星の光【詩の中の小さな物語2】
負けない
負けない
私は負けない
どんなに周りが
明るくても
私は私の
光を消さない
私は私の
弱音に負けない
『星の光』 (写真詩から詩を抜粋)
星の明かりはとてもとても小さく弱いです。それは星が、地球の遥か彼方、遠く遠くにいるからです。
それなのに、星の光はその存在感を弱めません。その星のほとんどは自分から光り輝いています。誰かの光を反射するのではなく、自分の内側から溢れる光を宇宙に放ち、地球にまで届かせているのです。
それでもやはり、そばにある光の強さには敵わないもので、多くの星明かりは地上にある明かりに取り込まれて見えなくなってしまいます。あたかも、最初から無かったかのように。ここにいるのに、まるでいない者のように扱われるのは、とても心辛いものがあります。そして見えなくなれば人はみな、星の存在など段々に忘れてしまうのです。星々もその小さな小さな声で言葉を漏らします。
「もうこんな思い嫌だよ」
「だったら最初から地球に明かりが届かないようにすればいい」
「わたしたちはずっとここにいるのに」
「見えない見えないって言われるね」
「この前はもっと光れって言われたよ」
「自分の周りが眩し過ぎるだけじゃんね」
「やってられないよ」
「どうせ見てないし、そんなに頑張って光らなくていいんじゃない?」
そう言って、たくさんの星々は地球まで明かりを送るのをやめてしまいました。
そんな中、周りの声や地上の強い明かりに頑なに抗い、光り続ける星がいました。その星も何度も何度も心が挫けそうになり、その度に光がゆらゆらと揺れます。ですが星はめげません。どんなに弱くなっても、どんなに孤独を感じても、光ることをやめませんでした。
「わたしは負けない。挫けない。わたしを見てくれてる誰かがきっといる。だからこの明かりは弱めない」
その星は、周りの星々が次々に光を弱めて去っていくのを寂しく思いながら、自分の心と戦っていました。時には悔しくて涙しながら。時には弱音に光を飲み込まれそうになりながら。星は光り続けました。
ある日、その星は地上のイルミネーションの上にやってきました。ギラギラと輝く地上は、宇宙からでも目立ちます。きっとあそこからでは、星は全く見えていないでしょう。それでも、星は光を弱めません。
しかしイルミネーションの明かりが音に合わせて動く度に、その星の心がシュルシュルと小さくなるようでした。星の光が小さく弱々しくなります。
もう少しで消えてしまうかもというところで、星の耳に幼い声が聞こえました。
「ママ! あそこにお星様が見えるよ!」
その星は驚いて、思わず光を強めました。
「本当だ。イルミネーションと星を同時に見られるなんて、とても綺麗ね」
「うん! とってもキレイね!」
「他の星はきっとイルミネーションの光に負けて消えてしまってるのね。でも見えないだけでいなくなったわけじゃないのよ」
「ふーん。じゃああのお星様は1番明るくてキレイなお星様ってことだね!」
「ふふ、そうかもしれないね」
その星は嬉しくて、嬉しくて、イルミネーションに負けないくらいキラキラと光の筋を長く伸ばして輝きました。地球に届くのは点のような明かりでしかありませんでしたが、その星はそれでも満足だったのです。
終
詩に込められた小さな物語。写真詩として公開していた詩から物語を紡ぎました。
継続は力なりとは言いますが、あなたには続けていることがありますか? もしくはこれから何を続けていきたいですか?




