遅くなって暗くなるし、警察が来る前に早く帰ろうと言うように言い、家路につく中で彼方が口を開いた。

「何が起きているの? と言う方が正しいかな? リュー?」

 動物にもなつかれることが多く、正体不明の生リューを抱きかかえ、反対にリューが人に慣れていると言うべきか彼方は適当に遊んでいる状態でした。

「―――?」

 真矢はと言えば彼方の抱えているリューを見て生き物なのかと言う疑問そうな眼で見ていました。

「―――ん~?」

 未来が見えるようにはなったが、彼方がもう一人の自分とあったと言う過去や、彼方がどこまで能力を覚醒させているかは解らず、心も読めるわけもなく、彼方は考え事をしているように見えました。

「あ? そうだ?」

「?」

「とは言っても、少し夜遅いか?」

 少し考えているようだったが、少しして彼方は口を開き、真矢がどうすると言うかのように反応の中で、状況的に判断して一応は常識的なことを返した。

 深夜には程遠いが、あと少しでかなり遅い時間帯だった。

 先ほどの彼方の物言いと言い、真矢を探しに来たことは明確で、真矢の母こと透子が心配していることは明確だった。

「あれ~? もしかして真矢ちゃんたち~?」

「―――?!」

「何してるの~?」

 一度家に帰ってと言うようなことを彼方かわたしかが言おうとする中で、突然後ろの方から聞き覚えのある子供のような声、と言うよりも、あれは間違いなく枝葉さんの声だった。

「―――枝葉さん?」

「枝葉さん?」

「枝葉さんだ~。」

 真矢、わたし、彼方の順番で反応して振り返ってみてみると、いつの間にかと言うべきか、先ほどまで気配もかけらもなかったのに枝葉が後ろに立っていた。

「こんな時間に歩いているとオオカミにたべられちゃうぞ~?」

「―――」

「野良犬ならいると思うんですけど。」

 冗談なのか本気なのか、枝葉は底抜けに明るい女性で声も子供のような声で言い、わたしたちがおどろいている中で彼方はと言えば枝葉の言葉に半場真剣に答えている様子だった。

「やっぱり彼方ちゃんね~? うまいこと言う~♡」

「?」

 期待通りの答えが返ってきたと言うような様子でよろこび、勢い良く抱き付くんじゃないかと言うような状況の枝葉に対し、彼方はと言えば何か意味の解らなさそうな反応だった。

「―――枝葉さん。何? 真矢たちいる、の?」

「あ。」

「―――」

 少し後ろの方だが遅れてきたと言う状態で道が姿を表し、道は彼方に気づき、道は彼方に気づき動きを止めた。


 何でここに彼方がいるんだ。

 家を出た後気配のする方向へと言ったが、途中で気配が消えたが何にしても気配の場所へと僕こと道と枝葉が到着すると目的地だと思われる場所にはパトカーが数台止まっている状態で到底近寄れず、何が起きているかわからないが引き上げることとなった。

 枝葉に場所を間違ったのではないか、気配は消えていないのではないか、場所をごまかして後で行く気かと言うようなことを言われながら帰路につく途中、枝葉が彼方たちに気が付いて声をかけたのだ。

 忍者だから暗く遠くてもよく見えるし音もなくすばやく走り、いつの間にか彼方たちの集団の輪に溶け込んでいる状態だったが、何にしても納得ができないのはなぜ彼方がここにいるかと言うことだし、昼のこともあって気まずい状況だ。

「ぁ、やぁ………」

「ぅん。」

 最悪なことに一番に彼方と眼が合い、話すこととなってしまった。

「―――――」

「―――――」

 だれか話をごまかしてほしいが事情など知っているのは真矢だし、余計にまずいことにしそうだし、だれかが口を開くのを待つようななんとも言えない状況だった。


 何で道がここにいるのかと思いました。

 夜遅くなり始めているこんな時間だし、昼の一件もあるし、真矢は何か言うと余計に面倒なことになりそうだし、桃子と鈴、枝葉は言えばどうしようかと言うような反応でした。

「―――――?」

「―――あ、すみません?」

「ぁっ、ぃぇ?」

 不意に後ろから人の気配を感じ、振り返ると大人の男の人だと思われる身体が見え、顔を上げてみてみるとおどろかしたと思ったが謝られたが、顔を見てみると日本人ではないように見えた。

「―――スゴっ?! 外人? ファイファン? ゲームみたい?!」

 合わせるように顔を向けて真矢が思わず男の人を見た後思わずそう言い、男の人は真矢の言う通り、本当にきれいな外国人の人で、服装こそ普通だが真矢が言うようなゲームに出てきそうな怖いぐらいきれいな外国の人でした。

 暗い場所でもわかる白と言うよりも銀色の髪に赤い瞳、背も高く細身で以外にも普通な日本語で話、あやまった後は何事もなかったかのように前へと歩き出した。

「―――――待ってよ~~~? 理沙~~~?」

「早く帰ろ~? カークさん心配しているよ~?」

 何事もなかったようにわたしたちを通り過ぎ、道を通り過ぎていく中で、不意に少し遠くからわたしたちよりも幼い子供の声が聞こえると、遠くから双子と思わしき少女が遊びながら走り回り、前に進んでいた。

「伊那様~、理沙様~」

「―――――?」

「様?!」

 双子の姿を見ると男は双子に向かい声をかけ、確かに様をつけ、丁寧な口調で思わずおどろき、興味津々で見ていた真矢はおどろきを隠せない様子でした。

「あ、カークさんだ~?」

「カークさ~ん。」

 双子は男の姿を見ると、知り合いか何かのようで顔を見るとすぐに男に近づいてきた。

「カークさん。抱っこ抱っこ?」

「おんぶ~。」

「わ? 2人とも? あの?」

 わたしたちが見ている中で、保育園の先生のようになつかれ、カークが中腰の体制になると2人はカークに抱き付きかかり、カークは困っている様子を見せたが、1人を肩に、もう一人を腕で胸の前に抱えた。

「では、帰りますよ?」

「「は~い。」」

 ある意味変わった光景をわたしたちは見ていることしかできず、カークはと言えば2人を大事そうに抱え歩き出した。


 あの2人だった。

確かにあの時に見えた2人だった。

わたしこと桃子はあの2人を確かにあの光景の中で見たことがあり、2人に対して、正確には理沙と伊那に眼を向けた。

「―――――」

「―――――」

「―――――」

 お互いに言葉を交わすことはないが、彼女たちの、加えてカークに本当はどれだけの力があったのか計り知れず、なんとも言えないが、2人と顔を合わせ、何にしても、軽くだが、軽く笑って返した。

「―――伊那様、お知り合いですか?」

「―――う~ん?」

 少ししてカークも視線に気づき、肩に抱えていた方、伊那のほうへと質問し、伊那と呼ばれた方は考え出した。

「カークさん? ご飯なに~?」

「白夜様のオーダー通り、いつものきつねうどんです。」

「つまんな~い?」

 迷っている伊那に対し、なんとも言え中で理沙がカークに別の質問し、カークが応える中で、伊那はわたしのほうへ顔を向け、軽くだが手を振り、ウィンクをした。

「―――桃子、知り合い?」

「―――ぇぇ、まぁ、ある意味ね?」

 反応や見えた光景から判断して敵ではないと言うことは明確だが、本当に何者か計り知れずどうするかと思う中で真矢が質問し、わたしは無難に答えた。

「カークさ~ん。チョコレート買って~?」

「いいですけど白夜様に怒られてしまいます。」

「わたしホワイトがいい~。」

 3人はと言えば、平和な雰囲気で話し合い帰って行った。

 

 銀髪で赤い瞳の男と謎の双子の姉妹と言う光景を見る中でわたし、枝葉の心の奥底では絶対に信じられない何かが起きかけていると言う思考が働いていたのは言うまでもなかった。

「―――そう言えば、この子だれ?」

 何が起きているかまだ分からないが、好奇心が働いたと言うべきか、見慣れない子を見つけ、思わず質問したが、少女は背を向け、怖がっているような様子で答えなかった。

「鈴、って言うんです。枝葉さん。」

「鈴? ベルの鈴? と言うかこの子、彼方ちゃんたちの違う制服じゃない? あの進学校の?」

 道と顔を合わせた時微妙な反応だった彼方はわたしの質問に対し答え、わたしが鈴に声をかける中で同じように鈴に眼を向けるが、鈴は振り向かなかった。

「―――と言うか彼方ちゃん手に何持っているの?」

「あ、これですか?」

 緑色のぬいぐるみのような物体を彼方が抱きしめて持っていたことが気になり質問すると彼方が目の前に出して正々堂々と見せてくれた。

「リューっていうんですけど、なんていうか~、と言うか鈴ちゃん大丈夫?」

 奇妙な生き物だが生きているようで、何かと見ている中で彼方は鈴のほうへと眼を向けるが、鈴は背を向け、反応せず、大丈夫かと彼方が回り込もうとした時のこと、桃子がいきなり鈴の前に立ち、勢い良く頬をたたいた。

「―――」

「―――逃げるな! 戦え! 現実を受け入れろ!」

「―――」

 たたいた音が勢い良く響き、鈴がなんとも言えない顔で頬を抑え、泣き出しそうな中で彼方が何をするのかと言うような言葉を言いかける中で、桃子は鈴に対し勢い良く言い放ち、同じようなことを言おうとしたわたしの口も止まってしまった。

「協力してもらうわよ! この臆病者! 冗談ですまないのよ?」

 普段の上品そうな印象の桃子とは違い、かなり凶暴な様子で狂気的で、鈴は地面に座り込み、静かに泣き始めた。

「桃子ちゃん? 酷いよ? 鈴ちゃん泣いているよ?」

「―――」

「―――桃子ちゃん? なんか怖いよ? 何があったの?」

 泣き出した鈴に心配そうに近寄り桃子を説得するように言う彼方だったが、桃子は異常なほどに鋭い眼で鈴を見つめ、彼方は思わず怯んだ。

「―――彼方、真矢、枝葉さん、神宮寺君、この子はわたしが何とかするから、先帰っててくれる?」

「―――で―――」

「―――わたしとこの子の問題なの。」

 物凄い気迫で桃子は物を言い、心配そうに言葉を返そうとする彼方に対し、桃子はすばやく返した。


 いずれと言うよりもすぐにでも事情を彼方たちに話さなければいけないが、状況的に判断して一番最初にすべきはこの鈴の説得だと言えた。

 強引なのはだれがどう見ても当然だが、彼方たちを追い払うように言い、幸運にも納得してくれ、先に返し、少しして見えなくなる中で暗い道にはわたしと鈴の2人が残されていた。

「まず立って、すべて現実なの、死にたくないなら手を貸して。」

「―――――」

「わかるでしょう? 変えることができるの。 逃げたらどうなるかわかるでしょう?」

 強引でいじめるようだが鈴を立ち上がらせながら怒るように言い、鈴と眼を合わせたが、鈴は眼を閉じ、涙を流していた。

「―――これ以上涙を流したくないでしょう? わたしに手を貸して! わたしはもうあなたみたいに泣きたくないの! 1人になりたくない! 逃げられないのはいや! 同じ力を持っているなら協力して?! ―――真実に―――――」

「―――――」

 鈴を見て、怒りか悲しみか感情が湧き上がって来た。

 わかってはいるが抑えられないし、声も小さく弱く、震えだし、眼には涙が浮かび、鈴が気づいたときには涙を大量に流している状態だった。

「―――したくない、でしょう―――――?」

 両手で顔全体を覆い、抑えよう思ってこそいるが、感情を抑えきれず泣き始めてしまったが、鈴は心配そうに顔を向けていた。

「―――何が、あったの?」

「―――大切なものを、なくしたの、だけど、取り返せなくて、もっとなくなって、どうしようもなくて、頑張ったけど、だめで―――だから!?」

「?!」

 わたしたちの力は一部の未来を見ることができても、他人の心や過去を見ることはできず、鈴が心配そうに聞く中で、わたしは勢い良く鈴の肩を叩くように手に取った。

「なくしたものものあったけど! 新しいものも手に入れたの! これ以上失いたくない! お願い! 力を貸して!」

「―――」

「人よりわがまま、自分勝手かもしれないけど、そうだけど、望んだらダメなの?! 代わりがいたらダメ?! これが、これが、運命とか言うものなの……………?」

 立場が逆転していたし、後で少ししてすぐに話すが、わたしのなくした大切なものは本当に取り返せないものだし、神にしても何にしても対価とも言える物体も存在しない貴重なものだ。

 鈴が心配そうにわたしを見つめ、わたしは半塲暴走したような状態で言う中で次第に落ち着き、冷め始め、眼から大粒の涙、鼻から鼻水、口から唾液を大量に流すと言う酷い状態の顔になり、地面に膝をついた。

 勝ち負けの問題ではない気もするが、鈴が大丈夫かと言うように抱きしめ、弱いのはわたしの方で、わたしは鈴よりもひどい状態で少しの間泣いていた。


 桃子と言い鈴と言い何かおかしいことが確かと言え、2人は知り合いには見えないが、何かを知っていることは明確だが、状況的に聞き出すこともできず、わたしこと真矢と彼方、道、枝葉は桃子と鈴を分かれることになった。

 普段とは違う様子の桃子だったが、あの凄みになんとも言えず、1人だけ大人の枝葉も言い返すことができずで、別れて帰ることになってしまった。

「と言うか、何で枝葉さんと道が?」

「ぇ?」

「あ、そう言えば?」

 枝葉さん一人ならば大人だしコンビニに買い物とかと納得できるが、道と一緒で、わたしが質問すると道は少し慌てたような反応で返し、彼方も肝心な点に気が付き、道のほうに眼を向けた。

「デ、ェ、ト!」

 冗談か故意か、先ほどのことを大人としてごまかそうとしているのか何にしても瞬間的に枝葉が道勢い良く抱き付くように腕を組んだ。

「違います。」

 腕を組んだが、面倒なことは嫌だと言うように道はすばやく枝葉の腕を払った。

「道く~ん?」

「養正さんに頼まれたんだ。『女一人で生かすには危険だ。それにお前の丹念にもなる。』てね。」

 大げさな演技にも見えるが枝葉が悲しそうに言う中で、道は簡単に事情を説明した。

 牧野養正は枝葉さんの祖父で、道が通っている剣道場の先生でもあり、道の家系神宮寺家とはご先祖様何代にもわたり歴史的にも結構長い付き合いだそうだ。

「コンビニ行くぐらいで大げさよね~?」

「それにしてもわざわざ何であんな遠くに行くんですか~?」

「お気にのプリンがあそこにしかないの~。」

 お隣のお姉さんで、道と言い、姉妹みたいな光景だった。

「―――」

「―――」

 彼方がまた複雑な顔をしていた。

「そうだよね? 昼の一件もあるし、あっ?!」

「―――」

 こちらと違い危険な眼には合ってないようで、彼方から見て少し安心して一息吐き出したのが分かったかもしれず、思わず漏らした言葉に道がまずいと言うように顔を変え、わたしは思わず口を閉じ両手で覆った。

「―――」

「何? どうしたの? 道君? 彼方ちゃんまで?」」

 まだ早すぎる。

 昼の道と彼方の一件、教室に戻った後は何の問題もなく教室内は冷め、教室間は問題なかったが、彼方と道は話さず、個人間の観点で言うと、解決していない状態だった。

 事情がわからない枝葉はわたしを含めた3人に眼を向けた。

「―――何かあったの?」

「え、ぇえ………」

「まぁ、はい。」

 枝葉に質問され先にわたしが、次に彼方が何とかと言うように答えを返した。

「あ、あの、ごめんね? 彼方? わざとじゃなかったから、ね?」

「道君? 何? あなたが悪いことしたの?」

 間が飽きそうだったが口を開いたのは道で彼方に対し眼こそ反らしているが、何にしてもあやまり、枝葉は道の言葉に反応した。

「ぅ、うん、わかってるから、それにいいって言ったし………」

「―――と言うか、真矢にも責任あると言うか―――」

 枝葉が反応した中で彼方も返し、道は少ししてわたしのほうに眼を向け、彼方も少し真矢ちゃんのほうが悪いよと言うような顔をしていた。

「何? 三角関係? 最後は血みどろな結末?」

「違います! わたしが彼方引っ張ったら転びかけて道が助けようとしたら彼方の胸わしづかみにしちゃったんです。」

 枝葉さんはどこか変な部分があるが、PCの変なゲームが好きでよくやっていて、インターネットとかで怖い映像とか、女の子だけど結構男の子っぽい趣味のわたしも結構人にこと言えないけど、よく影響され変なこと言うことがある。

「―――――あ。」

「―――なるほどね。」

 思わず言ってしまった。

 確かに道と彼方をいい感じの関係に持って行こうとは考えていたが、あの時逃げ出した時と言い、道が変態扱いされる可能性がある。

「じ、事故ですから? 転ばずに済みましたから。ね?」

「ラッキースケベってやつね。」

「枝葉さんはいいから、そう言えば逆に彼方たちはどうしてこんな時間に?!」

 道のほうに枝葉は顔を向け、気まずそうな道に対し、彼方は何にしても悪くないと言うように言う中で枝葉はお決まりだと言うような言葉を口にする中で、道は聞き返してきた。

「―――」

「真矢ちゃんの帰りが遅いから、探しに来てたの、それとこれ。」

 道言い訳するかと思っている中で彼方が口を開き、道と枝葉にリューを見せた。

 この手の小さい生き物は結構動き回るし、鳴き声はうるさいのが多いが、リューは彼方の腕に抱かれて静かにしている状態で、道と枝葉が見せる中で眼を閉じ、寝息も聞こえないほどに静かに眠っていた。

「―――」

「―――」

「―――なにこれ? 枕? ぬいぐるみ?」

 枕と比べると小さいが、眼も閉じ柔らかそうな緑色の毛の塊が見えぬいぐるみに見えなくもなく、枝葉は思わず口を開いた。

「―――あの、なんて言ったらいいんでしょうか?」

 後で聞くことになるけど、長いし複雑だし、夜も遅いしこの場で話し切れない話だ。

「不思議なことが起きたと言いますか―――――」

「―――彼方?」

「彼方!?」

 あの時と同じだ。

 話そうとしたら彼方は不意に立ちくらみのようなものを起こし地面に膝をついてしまい、道が勢い良く近づき、彼方を支えた。

「―――」

「彼方? 大丈夫?」

「ぅん、大丈夫、ちょっとくらっとしただけ。」

 確かに彼方はわたしとくらべると少し身体も弱い方だが、身体は一般的に弱い方ではないし、貧血のようなことは起こしたことは数えるほども覚えるほどもないが、わたしから見て1日に2回も起こすと言う異常事態だった。

 どちらかと言えばこういうトラブルは桃子が多いが、彼方は運がいいのか、体質的なものか、少ないので異常な事態だった。

「やっぱり彼方大丈夫じゃないよ?」

「やっぱり?」

「学校帰る時もこんな調子だったの。」

 何にしてもあの時と同じですぐに全開したようだが、少しまた顔色も悪くなっているし、わたしが言う中で道が聞き返し、わたしはすぐに勢いよく返した。


 たくさん話したいことがあり、解決しなければならない問題があり、リューのこともあり、どうするかと相談がしたいが、二度目の立ちくらみのようなものが起き、真矢の勢いを含め、わたしこと彼方の話は止められました。

「彼方、桃子と言い普通じゃないよ? 道にはとりあえず黙っとこう?」

「―――」

「これわたしがゲーセン行ってUFOで手に入れたんです! 彼方が欲しそうに見てたんでとってあげたんです!」

 不意に小声で真矢に耳打ちされ、だけどと言うように返す前に、真矢はその場で思いついたのか枝葉に対して適当な嘘で返した。

「鈴と桃子はなんでも幼い時からの付き合いで偶然会ったんだけど、なんか喧嘩別れしたらしくて、こじれているみたいで―――」

「―――」

「なんて言うか、普段ほのぼのとしてるから、見慣れないもの見て疲れたんだと思います。」

 なんと言うかうまいです。

「疲れたし、家帰って休んだ方がいいよ? 話は明日でも、メールでもいいから、ね?」

 この言葉だけでは嘘では無いようで、眼が泳いでないし、真剣な表情でした。

 元気そうな人に心配されると表情が豊かで本当に心配そうな顔で、思わず言うとおりにするしかありませんでした。


 それほど彼方は身体も弱いほどではないが、真矢は彼方のために結構嘘をつくことがあるし、女の子相応の事情もあると思われるし、何にしても手が出せない状態で、彼方は真矢に見送られ帰って行った。

 本題は彼方が手に抱えていた生き物で、ぬいぐるみだと言ったがどう見ても生きているし、普通の生き物にも見えなかった。

「―――――」

「道く―――」

「あれは違います。」

 枝葉が案の定聞いてきたので返した。

「―――」

「僕にも何かわかりません。」

 真矢たちが見てないから能力を引き出し、言葉通りの眼の色を変えた状態で見てみたが、あの不思議な生き物には僕の眼で見る限りは危険はないが、正体がなにかも解らず、逆に危険とも言えた。

「―――文献を見直す必要もあると思います。何にしても、彼方たちを巻き込みたくないですからね。」

 情報も力も何もかも不足しているし、自分の身にも何が起きているか、健康診断とかで言えば健康だけど、解らないことはたくさんあった。

「―――?」

「がんばってるし、かわいいなと思って。」

 言うと勢い良く抱きしめてきた。

「―――苦しいです。」

「こうすると大概の男はよろこぶって書いてあったのに~?」

「だからどこで覚えたんですか?」

 いつものように返し離れる中で枝葉が残念そうな反応を返したが、僕は仕方ないと言うように返した。

「―――」

「いぇ、言わなくてやっぱり結構です。とりあえず帰りましょう。」

「あ? 道く~ん?」

 よくと言うよりも瞬時に考え付いたが、変なゲームとかアニメの話になりそうだし、すぐにやめるように手を前に出して拒否し、背を向けて先に進むことにし、枝葉は僕を追いかけることとなった。


 本当はこの時、道には言わず、後で報告することになるが、冗談では済まない話だとわたしこと枝葉は感じていた。

 忍術を習ったと言ったが、冗談にも思えるが、訓練した感覚は、この時微妙だが、この時は実は一瞬で気のせいだとも思っていたが、強い視線を感じていた。

 たとえると青い炎だった。

 後で納得するが一番これが妥当な表現で、炎は青色のほうが冷たそうに見えるが実は赤の倍以上の高温であり、きれいだが冷徹な瞳の視線を感じたのだ。


 どこのだれがこのご時世に忍者がいるだろうと考えたかと言われると、万が一にと言うことを考えていたとしても忍者の存在をわたしことヴィナは全然と言うほどに考えていなかった。

 確かに日本(ジャパン)暗殺者(アサシン)の一種である忍者の本場の発祥の地であり、可能性はゼロとは言えなかった。

付け加えてエンターテインメインとなどでは見たことがあり、多くは虚言的な表現のために遭遇しても信じられないのが実情だった。

「This is alpha2, All Green. Over.」

「―――Commander Rain. Is their?」

「――――uh………sorry. ―――I don t Understanding that………」

 ―――こちらアルファー1、状況良好、どうぞ。(送れ。)―――

―――レイン指揮官? 彼らがですか?―――

―――ぅ………すまん、―――わたしにはわからない。―――

 日本語訳するとこういう会話となり、面倒なので後は日訳になるが、ヤン司令官とわたしは話した後、わたしたちは、正確にはわたしは奇妙な、彼方たちが持つこととなる奇妙な感覚に導かれ出動していた。

 人気の無い場所へと隠れ、反応のある場所を見てみると、夜が遅くなりかけているがほとんどが少女の集団たちで、歩きながら何かを話し合い別れ帰って行った状態だった。

「―――追いかけますか?」

「―――不要だ。いったん帰投しよう、調査はそれからだ。」

「了解(Yes sir)。」

 わたしたちの姿は肉眼で見ることはできない状態だ。

 この特殊強化服には特殊な迷彩が施され、靴も足跡をなくし、音も大きい音が極力しないように加工がされ、眼の照明も消灯が可能で、周囲にはわたしたちの撤退する音に合わせ、風のような音が周囲に響いていた。


 どこのだれが何してようと勝手だけど、彼方たちと会い、怪物を倒して逃げたわたしこと遥香は一応は一仕事終えたので、雪乃の部屋の前に戻っていた。

 人間でない力の恩恵で好き勝手飛び回り、ベランダから侵入し、正々堂々と窓を開けて侵入すると、案の定と言うよりも怪物を倒す前に来た時と変わらない汚い部屋が広がっている状態だった。

 だれがどう見てもダメ人間に見えるが、仕事だけはまともで、入ってみると、普段どこに置いているか聞きたく場所は不明だがきれいなスーツ姿でナチュラル系で濃くないが明るい化粧をした雪乃の姿があった。

「あ? 遥香?」

「―――仕事?」

「うん。行ってくる。」

 昼夜逆転した夜型人間の典型で雪乃は出かける前と別人のように違い、出る前はジャージ姿で髪もかき乱したように乱れているが、整理整頓されたきれいな女で眠気などかけらもない元気な状態なっていた。

「あ? そうだ?」

「?」

 何にしても彼方たちのことを一応報告する必要があるかと思い、言うか考えていた時だが、雪乃が成人用の栄養ドリンクを一気飲みした後適当に投げ捨て背を向けいざ仕事へ行くかと思った時、勢い良く振り返った。

「―――――あの子たち、敵に回さないほうがいいと思う、特に彼方って子。」

「―――み―――」

「じゃっ! ごめんね? 来てくれたのに?」

 力はそれぞれ違い、雪乃は未来を見るとか、どこかほかの遠い場所を見るとか、中身が見えないものを見ると言う能力があるらしいが、わたしにはなく、それで見ていたのかと聞く暇もなく雪乃は駆け出した。

「重要な役割を持っていると思う、多分。」

「雪乃?! どう言うい―――?」

「そう思う、というか、それがわかるの。」

 いつもこう言う反応で出て行ってしまうのだ。

「よかったらドリンクでも飲んで? 冷蔵庫にキンキンに冷えてるのあるから!」

「―――」

「成人用だけど、あなたなら大丈夫だと思うから、それとたまには学校行きなさいよ~? サボってて人のこと言えないけど~、じゃっ!」

 文句を言う暇もなく雪乃は出て行き、念入りに鍵もかけて行った。

「―――まったく。」

 言いたいこともあるが、何にしても一息入れるために冷蔵庫を開け、ドリンクを取出し飲むことにした。

 背が高いのが嫌いで腹が立ち気にしているが、平均身長の10Cm以上も背が高く、体格も大人同然で、雪乃の言うとおりで、以前にも飲んで特に害もなく、慣れた状態で飲みほし、雪乃の落としたビンも広い、部屋の満杯になりかけのゴミ箱に捨てた。

 文句も雪乃に言いたいが、室内にもおらず、突然のあの一言と言い、身が解らず、わたしは思わず八つ当たりして地面を足蹴にし、近くの壁をたたいた。

室内は無人だったが怖がられもせず、後日部屋を汚部屋にしている雪乃がテレビを消し忘れたか、重たいものが落ちたと思われると言うような苦情を言われたのは無理もなかった話だ。

 

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