7/7
壱章……絶体絶命
「ぐっ……!!」
逃げろ、と足が、本能がそう叫んでいる
だと言うのに、俺の足は動かない
即ち、恐怖故に……
「くっそ……!動けよ……!!俺の足ぃぃ!!!」
こんな時に限って体も動かせない自分が嫌だった
「ひふふほひふひひひふひっっ♪さあさあさあ、その精気をわたくしに下さいな♪」
ザッザッザッと、ゆっくりではあるが、確実に近づいてくるそれが、俺にとって今までで感じたことのない恐怖だった
こんなところで死にたくない……このままじゃ、昴の二の舞じゃねぇか……!!
と、不意に異質な何かが蠢いた気がした
「っっ!?」
俺が驚いたのも無理はないだろう
何故なら、その目の前の常人ならぬ異人はから、得体の知れないオーラの様なものが放出されていたのだ