集結(初期)
わたしこと彼方は真矢たちのことなど知ることもなく、あの一件の後食事を何事もなく終えてお風呂に入っていました。
桃子が先に話して「リュー」と言うことになりますが、まだ名前を付けてない段階なのでとりあえずあの謎の生き物と言うことにしますが、あの生き物を一緒にお風呂に入れて洗おうとしている状態でした。
どこにいたかもわからないし、よく考えるとゴミ箱で見つけたし、汚れている可能性も高く、洗ってあげることにしようと思ったが、嫌なのか逃げ回っている状態になっていました。
「―――ダメだよ? きれいにしないと?」
どこかも解らず湯船の中へと逃げ込もうとした瞬間をタイミング良く捕まえ、両方の手で押さえることができました。
臭いもためしに嗅いでみるが、無臭だと感じるほどに不思議なほどに嫌なにおいもせず、毛も柔らかく、いつまでも触っていたい心地よさだったが、何にしても洗い始めることにした。
「―――熱くない?」
少し強く握りしめた状態で、床に置き、手を離しぬるま湯と言うよりも水をかけ、洗い始めると、身体が水にぬれ、少々嫌そう暴れに、洗い終えると犬のように身体を勢いよく振りました。
全体的に丸い身体で、毛の色は黄緑で、変色したハムスターのようにも見えたが、色は生来の物のようで、洗っても変わる様子は一切ありませんでした。
降り終えた後こっちを見るが、別段嫌そうな様子もないようで、こちらもシャワーを浴びるなど、身体を洗い終え、湯船につかりました。
「―――ぁ~。」
年より見たいかもしれないけど、何にしても暖かくて気持ちいいもので、思わず言葉が漏れました。
「―――そう言えば、名前、付けたほうがいいかな?」
両手で優しく握りしめた状態で、顔を合わせ聞きました。
現実的に別の問題があるが、何にしても母こと聖歌の勢いに負け、捨ててくるわけにもいかず、あの夢のことも気になり、おいておくこともあり、名無しは困ると思い聞いたが、生き物はと言えば、何のことだと言うような反応でした。
「ん~、リューでい?」
鳴き声から安直に決めました。
少し迷ったような物言いだけど即決的なものだし、文句も言わないと思うし、聞くと生き物こと、リューはうれしそうに返事を返しました。
「かなちゃ~ん?! 靴下どこ~~~?!」
「―――――一番大きいタンス。上から5番目、右下。」
食事も終え、一家団欒の一時で、入浴中に聖歌が勢い良くドアをたたきに質問してきた状態で、素早く答えを返しました。
母子家庭と言うこともあり、聖歌が忙しいこともあり、家事はほぼわたしがしている状態で聖歌はどこに何があるのか場所がわからない状態になり、覚えていたので教える状態た普通になっていました。
「ありがとー、おかーさんまた仕事~、行ってくるね~?!」
「うん、気を付けて~?」
いつものことです。
朝帰って来たかと思うと、再び出かけ、夜に戻ってくる。
一見するとかなりのハイサイクルで不規則な仕事の状態ですが、これが聖歌こと母の仕事の日常です。
外資系産業アサルトトレーディングと言う会社に勤め、国際的な仕事を扱っているようで、インターネット通信もあるが、海外との時差や翻訳など、状況通りの忙しい毎日を送っています。
安心して帰ると言う話通りに給料も非常にいいようで、わたしは母子家庭ながら結構いい生活をしていると思うし、何にしても聖歌が出た後も少しの間入浴していました。
写真でもあればサービスカットな話だし、道にも見せたら漫画みたいに鼻血でも噴き出して倒れたり、あの時みたいにうろたえるかもしれないが、本題は彼方の入浴ではなく、鈴と会ったわたしこと真矢のことだ。
突然腰を抜かすように倒れた近くの進学校の生徒が暴れ出し、どうすればいいかもわからないのに落ち着いてもくれない状況だった。
放置して逃げればいいかもしれないが、反応が普通じゃなかったし、ある意味いらないお節介だが落ち着かせることにした。
「ちょ? ちょっと? 落ち着いて?」
振り回す手から離れ、落ち着かせようと近づくが眼を閉じている状態で、鈴はもう必死で抵抗していた。
顔を見た瞬間と言い、スケッチブックを落としたことと言い、訳の分からない状況で、わたしは何とかして落ち着かせようと近づきました。
「落ち着いてよ?! 話聞いて?! 大丈夫なの?!」
「―――」
「何があったのよ?」
わたしは鈴の暴れている両腕を強引に自分の両腕で押さえて止めました。
「こんなの、こんなの嘘だよ?」
「―――――?」
「何も知らない! 全部うそ! 夢だよね!? 夢だって言って!?」
この時鈴の身に何が起きたかもわからないし、突然夢だと言われても困る状況だった。
「とりあえず、これ?」
「―――」
あらためてと言うようにスケッチブックを渡そうとすると鈴は受け取り、大事そうに抱きしめた。
「何があったか知んないけど―――、そう言えば近くの進学校の生徒よね? 入野は………」
「いやっ?! 知らない!? お願い!?」
ヒステリーとはこう言うことを言うのかと言う状況で、物言いは言葉と言うよりも悲鳴に近い状態だった。
鈴と話している真矢と違い、気分爽快な雰囲気でお風呂から上がったわたしこと彼方は、リュー片手にもち、反対の手では髪を拭きながら自室に入っていました。
「あ、そうだ。」
部屋に入り、部屋を見る中で、バッグに目が向き、何にしても真矢に連絡しようと思いました。
「ぇ~と?」
机の上にリューを置き、バッグに近づき手を入れ携帯を探し始めた時、後少し、ここらへんかと思う中で携帯電話が鳴り始めました。
「―――っ?! あ、違う?!」
おどろき一瞬下がったが、よく考えると電話なので慌てることはないと判断し、調度よく探していたしすばやく見つけることができた。
『真矢ちゃんの家』
真矢の家、言わば真矢からの電話だと思われた。
「また電池切れかな? まったく、もしもし?」
電話でネットしたり、メールしたり、とにかくよく真矢は使うので電池切れなど日常茶飯事で予備の電池も3個か4個持っている状態で、電池切れるのが嫌とか言ってよく自宅から電話をかけてくることがありました。
「真矢ちゃ―――」
『彼方ちゃん? 真矢そっちに来てない?』
「―――おばさん?」
そう言えば連絡するとか言っていたような気がした事を思い出し、電話越しの相手を確かめることもなく名前を呼び、また電池切れたねとか言うようなことを言いかける中で、電話は真矢ではなく、おばさんこと透子が少し心配するような物言いで聞いてきた。
「―――帰ってないんですか?」
『―――そっちには来てないの?』
家の前で確かに帰るのを見たが、時間的に確実にもう帰っている時間だと言えるが、透子の物言いは一度も帰ってないような物言いだった。
『電話にも出ないし、まぁ、また電池切れだと思うけど、彼方ちゃんとは一緒じゃないのね?』
「はい。」
『も~、どこに行ったのよあの子は~?』
霧島真矢が別れた後家に帰ってない、奇妙なことが起きたことに加え、好奇心旺盛な面があるし異常事態が起きた。
「あの、心当たりがあるんで探してきます。」
『え? いいのよ? どうせまた買い食いとかしてるのよ? 放っとけば帰ってくるし、厳しく言っとくから、そんなに心配しないで?』
電話越しのわたしの身に起きたことなど全く知らない透子は先ほどの少し落ち着きのない母親と言う様子と違い、友達のおばさんとしての気を使わなくてもいいと言う明るい態度で返事を返しました。
『いい子だから、解っていると思うけど、また遊んであげて~、じゃあね~?』
「あの、―――」
事情を知らないので仕方ないと言えば仕方ないが、透子は明るい物言いで言い、電話を切りました。
「―――」
何が起きているかわからないが、真矢は帰ってないし、連絡が取れないことは状況的に事実だし、自分の身に何が起きたかもわかっておらず、わたしは少しの間が固まっていたが、一気に振り返り、走り出し部屋を飛び出した。
考えるまでもなく、真矢を探しに出ることにしました。
彼方と母こと透子の言う通りで言葉が返せません。
確かにバッテリー切らして自宅からかけたことあるし、予備のバッテリーも正確には5個持っているし、買い食いなら小学校1年生からしているし、心配されないのは無理もないのだ。
「ほら、飲む? 悪いことなんてしないし?」
彼方の身に何が起きたかわからないが、真相を突き止めようとしたことは確かで、鈴と会ったことと言い、普通な事態ではなく、何にしても鈴を落ち着かせ、公園の椅子に座らせ、近くの自販機で缶ジュースを2つ買い、1つを半場強引に鈴に渡していた。
「毒でも入れたみたいな顔しないでよ?」
無言で受け取った鈴の隣に半場強引にすわり、缶を開けて一口入れた。
「ほら、開けたげる。」
開ける部品、正確にはプルトップの前で指を動かし、うまく開けられない状態になっている鈴を見て心配になり、開けるのを手伝ったが、触れた鈴の手は少しだけ震えていた。
「わたし真矢、霧島真矢、あなたは?」
何にしてもかなり警戒しているようだが、わたしは自己紹介し、再びジュースを一口飲んだ。
少し冷たいが、頭を冷やすにはもってこいなジュースだが、鈴は一口も飲んでなかった。
「―――ず。」
「?」
「夢野、鈴、夢野鈴。」
ここでようやく鈴は名前を名乗ったが、かなり落ち着かない様子だった。
寝るために着たジャージ姿のままでだったが、特に着替える理由もないし、複雑な理由も考えず、上に学校指定の冬用のロングコートを羽織ったわたしは家を飛び出そうとしてました。
「―――一緒に、来るの?」
玄関を飛び出し、扉を閉めようとする中でリューが玄関まで追いかけてきていました。
慌ててと言うよりもかなり用意周到な状況とも言え、家の電気をすべて消したが、部屋のドアを閉めてはおらず、おいていくのと言うような顔をしていました。
「―――」
仕方ないと言うように、愛着がわいたと言うべきか、一瞬は置いて行こうかと思ったが、玄関のドアを開け、リューを抱きしめて玄関を出ました。
少しまだ暗いので片手には懐中電灯も持ち、学校してのコートも着ているのでいざと言う時には困ったことにはならないと考えながらわたしは片手にリューを持ち家を出ました。
行くのは紛れもなくあの公園です。
人に話しても理解されない感覚だ。
わたしこと桃子の身に起きたことがこの時事実かどうかわからなかったが、何にしても大切なのは真偽を確かめればいいと言う状況で必死に走っていた。
もし見えたものが事実ならば、最悪彼方が死ぬかもしれない状況で、ほとんど全速力とも言える速度で走り、あの公園がまじかに迫っていた。
霧島真矢と彼女は名乗った。
悪い人間には一切見えず、近くの自販機でジュースを買い、2つのうち1つをわたし、半場慌てていて缶を開けられないわたしを手伝ってくれた。
「も~? バッテリー切れ~? 最悪~?」
名前を名乗った後こちらも一応と言うように名乗る中で真矢は携帯を取出し、電池が無いようで少しご機嫌ななめな様子だった。
「まったく、予備のバッテリーは~と? 彼方と連絡とれないじゃ~ん?」
「!?」
「―――ドシタノ?」
バッグを開き、予備を持っているようで探し始めた真矢が言った言葉に反応してしまいました。
彼方
後で名前だと解るが、正確には名前だとわたしはあの目覚めた力で知っている状況だった。
「ダイジョウブ?」
真矢は普通に話しているし、おかしい状況なのは正確にはこちらのほうで、真矢から見ればわたしは再び暴れ出しそうな雰囲気に見えたことは間違いなかった。
正直に言うと見て欲しい状態ではなかった。
なぜなら見えたある光景を思い出してしまうからだった。
未来が見えていることは確かだが、いつのどこかわからないし、かなり怖い光景だった。
自分と同じくらいの少女が、正確には彼方と思わしき少女が地面に膝をつき、泣いてるのだ。
テレビや映画、カメラで高画質高音質のなどのきれいな映像と言うものがたくさん存在するが、突然こう言った映像が頭の中に繊細に映って見えるから困った能力だとも言えます。
「マケチャッタ。マケチャッタンダ………?」
ひきつった顔で笑顔とも、悲しい顔とも言えず、見開かれ生気のあまり感じられない状態の眼からは涙が溢れかえっている状態だった。
言葉が何を意味するかわからないが壊れた人形や機械のように言葉を繰り返し、何かに負けたことは確かなようで、周囲も凄惨な状況だった。
近くに人が倒れていた。
1人は2人ではなく、2、30人はいて、近くに2、30代ほどで顔は見えないが黒いロングコートを着た男がうつぶせに倒れていて、地面に大量の血が広がり、量から見て間違いなく死んでいるように見え、手にはライフル銃のようなものが握られていた。
「カナタ、しっかりして?! カナタ!? カナタァッ!?」
周囲には血や肉片のようなものも見え、死体も惨殺された状態が多く、凄惨な場所だったが、彼女だけが無傷で、いつの間にか真矢と思わしき少女が姿を表していた。
頭から顔半分以上が染まるほどの大量の血を流し身体も少しだけだが震えているようにみえ、服も破れたと言うよりも壊れ汚れ、傷まみれの身体と言う状態で彼方の肩を大きく揺さぶりながら声をかけていたが、彼方は同じ言葉を繰り返しているだけだった
2人がこれを永遠と繰り返している光景で、これ自体の意味を知りたいが、一番知りたいのは、近くにいるわたしと思われる死体だった。
顔は横を向いて彼方たちのほうに視線は向いているが、眼と口は開いたままで生気が感じられず、口からは少量だが血が流れ、身動き一つせず間違いなく死んでいる状態だった。
不意に他人から見ればわからない内にこんな光景を見ている状態で、意識が現実から薄れかけている状況で、真矢の一斉でわたしは意識を取り戻しました。
「顔色悪いよ? 何にしても………」
「真矢!?」
「?」
真矢はと言えばこちらを見て少々心配そうな表情で言い、言いかける中で不意に誰か遠くから真矢を呼び、真矢は声の方向に顔を向けました。
「―――桃子?!」
「―――うそ、でしょう? やっぱりなの?」
顔を向けた真矢は声の主を知っているようで名前を呼んだ。
「やっぱり? どうしたのよ?」
「―――と言うことは………?」
お互いに何にしても事情があるようで、何か話している様子が変で、いったい何事で誰かと思い真矢同様に彼女こと、桃子のほうに顔を向けた。
木之本桃子
後でと言うよりも、わたしはあの光景の1つの中で間違いなく彼女のことを知っていた。
顔を向け、彼女と会うと視界が一瞬で切り替わった。
左目の眼の前に金属製の鈍く光る黒色と金属の銀色のまじりあった円形の輪、間違いなく銃の銃口で、反対の眼に映る光景にはこちらを何も言わずに見ている彼女の眼が存在していた。
殺意か脅迫か、何にしても眼は一切そらさずこちらに向けている状態で、動けずなんとも言えない状態だったが、桃子が口を開いた。
「また逃げる気?」
光景はいつ何処かも解らず、未来かもしれないと思ったが、光景の中の桃子はわたしに対し、何に逃げたか不明だが、報復か遠慮なしに銃を向け、物言いも本気で脅し以上の低い声色だった。
「白化するかもしれないし、殺した方が身のためね?」
「?」
「―――さよなら。」
白化、意味は解らないがこの時は発火やハッカかもしれないと思いながら聞き、桃子は言い終えると銃の引き金を引きました。
銃声が聞こえた気もするし、眼に激しい痛みを感じた気もするし、この後何が起きたかは一切わからない状態だった。
何にしてもわたしは見える光景の中で悲惨な目に会い、わたしは茫然自失の状態となるか、半場錯乱状態に陥る状況になっていた中で、桃子は真矢に近づいてきていた。
「真矢ちゃ~ん?」
不意にどこかから同じ年齢ほどの少女の声で真矢を呼ぶ声が聞こえました。
「?!」
「―――?!」
「?!」
全員がおどろきを隠せない状況で声の方向へと顔を向けると、手に懐中電灯を持っているのか、小さい灯りが手元に見え、コートを羽織っているように見える少女こと、彼方の姿が見えました。
携帯に連絡しても無論反応はなく、少し急ぎ足で公園にいき、たどり着くとわたしはためしに真矢を呼んでみました。
あの夢のような出来事に巻き込まれた可能性もあるし、倒れていたらことだし、リューのことを教え、何にしても話すことはたくさんあると思いました。
「真矢ちゃん? いないの~?」
「彼方?! 彼方?!」
「あ、いた。」
案の定と言えば聞こえがいいが、真矢はいました。
「真矢ちゃ~ん、おばさん心配してるよ~?」
「彼方?! やっぱりなの!?」
「あれ? 桃子ちゃん?」
わたしのように気絶している様子は一切なく、元気に立っているようで安心しましたが、近づいて行ってみると真矢の近くにはなぜか桃子ちゃんと、見覚えのない子の姿が見えました。
「ちょっと? 彼方? 身体大丈夫なの?」
「身体? と言うか、これって?」
「大丈夫だよ~? と言うか、この子だれ?」
真矢はあの時の一件もあり病み上がりを心配するように言い、桃子は何が起きたか意味不明だと言うような様子で、わたしはと言うともう一人の子のほうに思わず懐中電灯を向けました。
「―――!?」
「―――大丈夫? と言うか、あ、あの進学校の制服?! ―――何があったの?」
懐中電灯に不意に照らされ、おどろいた様子で身体を伏せ、顔を覆ったが、見るとあの進学校の制服姿で学校の生徒だと思い反応してしまったが、何にしても異常事態が起きているようだった。
「―――ぁ、静かにして?」
「?!」
手に握っていたリューが鳴き声を上げ、わたしは少し抑え、半場強引にですが黙らせましたが、真矢は何かと思い、おどろいてわたしに手元に目を向けました。
「彼方!? それ………?!」
「ぁあ、これ? この子?」
4人全員細かい事情を知るわけもなく、何が起きているかわかることもない中で、わたしはリューを3人の前に見せました。
「リューって言うと、なんていうか、拾ったの。」
そう言うしかありませんでした。
何にしても夢だと思っていたことを説明する必要があるし、真矢も見つけたしと言う状況だし、問題はたくさんあるが、問題を1つずつ片づけて行こうと思っていました。
後ろの恐竜を模した滑り台だ。
未来が見えたと言ったが彼方の登場と言い、見た通りの事態で、後ろの恐竜の姿を模した滑り台が揺れて壊れるのだ。
鈴は知っている可能性があるが、彼方と真矢は全然まったく気が付いてない状態で、思わずわたしはこれから起きることを、見た通りの勢い良く振り返ってしまった。
「くそっ!」
「―――桃子ちゃん?」
「桃子? どしたの?!」
世に言う年頃の女の子が言うような言葉じゃないのは解っている。
確かにわたしは外見的には髪も長く柔らかいくせ毛で、彼方たちから髪の黒い西洋人形みたいだと言われてこともあり、上品に見えるが中身は自分で言うのもなんだが実際は結構病んでいる。
鈴は頭抱えて動かないし、彼方と真矢は何事かと言う反応だし、いったい何事かと言う暇もなく、地響きのような音が周囲に響き始めた。
「………地震?」
「―――いや、なんか? 違わない?」
地面が微妙に揺れ、彼方が何事かと言うように聞くが、案の定だと言うような反応で、真矢はと言うと、微妙には違うことに気が付いているようでした。
「―――――地震だよ? 怖くないよ?」
真矢が彼方に意見を返し、2人合わせて何かという顔をしている中で、不意に彼方の手の上に載っているリューが鳴き声を上げ始め、彼方が落ち着かせようと撫で始めました。
「彼方? それぬいぐるみじゃないよね? 生き―――――」
「あれ!? 見て!?」
「ぇ?」
見えてはいたが何かはよくわからずと言う状況で、真矢が不思議そうに聞く中で、わたしは振り返った少し先の方向にある恐竜の姿を模した滑り台を勢いよく指さし、彼方と真矢は指さした方向へと眼を向けた。
突然姿を消し、姿を見せたかと思うと具合の悪そうだった彼方が姿を表し手に変な生き物を抱え、わたしは異常事態を無駄と思いつつも調べている中で鈴に会い、話しているとなぜか桃子と彼方に会うことになった。
彼方は会話の内容的に判断して連絡が取れないから母透子に変わって探しに来たが、解らないのは桃子で、不意に現れ、人が変わったような反応で不意に遠くを指さした。
地震なのか、大きい車や地下に電車でも近くで通っているのか地面が揺れている状態で、桃子はまるで指さした方向の恐竜を模した滑り台が根源であるように指さしてました。
「?!」
「ぇ? 壊れてる?」
「まさか? でるの?」
ひびが入っていき壊れて行っている。
確かにペンキとかが結構剥げて年期も入っているし、古いのは確かだし多少の亀裂は見えたが、揺れに合わせて亀裂が広がり動いているようにも見えるほどだった。
わたしも彼方もおどろきで言葉が出ず、桃子はと言うと、これから何かが起きるのをわかっているような様子にも見えました。
「何? 桃子? いった―――――」
いったい何が起きているのと言う質問を言い切る前に、滑り台は一気に砕けて壊れた。
多分セメントみたいなもので造られているだろうし、鉄筋コンクリートだと思うが、壊れた衝撃か粉じんをまき散らしていたが、間違いなく一気に砕けた。
「―――?」
「来る?」
「………?」
赤い光が見えた。
眼の位置に赤い2つの光が見え、何事かと目を凝らしましたが、よく見えず、わたしと桃子が目を凝らしてみようとしていると不意に彼方が不用心にも懐中電灯の光を眼の部分へと向けました。
「ちょっ?! 彼方?! 何してんの!?」
「ぇ? でもだって何かわかんないし?」
「……………?」
思わず注意するが彼方の意見も一理あり、懐中電灯を向けた光の先を見るが、赤い2つの光が見えるだけで、何があるのか全く分からない状態で、鈴がここに来てやっとかと言うように会話の異常に気付き、顔を上げて同じ方向に眼を向けていた。
「現実なのね? 上等じゃない………!?」
「―――?」
何が起きているかわからないが桃子は何が起きていて事情が分かっているようで一人で盛り上がっているような様子だった。
どう見ても巨大なぬいぐるみだった。
粉じんがなくなり、壊れた滑り台から姿を表したのは巨大な恐竜のぬいぐるみだった。
彼方の持っていた懐中電灯に照らされた姿は眼が赤く光り不気味だが、身体と言い、顔と言い、手足と言い綿がたくさん入れられ太く丸くなった身体に、黒い皮膚もぬいぐるみのような布みたいに見えた。
口は大きく牙もたくさん見えるが、人を襲って噛み殺せるようには到底見えなかった。
「―――仲間、じゃないよね?」
彼方はと言うと落ち着いた様子だが手元のリューが興奮している様子で、あのぬいぐるみと同様に眼が赤く光り、鼻息か、外見とは少々裏腹な凶暴そうな声を出していた。
「―――」
わたし、鈴としての目線だが、あの光景の中に確かに見覚えがあった気もするが実際に見てみると少々間抜けな感じだった。
「―――――ぁ? まただ?」
「?! どしたの?! 彼方?」
落ち着いた様子でと言うよりも、突然の状況でなんとも言えないが、何かに気づいた彼方に対し、桃子は何事かと言うように声をかけた。
「携帯? 訳もなくバイブ?!」
「―――うん、そうだけど? 何で知ってるの?」
「だとすれば、あいつは………」
こんな時と言うようだが携帯を取り出すと電話かメールなのかバイブレーションで震えているが、携帯を見た桃子は質問し、彼方は携帯を止めるとなぜ知っているのかと不思議そうに答えた後少しだけ桃子は不敵に笑うと、ぬいぐるみが鳴き声を上げた。
「―――マジ?」
声は低いが外見で言えば相応だが絵本や漫画で使われるような「ガオー」と言うような間抜けな声で聞いた真矢はと言えば軽くだが笑っていたと言うか顔をひきつらせていた。
来るなとは言いませんでしたし、色は黒くて眼が赤く光っていて不気味とも言えるが、何気に可愛くも見えたこともあったが、ぬいぐるみが近づいてきました。
赤ん坊があるくような足取りで右足をだし、左足をだして一歩ずつ進むたびに大きい身体が左右に少し大きく揺れ、転びそうでした。
「―――伏せて!」
「―――っ?」
「え?! ちょっ、とう―――?!」
桃子が勢い良く振りかえるとわたしを含め、真矢と鈴を勢いよく押し倒し、地面に伏せさしました。
「痛いよ~、桃子ちゃ~ん?」
「―――桃子? どした―――――」
様子がおかしいのは確かだが、押し倒された状態で動けない状態で、思わず声が漏れたわたしは置いておくとして、真矢が不意だったが特に怒っている様子はないが、何をするのかと聞きかけた時でした。
空にあの時見た光が見えました。
あの時と言うと言うまでもなく、リューとで会った時に見た頭上を飛んで行った白い光だが、正確にはよく似たもので、少し遅いが、確かに白い光と言うよりも煙で、風船が破裂したかのような大きい音に合わせぬいぐるみに向かって飛んで行きました。
「―――――」
何事かと思う暇もなく煙はぬいぐるみに飛んで行き、勢い良く命中して爆発しました。
「………」
災難続きと言いますか、巻き込んだと言うべきか、巻き込まれたと言うべきか、爆発した後煙や破片のようなものが上を飛んで行きました。
「とりあえず、ありがとう―――」
「うん、ありがとう。」
このために伏せたと言ったのかわからないが、何にしても真矢は桃子に礼を言い、わたしもお礼を言い、桃子は立ち上がった。
「―――あ? 大丈夫?」
あの子こと鈴が身体を丸め泣いていました。
「いや、うそ、知らない、許して………」
「あ、えと、あの―――」
不意な事態なのでまだ名前も聞いていない状態で、声をかけるが、名前も解らず慌ててしまい何も言えませんでした。
「―――」
なんとも言えない状況の中で立ち上がった桃子はぬいぐるみは反対方向の空に顔を向けていました。
「鈴って言うらしいの。」
「鈴? 鈴ちゃん? 大丈夫?」
「と言うか何が起きてんのよ桃子?!」
真矢も遅れて鈴の状態に気付き、わたしに急ぎで鈴の名前を教え、わたしが鈴に声をかける中で真矢は桃子のほうに声をかけました。
未来が見えても嫌なことや変なことが見えると悲惨なものです。
わたしこと鈴はこの時再び別の光景が見えていました。
何にしても解っていたのはこの時見えていたのは赤い2つの大きい目だった。
ぬいぐるみだと言っているが、あれはあの怪物の一種で実際と言うよりも見えたのはよく似ているが異なる怪物で、わたしこと鈴が見たのは怪物に切り殺される光景だった。
身長は少なくとも2m以上、あのぬいぐるみと違い身体が異様に引き締まり本物の恐竜らしく、硬くひび割れたように見える生々しい皮膚に手の指に鋭利で細長い爪が3本、両手で合わせると6本見え、眼の前で突き刺すか振り回そうとしている構えだった。
実際恐竜がどのようなものかわからないが、生々しい臭いと、爪と言うよりも刃の振り回される音が確かに耳が届いたが、後の光景は何が起きたかわからなかった。
心臓を一突きされたか、切り刻まれたか、首を切り飛ばされたか、事実かどうかわからないが刃の振る音や肉が切れるような鈍い音も聞こえ血のような赤い物体飛んだようにも見え、異常なほど現実味がありました。
痛みも感じないほどに痛かったか、反対に感じないほどに一瞬死んだのかと思い、現実に起きるかと思うと怖くて動けませんでした。
巨大なぬいぐるみが姿を表して襲われかけたのは確かだが、突然ぬいぐるみが攻撃されるのはだれが考えてもさらに想定外の事態だが、桃子の視線の先には間違いなく攻撃した場所へと向いていた。
間違いなくあの爆発したような音と光景を見る限り対戦車砲、無反動砲とも言えるが、何にしてもバズーカとかで攻撃したと言える状態だった。
銃刀法のようなものも日本にはあるし、怪物の出るアクション映画でもあるまいし、ぬいぐるみは木端微塵に砕けたし、信じられない状態なのは確かだった。
大きな声であまり言わないがわたしこと、真矢は彼方たちとは話さないが結構こう言う関係の話が好きである。
「―――」
「そこいんの?! 姿見せなさいよ?! 卑怯者!?」
「―――!?」
桃子が何も言わずに見ている状態で、彼方は鈴に声をかけている最中で不意な事態でいらだったわたしは確かに人影のようなものが見えた気がして勢い良く言い、桃子を軽くだがおどろかせた。
真矢の言う卑怯者とか言う以前と以上の問題の状況だが、言葉に反応したのか人影は声に反応して降りてきました。
「―――?!」
高さから判断して5m以上ある高さだったが難なく降りてきて平素な顔をしていた。
年上だと思われる少女で、背は全体的に見てわたしたちよりも一頭身ほど上で、大人びているが、よく見れば同じ年ほどに見えた。
片手にはどこで手に入れたかわからないが、この力が発展すれば出せるようになるのかわからないが、あの怪物を撃ったのか、細長い銃のようなものが握られていた。
後で真矢に聞いたが、あの銃はHK69A1と言う銃だそうだ。
入野遥香だ。
見えたのだ。
わたしこと桃子には、この未来の光景が自分でも信じられないが見えているのだ。
「鈴ちゃん? 本当に大丈夫?」
彼方はと言えば鈴を起こそうとしている最中で、鈴はと言えば一向に起き上がりそうにない状態で嫌と言いながらも立ち上がろうとしている状態だった。
「―――だれが卑怯者よ? 助けてやったんだから礼ぐらい言ってほしいわね?」
「わたしが言ったのよ! 何起きているかわかんないけど、危ないじゃない?!」
見えてはいたが、ここで見えた光景とは別の光景が現実に存在している。
「あんたたちも忙しくなるわよ? よく聞きなさいよ?」
「上等じゃない?! 銃刀法違反とかもあるし、全部説明してもらうわよ!?」
真矢と遥香が喧嘩をしている光景だ。
見えたのはリューを抱えた彼方と遥香が話し合う光景で、彼方が銃で撃たれるかもしれない光景だったが、現実には遥香と喧嘩に突入してしまった真矢と遥香、鈴を起こそうとしている彼方、わたしこと桃子が存在していた。
「―――遥香、ちゃん?」
「―――?!」
「―――!?」
不意に口を開いたのは鈴で、鈴が遥香のほうへと顔を向け、遥香の名を呼んだ。
「入野遥香、遥香ちゃんだよね?」
「―――す、ず………?」
「わたしだよ? 鈴だよ? 遥香ちゃんでしょ? 違うの? 覚えてないの?」
確認するように鈴は遥香の名を呼び、遥香は少しおどろいた様子の中で鈴は再び遥香に対して呼びかけた。
「―――ひさしぶりね?」
「いったい? 何があったの? これ何? 知ってるの? 教えてよ?」
勢いのよかった真矢との喧嘩と違い、目を反らし、無視するが無視できてないような返事を返す中で鈴は遥香のほうへと軽く足を進めた。
「学校にも来ないし、変なうわさ立ってるし? それに―――」
「いずれ解る。それじゃ。」
「あ?! ちょっと?! 待ちなさいよ!?」
逃げた。
何にしても事実ではあったが、何か矛盾が、未来が変わったとも言えるが、鈴に声をかけられた遥香は勢い良く逃げ去ろうとした。
「―――」
「待ちなさいよ?!」
このまま終わらせるかと言うように真矢は追いかけようと走り出すが、遥香は逃げ際に振り返り、小型の円筒形の物体を勢いよく放り投げた。
「っ?―――ばくだ―――」
足元へ投げられ、爆弾だと思った真矢は思わず足を止め数歩さがろうとした中で円筒形の物体が激しい光を放った。
照明弾とか言うものかわからないが、後で真矢から聞いたがフラッシュバンとか言うものらしく、激しい光と大きい音で怯ませる爆弾の一種だそうだ。
真矢からの情報を続けるが、こけおどしかと思われるが意外に効力が強く、テロなどの引きこもりの際、要人救出などで役に立つそうだ。
全員まぶしくて眼を閉じたのは言うまでもない状態で、だれもがそうだが追従して耳に少し嫌な音と感覚が残っているが一番初めに眼を開けたのは真矢で、言うまでもなく遥香の姿はなかった。
話はこの後も家に帰るまで続きますが、桃子が後で話すことになりますが、未来が見えることと言い変化と言い気になる点は多々ありますが、時間経過を含め、ここから一度ほかの人間たちに話に移すことになります。
突然別の話になるようで意味不明ですが、何が起きたかと言えば、後になって思うが、簡単に言うと全員が巻き込まれたと言う状況だと言えました。