プロローグ
全く違う内容で書き直しました。
「ったく、師匠の奴覚えていろよ。」
ウィズは今朝のことを思い出しながら山道を歩いていた。
「ウィズよ、冒険者になる前に山に行ってリーン草を取ってこい。」
「はっ?今なんて言いました?」
「じゃからリーン草を取ってこいと言ったんじゃ。」
リーン草は万能薬になる薬草でAランクエリアのバーリオン山の山頂にしかない稀少薬草だ。
「なんでそんなことを?ストックはまだ有りますよね?遂にボケが始まりましたか?」
「ボケとらんわ!!儂からの最終試験じゃ。達成出来れば十分冒険者としてやっていけるじゃろ。」
「わかりました。取ってくればいいんですね。」
「うむ、行ってこい。期限は明日までじゃぞ。」
こうしてウィズはバーリオン山を登ることになった。
「全く、あれで80歳過ぎてるとは、思えないよな。」
ウィズの師匠であるカインは昔はAランクの凄腕冒険者だったらしい。ウィズは剣の勝負で勝てる様になったのはカインに師事してから10年たった昨日だった。
「何にしてもリーン草を取って戻れば俺も冒険者だ・・・ん?」
ウィズは魔物の気配に気づき、腰に携えた剣を構えて警戒しながら進と森の右側から魔物が出てきた。
「アイアンズベアか。」
アイアンズベアはBランクの魔物で体長は2メートル程度だが力が強く鉄以上に硬い毛皮を持つ厄介な魔物である。ウィズは剣を正面に構えアイアンズベアと向き合う。
「ったくもうすぐ山頂だってのにめんどくせぇ。」
ウィズは呟くと五メートル程度の距離を一歩で縮めると剣で斬りつけると、アイアンズベアはカウンターで右手を振り下ろしてきた。
「ちっ、浅かったか。けどこれで。」
ウィズは右手をバックステップでかわすと一瞬でアイアンズベアの懐に入ると剣をふり、腹から胸にかけて切り裂いた。
「がぁぁぁぁーー!」
アイアンズベアは断末魔を上げながらたおれた。
「よし、山頂までもうすぐだな。」
ウィズはアイアンズベアが死んだのを確認すると山頂へ向けて歩き出した。