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新戦国乱世  作者: 幻音
序章~壊れゆく日~
4/7

序章……巡り廻る

暑いですねー

小さな建物(恐らく会社であろう)の前に小柄でボロボロの服を着た男性が、立ち尽くしていた


「くそがっっっ!!」


彼は客観的に見ればどう考えても荒れているようだった


ガンっ、とその建物の壁に鈍い音を素手でならした


「なんで、僕がっ、リストラされなきゃならないっ!!」


奥歯を噛み締め、怒りで顔を赤く染めた


「僕がどれだけ苦労してこの仕事に就いたと思ってるんだっ!!」


赤く染まった手に持っていた歪なスカーフを巻き、握りしめる


……泣きはしない


それは奴らに屈したことになる


そして、彼は願ってしまった


「…………力が欲しい、何者にも屈することのない、圧倒的な力が……」


憎悪が膨らむごとに、手から力が湧いてくる気がしている


「こんなことで悩まないほどの力がっ!!」


彼は知らなかった


身につけているスカーフが、『あの文字が刻まれた』ものだったことを……


そして目覚めてしまった


「こんな世界は……いらない!」



















────では叶えてやろう。貴殿の願いを。




────────────────────────



キーンコーンカーンコーン


「はい、じゃあ今日の授業はこれで終わりね」


今日最後の授業が終わると、クラスがざわめくのはよくあることだ


「ふぁ~、やっと終わったな~」


トテトテと、俺の席に向かって来た優に声をかける


「そうだね~、でも部活いかなきゃ~」


少し苦笑いをする優


確か軽音部だっけ?優の部活って


「そうか、じゃあまた後でな」


言うと、優はパアッ、と顔を輝かして


「うん、また家でね!」


そう告げてタタタっと走って行った


……はぁ


「燃え尽きてないで帰るぞ、昴」


自らの机で、まるで精根果たしたように横たわっていた変人に呼び掛ける


「俺……さっきの授業が終わったら、結婚するんだ」


何言ってんだ、こいつ


「……おいてくわ」


「ぇえ!ちょ、待ってーーーー!」




俺はこれから起こることなど考えてもいなかった


───それから俺の……俺たちの日常は壊れ始めた


次回から壱章に入ります。

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