これは、戦争の荒波に揉まれた一匹の旗魚が、 もう一つの海で平穏を求めた物語――の、プロローグ
*今作が初投稿となります。*作中に実在する組織や国名が出てきますが、もちろんフィクションです。ご留意お願いします。*R15は保険です。*誤字脱字、設定は頑張って確認しているつもりですが、矛盾があった場合にも読んでいただければ幸いです。*作者の要領の悪さで 表現力の及ばない部分が多々あると思います *読者の皆様が本当に読みたい作品に出会えることを心から願っています。(つまんなかったら読み飛ばしてね)
「グリフォン社」、という企業があった。
その会社はアメリカから起業後わずか一年で誰もが名を馳せるエネルギー業界の大企業となった。 しかし、その二年後、 グリフォン社の所有する原発で、 中国、イギリス、オーストラリアの順で原因不明の原発事故が発生。
当時エネルギー資源の枯渇と重なったこともあり、 2215年、 第三次世界大戦が勃発。
俺はその時、 中学2年生くらいだったが、 その年から軍の訓練を受け、 お金の事情で俺の場合は十五から技術二等志願兵、 その半年後からは少々特殊な部隊にいた。
しかし現在は、また技術二等兵として沖縄に左せ…… 派遣されて、 実際には戦時中であることを忘れてしまうほど平和で、他国から日本に攻撃をされたことはココ最近では一年前の沖縄防衛戦くらいだ。
また、俺は階級としては一番下の二等兵だが、 技術部隊として派遣されたため、武器の点検などの仕事もちゃんとあり、知り合いもそれなりにいて、 廃材で色々と作りながら楽しく生活している。
だが、 大切な時間はいつか失われるからこそ大切なのだ。
それは、俺がここに派遣されてから一年が経とうとしていたある冬のこと。
「フハハハ! 今日メテオが冴えてる日かーい?!」
「ああ、クソ! ……おい あとでまた練習するからゲーム貸せ!」
俺はいつものように同僚に大人気アクションゲーム、 「スラッシュシスターズ」で圧勝していた。
俺が13の頃に買った少し古めのゲームだが、 娯楽としての役割は今でも十分だ。 ちゃんと大事に使って、まめに点検をすれば五年近くも遊べるのだ。
すると、一人で勝手にゲームの練習をし始めた同僚の山田が。
「しっかしお前すげーな、 ゲームとか電子レンジも作れるなんて」
「そうだろうそうだろう。 まあ、両方が一からってわけじゃないが、この電子レンジは確かに苦労したからな!」
俺はそんな調子のいいことをいいながら、 その電子レンジの中に缶飲料を入れる。
「おい、それ缶のコーンスープだろ? 大丈夫なのか?」
「大丈夫だろ、ちょっと温めるだけだし」
と、その時。
『敵襲! 敵襲! 某国の中隊規模の人数が侵攻中! 全員制圧にかかれ!』
突然この基地全体にアナウンスが響く。
「だってさ、 ほら行くぞ、 アロウ二等兵!」
その言葉に俺は久しぶりの実戦ということもあり緊張している。 俺が、着替えや装備をつけ終え、 部屋を出ようとしたその時。
――後頭部にいきなりゴンと重い衝撃を受け、 俺の意識はそこで途絶えた。